元厚生省事務次官まで登り詰めた著者の半生記。
読んだ感触としては、とても素直に、正直に書かれている印象を持つ。
この本でも、特筆すべきは検察官面前調書の作成のされ方だろう。
そして、その調書のみを証拠として行われ、有罪判決となる裁判制度そのものである。
全く任意性もなければ、余りにもずさんなストーリーによる構成がまかりとおり、自白は証拠の王様であることをまざまざと見せつけられる。
検察の取り調べ方法の歴史を研究すると意外なことが分かりそうだ。洗脳に似たものを感じる。
また、本書はそれ以外にも、薬害エイズでの資料の出てきた経緯や薬害エイズが生まれるまでの経緯についても興味深い。
そして、もう一つ、安保闘争の若者の心理、反米闘争、についてとてもよく分かるのだ。
そういう意味でも非常に興味深い一冊だった。
あえて星4つとしたのは著者が知る事実をもっと公開して欲しいという期待を込めて。
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