角田光代さんの小説を読むのは「八日目の蝉」に次いで二冊目ですが、この作品も面白かったです。
この作品の中で描かれる登場人物ですが、けっして安易に良い人には描きません。
高校時代のクラスメートもママ友も職場の仲間も、ついこの間まで親しく接していた友人や知り合いがほんの些細なきっかけで、ある日突然手のひらを返して牙をむいてくる様子など、リアリティがあり過ぎなくらいリアリティがあると感じました。
小夜子と葵、葵と魚子(なおこ)の二組の女性の友情を、時間を前後しながら描いていますが、高校生の時の葵と会社を経営する今の葵がなかなか同じ女性に感じられなかったです。
どちらかというと、昔の葵は今の小夜子のような女の子だったのではないかと思いながらこの作品を読んでいました。
葵が今に至るまでに何があって、どう成長して今のような考え方や生き方をする女性になったのか、そこが気になりながら読みました。
小夜子が専業主婦から仕事をするようになる動機が、生活費を稼ぐためではなく、娘の社会性の欠如を心配して保育園に入れたいがためである点とか、小夜子の夫がマザコンでどう考えても尊敬も愛情も感じることもできなさそうなのに、どうして唯の一度も離婚を考えないのかとか、多少不自然さを感じて引っかかる部分もなくはなかったです。
ただ非常に内向的で人付き合いのヘタな小夜子の性格を考えれば、あり得ないことではないかもしれないですが。
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