漫画というジャンルに触れている人で本作をまだ読んだことがない、名前だけは知っているけど昔の作品だし、絵柄が古めかしいから躊躇する、とかそういう人が居るなら絶対に読んだほうがいい。いち漫画読みとして本作をスルーしてるというのは人生を損してる、と言えるくらいの漫画史に残る大傑作。
何よりもシナリオの完成度が半端ない。第1話冒頭のモノローグ、”寄生獣”というタイトルの意味、母親という存在、田宮良子の宿した命、といったこの1巻で出てくる様々な要素、それから次の2巻で出てくる「この種を食い殺せ」などあらゆる話が伏線として後半で回収されつつ、全10冊で完璧に広げた風呂敷を畳みきる。作品のメッセージ性も完結したのが95年であることを考えると時代をかなり先取りしている。
だからといって高尚なだけの漫画というわけでもない。3巻で遍歴を経て寄生生物を体内に取り込むことで身体能力が大幅に上昇し人格に変化が見られる新一は昨今のなろう作品のチート主人公を数段説得力をもって描いている感があり、そういうジャンルを楽しんでいる若い世代にも引っかかるはず。序盤でひどい目に合わされるヤンキーをめんどくさがりながら一蹴するシーンは全てのボンクラ野郎の願望の具現化だ!ミギーと新一のバディものみたいなやり取りも楽しいし、泣けるシーンはホント泣けるし、エンタメ漫画としても一級品。
作画は決して達者な方じゃないんだけど、読んでいるともうこの絵柄以外はあり得ないと思えるんだよね。なんというか、名状しがたい”漫画力”とでも言うべきものがあるっていうか。漫画の歴史の中には時々ブレイクスルーを起こしたとしか思えない神がかった状態になる作品があるけど(例えばスラムダンクの山王戦後半とか)、本作もまさにそれ。兎も角、読むべきだ。
寄生獣(1) (アフタヌーンコミックス) Kindle版
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日1990/7/23
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ファイルサイズ92028 KB
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商品の説明
著者について
岩明均
1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。 --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。 --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
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カスタマーレビュー
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星5つ中の4.7
282 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年12月31日に日本でレビュー済み
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72人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
漫画が好きと公言する人にはみんなに読んでおいてもらいたい基本的な漫画。
絵柄が古いとか少しグロい部分はあるが是非読んでもらいたい。
テーマがブレることなくしっかりと丁寧に描かれる物語。
物語のあるべき姿なのかもしれない。
全巻読み終わったあとの読後感は最高の一言。
他の漫画では味わえない感情や、感覚をおぼえる。
読まないと人生損しているなどという言葉は嫌いだが、読むと考え方がいろいろ変わってくると思う。
それほど強いメッセージがある。
絵柄が古いとか少しグロい部分はあるが是非読んでもらいたい。
テーマがブレることなくしっかりと丁寧に描かれる物語。
物語のあるべき姿なのかもしれない。
全巻読み終わったあとの読後感は最高の一言。
他の漫画では味わえない感情や、感覚をおぼえる。
読まないと人生損しているなどという言葉は嫌いだが、読むと考え方がいろいろ変わってくると思う。
それほど強いメッセージがある。
2018年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて第1巻を開いたときの印象は、古賀新一かと思しき古臭い絵とホラー感で、あまり良いものではありませんでした。主人公も新一だし。
しかし、そんな取るに足らない前知識と、どうでもよい既視感は、数ページ捲った後に、全て脳の彼方の外まで吹き飛び消滅してしまいました。
原作だけのものは除いて、氏の作品は全て読みました。共通点としてあるのは、喫茶店の人間模様からマケドニア史に至るまで、徹頭徹尾、プロットに破綻が無いことです。往々にして、編集者の横槍や流れ上の思い付きはお察し、と所感を抱くものなのですが、この方の作品は全くスキがない。物語の起承転結、どこにもブレが無いのです。
次に、コマ割りの秀逸さ。デザイン性や画力のことではありません。アクション漫画などは特に、作中の動作描写が混んでくると、場面やキャラの位置関係など、何がどうなったかわからなくなっているものがあるのですが、この方の作品は全くスキがない。流麗なカメラワークと、絶妙な行間。鳥山明や手塚治虫に等しい感性と監督眼の持ち主です。
「ヒドゥン」「物体X」「ゼイリブ」「ブレードランナー」など、自分が大好きな映画のエッセンスをふんだんに感じることができることも、この作品への思い入れを、より一層強くしています。20年以上、何度も何度も読み返しています。
しかし、そんな取るに足らない前知識と、どうでもよい既視感は、数ページ捲った後に、全て脳の彼方の外まで吹き飛び消滅してしまいました。
原作だけのものは除いて、氏の作品は全て読みました。共通点としてあるのは、喫茶店の人間模様からマケドニア史に至るまで、徹頭徹尾、プロットに破綻が無いことです。往々にして、編集者の横槍や流れ上の思い付きはお察し、と所感を抱くものなのですが、この方の作品は全くスキがない。物語の起承転結、どこにもブレが無いのです。
次に、コマ割りの秀逸さ。デザイン性や画力のことではありません。アクション漫画などは特に、作中の動作描写が混んでくると、場面やキャラの位置関係など、何がどうなったかわからなくなっているものがあるのですが、この方の作品は全くスキがない。流麗なカメラワークと、絶妙な行間。鳥山明や手塚治虫に等しい感性と監督眼の持ち主です。
「ヒドゥン」「物体X」「ゼイリブ」「ブレードランナー」など、自分が大好きな映画のエッセンスをふんだんに感じることができることも、この作品への思い入れを、より一層強くしています。20年以上、何度も何度も読み返しています。