天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずとか言ってるけど、世の中見ると金持ちも貧乏もいるし貴人も下人もいるよ。
さながら雲と泥レベルで違う様相になってるけど、結局学ばないと成功しないし、学ばないでいると雑魚になるよ。
という事を序文で言っている。
教科書で誰でも習う一文なので誰でも知っている「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉だが、実際はその後に「と言えり・・・」と長く続いて上記のような事を言っている。
ともすればそのまま人間の本質的平等を謳う一文ともとれるが、実際の世の中は平等ではない無いという、ほとんど真逆のことを訴えかけているのだ。
教科書も岩波文庫の紹介文も大なり小なり明らかに意図的にミスリードを狙っているのである。
一万円に書かれているのでパチンカーにすら諭吉諭吉と呼び捨てにされている福沢諭吉だが、本書を読むと幕末の封建制の中で生まれた人間がここまで自由で先進的な思考をしていることに驚くばかりである。
明治期の大ベストセラー自己啓発書でありながらも、月並みな言い方をするなら現代でも大いに通用する内容となっている。
ちなみに本書で言われている「学問」とは、机上の勉学でなく実利的な実学の事である。(まあそれを念頭に置いた上でなお以下の文を書くが)
0円のkindle版(青空文庫版)も岩波文庫版も本文は文語体。福沢諭吉の著作は「福翁自伝」以外は全部文語で書かれている。
文語体だが読めば意味もちゃんと取れるし、次第に慣れて誰でもスラスラ読めるようになるとは思う。
出版当時は日本人のかなりの人間が本書を読んだという。
明治当時の基準で文盲と判定されたくないなら、現代語訳ではなく文語で読み切ってほしい一冊である。
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