(以下、日本語版まえがきから引用)
今ほど「学習する組織」が強く求められる時代はないであろう。学習する組織とは、目的を達成する能力を効果的に伸ばし続ける組織であり、その目的は皆が望む未来の創造である。学習する組織には唯一完全の姿があるわけではない。むしろ、変化の激しい環境下で、さまざまな衝撃に耐え、復元するしなやかさをもつとともに、環境変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続ける組織である。
2008年の金融危機、その後顕在化した多くの国家の財政危機、資源問題や食料問題、気候変動などでグローバル経済が揺れ動く中、2011年3月に日本を襲った大震災と津波は、被災地だけでなく、国内外の広範な地域で生産活動や生活に多大な影響を与えている。私たちは、網の目のように紡がれたつながりの中で経済活動を行い、社会を構成し、日々暮らしていることを平時には忘れがちだ。(中略)
そのような複雑で変化の激しい時代には、多様な関係者が真の対話を重ね、複雑な現実を見つめ未来のビジョンを共有することで、自ら創造し、再生し続ける組織が必要だ。学習する組織はまさに21世紀に求められる組織像であり、ピーター・センゲ氏(英語での発音は、「センギ」のほうが近い)の先駆的な仕事は、そうした未来の組織課題や社会課題に対応するための新しい組織像を、20年以上前から示していたのである。
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センゲ,ピーター・M.
マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院上級講師、組織学習協会(SoL)創設者。MITスローンビジネススクールの博士課程を修了、同校教授を経て現職。旧来の階層的なマネジメント・パラダイムの限界を指摘し、自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」の理論を提唱。20世紀のビジネス観略に最も大きな影響を与えた1人と評される。その活動は理論構築のみにとどまらず、ビジネス・教育・医療・政府の世界中のリーダーたちとさまざまな分野で協働し、学習コミュニティづくりを通じて組織・社会の課題解決に取り組んでいる
枝廣/淳子
(有)チェンジ・エージェント会長。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。心理学を活かし、「自分や人を変える」技術を構築。講演、研修、執筆、テレビ出演などのほか、企業の変革に向けて企業の社会的責任(CSR)などのテーマで企業のコンサルティングを実施している。NGOジャパン・フォー・サステナビリティの共同設立者兼代表や東京大学客員研究員としての活動等を通じ、福田・麻生内閣「地球温暖化に関する懇談会」などのメンバーを務め、日本の低炭素社会ビジョン策定やコミュニケーション戦略に関わっている
小田/理一郎
(有)チェンジ・エージェント代表取締役社長兼CEO。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発の業務変革・組織変革に取り組む。2002年より独立して企業の社会的使命の追求と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング活動を展開。MIT、ウースター工科大学などでシステム思考を学び、システム思考によるプロセス・ファシリテーション、研修、執筆を行う。SoLジャパン事務局代表などを務め、日本でシステム思考やダイアログ、U理論などの普及に務める
中小路/佳代子
(有)チェンジ・エージェント講師。津田塾大学学芸学部英文学科修了。システム思考の第一人者、デニス・メドウズ氏より直接、システム思考インストラクター養成教育を受け、その後、日本でのシステム思考セミナー講師として活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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内容(「BOOK」データベースより)
著者について
[著者]
ピーター・M・センゲ Peter M. Senge マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院上級講師、組織学習協会(SoL)創設者。MIT スローンビジネススクールの博士課程を修了、同校教授を経て現職。旧来の階層的なマネジメント・パラダイムの限界を指摘し、自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」の理論を提唱。20 世紀のビジネス戦略に最も大きな影響を与えた1人と評される。その活動は理論構築のみにとどまらず、ビジネス・教育・医療・政府の世界中のリーダーたちとさまざまな分野で協働し、学習コミュニティづくりを通じて組織・社会の課題解決に取り組んでいる。
[訳者]
枝廣 淳子 Junko Edahiro ㈲チェンジ・エージェント会長。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。心理学を活かし、「自分や人を変える」技術を構築。講演、研修、執筆、テレビ出演などのほか、企業の変革に向けて企業の社会的責任(CSR)などのテーマで企業のコンサルティングを実施している。デニス・メドウズ氏をはじめとする世界のシステム思考家とのネットワークを築き、システム・ダイナミクスを用いたデニス・メドウズ著『成長の限界 人類の選択』(ダイヤモンド社)、ジョン・D・スターマン著『システム思考』(東洋経済新報社)を翻訳、またシステム思考の入門書『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』(東洋経済新報社)、『入門! システム思考』(講談社)を共同執筆。NGO ジャパン・フォー・サステナビリティの共同設立者兼代表や東京大学客員研究員としての活動等を通じ、福田・麻生内閣「地球温暖化に関する懇談会」などのメンバーを務め、日本の低炭素社会ビジョン策定やコミュニケーション戦略に関わっている。
小田 理一郎 Riichiro Oda ㈲チェンジ・エージェント代表取締役社長兼CEO。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発の業務変革・組織変革に取り組む。2002 年より独立して企業の社会的使命の追求と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング活動を展開。MIT、ウースター工科大学などでシステム思考を学び、システム思考によるプロセス・ファシリテーション、研修、執筆を行う。SoL ジャパン事務局代表などを務め、日本でシステム思考やダイアログ、U 理論などの普及に務める。共著に『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』『もっと使いこなす! 「システム思考」教本』(以上、東洋経済新報社)『企業のためのやさしくわかる生物多様性』(技術評論社)、共訳にジョン・D・スターマン著『システム思考』(東洋経済新報社)。
中小路 佳代子 Kayoko Nakakoji ㈲チェンジ・エージェント講師。津田塾大学学芸学部英文学科修了。システム思考の第一人者、デニス・メドウズ氏より直接、システム思考インストラクター養成教育を受け、その後、日本でのシステム思考セミナー講師として活動中。経済・環境分野の翻訳を多く手がけ、主な翻訳書はデヴィッド・スズキ著『グッド・ニュース』(ナチュラル・スピリット)、リーアン・アイスラー著『ゼロから考える経済学』(英治出版)、エリック・シュローサー他著『フード・インク』(武田ランダムハウスジャパン)など。
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