この『宗教学文献事典』は、「現代」の「宗教学」における重要参考「文献」を一覧した素晴らしい「事典」である。浩瀚で格調の高い現代宗教学のブックガイドである。専門家だけではなく、しろうとや一般読者でも活用できるようにつくられている。らしいが、やはり「玄人向け」のもののように私には思われる。
扱われている文献数は八四九に及び、それらが三十三の項目に分類されている。すなわち、
宗教学と関連諸学
■ 宗教学・宗教現象学
■ 宗教理論
■ 宗教史学
■ 宗教哲学・宗教思想
■ 宗教社会学
■ 宗教心理学
■ 宗教民俗学
■ 宗教人類学 考古学も含む
■ 神話学
■ 死生学・生命倫理
■ 差別・ジェンダー
■ 宗教と科学
■ 宗教と政治
■ 宗教と文学・芸術
諸宗教
■ 仏教・仏教学・印度哲学
■ キリスト教・キリスト教思想
■ イスラーム・イスラーム思想
■ 古代中近東の宗教
■ ギリシア・ローマの宗教
■ 儒教
■ 道教
■ ユダヤ教・ユダヤ思想
■ 新宗教・宗教運動
諸地域
■ 日本の宗教
■ 東アジアの宗教
■ 南アジアの宗教
■ アジア諸地域の宗教
■ アフリカの宗教
■ オセアニアの宗教
■ アメリカの宗教
■ ヨーロッパの宗教
■ ロシア・東欧の宗教
意外にも「宗教学」という学問が幅の広いもので、多岐に亘る学問かということがわかる。「宗教学=キリスト教神学」と考えている頭の固い人はその古い見識を改めていただきたいものである。
上のように「分類」はされているが、「事典」らしく著者名の「あいうえお順」に並べられている。アウエハント『鯰絵 民俗的想像力の世界』から始まり、ワトソン&ロウスキ『中国の死の儀式』で終わっている。
この「事典」で紹介されている文献のほとんどが二十世紀から今世紀にかけての日本人によって書かれたものである。一番古いものはヒュームの著作かな。また未邦訳の文献も数点みとめられる。
また「付録:辞典・事典/講座・叢書」と「索引:和文文献索引/欧文文献索引/和文人名索引/欧文人名索引/和文事項索引/欧文事項索引」が附されている。
古臭そうで実は新しい学問である宗教学の、手っ取り早い、そして本格的な文献リストである。説明も平易で判りやすいよ。
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