本書の書き方は整然としていて、『政策リサーチ入門』や次の段階と思われる『原因を推論する』でも触れている、分析や推論の要点も分かりやすく踏まえつつ説明してある。
実際の統計の見方や、政策につなげていく考え方の学びにもなった。
本書のはじめに、やおわりに、にある様に、以前著者が財務官僚に「分析は分かった。どうしたらいいのか?」と聞かれたのは、当然ではなかろうか。
分析できたなら次のステップとして当然対策の立案があるべきだ。著者の能力からしても活かしきれていなかったと思う。
一方。細かな所で違和感を抱く点もある。
支援が届いていない、声さえ上げられていない要支援の人々が多数いる一方、実際に生活保護の患者さんが多く受診する病院では、生保なのに毎年海外旅行をしてお土産をくれたり、自分の分だけでなく家族や知人の為に湿布や外用・内服を処方の限界まで求める人の話も知人から直接、複数聞いている。
審査をすり抜けるコツや人脈があるのだろうか?
また、以前から思っているが、大きな政策を提案する研究者も官僚も、現場の最前線で政策の手応えや効果・不足している点を肌身で感じる経験が必要なのではなかろうか?
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子どもの貧困II――解決策を考える (岩波新書) 新書 – 2014/1/22
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2013年、「子どもの貧困対策法」が成立した。教育、医療、保育、生活。政策課題が多々ある中で、プライオリティは何か? 現金給付、現物給付、それぞれの利点と欠点は? 国内外の貧困研究のこれまでの知見と洞察を総動員して、政策の優先順位と子どもの貧困指標の考え方を整理する。社会政策論入門としても最適な一冊。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2014/1/22
- 寸法11.5 x 1.1 x 17.5 cm
- ISBN-104004314674
- ISBN-13978-4004314677
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
二〇一三年、「子どもの貧困対策法」が成立した。教育、医療、保育、生活。政策課題が多々あるなかで、プライオリティは何か?現金給付、現物(サービス)給付、それぞれの利点と欠点は?国内外の貧困研究のこれまでの知見と洞察を総動員して、政策の優先順位と子どもの貧困指標の考え方を整理する。社会政策論入門としても最適な一冊。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
阿部/彩
マサチューセッツ工科大学卒業。タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士号・博士号取得。国際連合、海外経済協力基金を経て、1999年、国立社会保障・人口問題研究所国際関係部第2室長に就任、現在は同研究所社会保障応用分析研究部部長。2011~13年、内閣官房社会的包摂推進室企画官(併任)。そのほか、厚生労働省社会保障審議会臨時委員(生活保護基準部会)、国家戦略室フロンティア分科会幸福のフロンティア部会長、内閣府男女共同参画会議専門委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
マサチューセッツ工科大学卒業。タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士号・博士号取得。国際連合、海外経済協力基金を経て、1999年、国立社会保障・人口問題研究所国際関係部第2室長に就任、現在は同研究所社会保障応用分析研究部部長。2011~13年、内閣官房社会的包摂推進室企画官(併任)。そのほか、厚生労働省社会保障審議会臨時委員(生活保護基準部会)、国家戦略室フロンティア分科会幸福のフロンティア部会長、内閣府男女共同参画会議専門委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2019年6月26日に日本でレビュー済み
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2018年8月2日に日本でレビュー済み
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日本での取り組みが始まったばかりで、追跡調査のままならぬ中、海外での実例を参照しつつ日本に適用可能かどうか検証したりしている。どの策にもそれぞれ懸念があるようだ。今後も案を練っていく必要があると筆者は呼びかける。
1つ気になったのは、学歴格差について語るところ。筆者は子供全員が同等の教育機関に所属することを重要視している。一箇所に集めると機会を平等に配分しやすい、ということなのだろうが、学校の包容力には限界があるし、オプショナルな存在となるほうが逆に平等という場合もあるのではないか。貧富で行く行かないが決まらないようにすべきだというのには賛成だが、”全員が学校に行ける”ではなく”学校に行かなくても大丈夫”になる方へ向かうのはどうだろう。
この本は前著同様、データの記載が豊富で、大学などで使われることもあるようだ。沢山の知恵が重なっていくこと期待する。
1つ気になったのは、学歴格差について語るところ。筆者は子供全員が同等の教育機関に所属することを重要視している。一箇所に集めると機会を平等に配分しやすい、ということなのだろうが、学校の包容力には限界があるし、オプショナルな存在となるほうが逆に平等という場合もあるのではないか。貧富で行く行かないが決まらないようにすべきだというのには賛成だが、”全員が学校に行ける”ではなく”学校に行かなくても大丈夫”になる方へ向かうのはどうだろう。
この本は前著同様、データの記載が豊富で、大学などで使われることもあるようだ。沢山の知恵が重なっていくこと期待する。
2020年7月21日に日本でレビュー済み
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貧困層に対する対策、支援の費用対効果、時間対効果はそうでない層に比べて、大幅な差があるのではないだろうかと感じる。
長期的スパンで考えた時にはトータルでどうなのだろうか。未来への投資と言えば聞こえはいいが。ちゃんと使う方々に持たせないと
回らないってのは内緒🤫の話?
とはいってもやはり、人の教育は外せないはず🤭
特に、本書にある対貧困プログラムの収益性のデータは非常にインパクトがあった。
理論と実践の双方向の曲線の交わりがポイントか?
長期的スパンで考えた時にはトータルでどうなのだろうか。未来への投資と言えば聞こえはいいが。ちゃんと使う方々に持たせないと
回らないってのは内緒🤫の話?
とはいってもやはり、人の教育は外せないはず🤭
特に、本書にある対貧困プログラムの収益性のデータは非常にインパクトがあった。
理論と実践の双方向の曲線の交わりがポイントか?
2015年8月9日に日本でレビュー済み
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『子どもの貧困2』は、やや焦点が定まっておらず箇条書きのような散漫な箇所がある。しかし、それでもいまだに手薄な日本の子どもの貧困対策及び子どもの福祉政策を考えるさいに有益な記述が多く含まれている。
『子どもの貧困2』の巻末には参考資料として子どもの貧困対策の推進に関する法律(平成二十五年六月二十六日法律第六十四号)が転載されている。
モラルハザードの問題については『子どもの貧困2』で説明がされているので誤解しないでほしい。
子どもの貧困対策を論じる時、もっとも激しく意見が対立するのが「現金給付か、現物給付か」という論点である.現物給付にすると、そのお金を親がどのように使うかを限定できないため、教育や保育サービスなどの現物給付のほうが優れていると考える人は多い。この論者の好む事例が「児童手当をもらって、パチンコする親」である。だから、児童手当は実際には子どものためにならないというのが、この主張である。これは日本では大きな支持を得ている。(133頁)
まず現金給付には、貧困の子どもが将来貧困から抜け出す格率を高める効果があるのか。答えは「ある」である。これを「所得効果(income effect)」という、(134頁)
「けしからん親」に対しては、むしろ積極的な支援が必要である。海外において、子どもの貧困対策として高い効果をあげているのは、親に対する支援(就労支援、医療サービス、相談事業、教育支援、育児(parenting)指導など)が手厚い制度であり、子どもだけを対象とした制度ではない。(139頁)
モラルハザードについては以上引用箇所のような説明がされているので手抜かりはない。
それから
日本においては、貧困者のほうが非貧困者よりも犯罪をおかす率が高いというデータがなかったため、(28頁)
という箇所もある。つまり日本社会において、子どもの貧困対策目的の政府から貧困家庭へのなんらかの給付のさいにモラルハザード対策のために高めのコストが必要になるとは考えにくいのである。
私は、0-6歳の年齢の子どもへの重点的な支援が子どもの貧困対策の実施のさいに特に重要であるという説明を読んだときに、はじめは0-6歳への対策がそれほど重要だと思えなかったが、後で考え直したら、世界の国々の新生児死亡率、乳幼児死亡率、5歳児未満死亡率を比較すれば、いずれかの国の医療をはじめとする技術の水準や行政の水準がどの程度であるのか推し量ることができるはずだと気がついた。そう考えると0-6歳の子どもへの重点的な支援を実施することにより、5歳児未満死亡率を下げることをはじめとして、0-6歳の子どもの、貧困状態から発生するさまざまな不都合を、ある程度まで取り除こうとすることは非常に重要な政策だと思えるようになった。
近年の日本の新生児死亡率、乳児死亡率、5歳児未満死亡率は諸外国と比較して非常に低い水準にあるが、それでもそれらの死亡率は低く保てるように政策上の支援をすべきである。もちろん死亡率以外の子どもの健康な発達を阻害する状況を極力取り除くために支援する意味も大きい。
0-6歳の子ども、というのはどの社会であれ人間社会のなかで最も弱い立場にいるのであるから、その最も弱い立場にいる人々への政府からの支援を手薄なままにとどめておくべきではないのである。
所得階層や世帯の構成及び出身国別に新生児死亡率、乳児死亡率、5歳児未満死亡率のデータや子どもの健康状態のデータを調査するようにして、0-6歳への子どもへの支援をするさいに、どの程度の予算が必要になるのかの試算を公表できれば望ましいのではないか。
それから0-6歳の子どもへの支援を拡充することにより単年度当たりの人工妊娠中絶の数字を引き下げるのを考えるように日本の全国民に意識させることも必要かもしれない。0-6歳の子どもを持つ親への児童手当及び児童扶養手当の拡充や、生徒や学生が産休や育児休業を取れるようなルールを用意すれば人工妊娠中絶件数がいくらか減るのではないか。国立社会保障・人口問題研究所のデータを見ると日本は2012年の20-24歳の女性の人工妊娠中絶実施率が日本の全人工妊娠中絶率のうちの14%を占めるており20歳未満の人工妊娠中絶実施率は7%である。人工妊娠中絶実施率をいくらかでも引き下げ、子どもが産まれやすくするために女性が24歳未満で出産するときには、高めの給付ができるような仕組みがあるべきではないか。その関連で産婦人科をいまよりも増やすべきであるし産婦人科医を志望する医学部生及び医大生が利用できる奨学金も拡充すべきである。
子どもの貧困を解消させる目的で考えるのであれば高校は無試験全入にすべきであるし、大学は全入は無理だとしても国公立大学の定員数をいまよりも増加させる必要がある。アメリカは大学生の6割以上が州立大学に進学しているが、日本の国公立の大学生の割合は20数%あるかどうかである。
[・・・]
日本の大学の偏差値序列は、比較的安い学費で進学できる国公立大学定員の絶対数が低いがゆえに発生していると考えられる。国公立大学の定員数を増やせば増やすほど大学の偏差値による序列はさほど大きな意味を持たなくなってしまうだろう。
アメリカの州立大学のように日本の国公立大学を都道府県外から進学したければ高額の学費を払わせるというルールにした上で定員数を大幅に増加させれば、偏差値そのものにさしたる意味がなくなるし塾や予備校にもさしたる意味がなくなってしまう。アメリカにも予備校のようなものはあるが、さほどの需要は見込めない。なぜかというと州立大学の定員数が多いからである。
貧困な家庭の出身の子どもにも大学への進学機会を用意すべきだとするならば、国公立大学の定員増が必須であろう。2015年現在の18歳人口は120万人前後だろうが2015年の出生数は100万人をやや超える程度だろうから18年後には経営が立ちゆかなくなる私立大学が多くなるだろう。そうなる前に国公立大学を拡充し、私立大学の教員が国公立大学に移りやすくしておくべきである。
高校全入については私立高校の生徒数が2010時点で全国に100万人いるうえ、2010年に全国に236.6万人在学者がいる公立高校に分類される高校のうち商業高校や工業高校の生徒数もそれなりに多いので、公立の普通高校への全入を実現するというのは容易ではないのだろう。それでも公立の普通高校の定員をいくらかでも増やすようにし貧困家庭に生まれ育った子どもが学べる機会をいまよりも増やすべきである。
高偏差値の受験者でなければ進学が難しい大学へ進学するためには進学校とされる主に私立の高校に進学しておかなければ不利になる傾向が以前からある。私立の男子校には当然のことながら女子が進学することはできない。女子向けの進学校もあるが男子向けの進学校よりも日本全国の女子向けの進学校は学校数も定員数もさほど多くないだろう。そして男子よりも女子のほうが高偏差値の大学に進学する確率が低くなり、就職のさいに男性よりも不利な条件に甘んじなければいけない女性が男性よりも多めになってしまうという現象が起きている。女性が低所得に陥りやすい要因の一つに以上の問題がある。
そうであるがゆえに公立の普通高校進学の機会及び国公立大学の進学機会をいまよりも広められるような政策の実施が機会均等原則の保障のためにどうしても必要になる。
『子どもの貧困2』には少人数学級の話題も出ている。私は少人数学級以外にも一つの学級の中の同じ授業中に教師二人が一つの教室内に配置されるという方式もあっていいような気がした。ただそれはもしかしたら実施している学校はあるかもしれない。教員の増員も一人一人の子どものおかれた家庭環境を教員に理解してもらうためには必要なのだろう。
『子どもの貧困2』には、子どもの権利が侵犯されたときのための司法へのアクセス権の保障や在留外国人の子どもを含む日本への移民の子どもの貧困及び権利保障については語られていなかったが、今後はそれらについても考えてほしい。
『子どもの貧困2』の巻末には参考資料として子どもの貧困対策の推進に関する法律(平成二十五年六月二十六日法律第六十四号)が転載されている。
モラルハザードの問題については『子どもの貧困2』で説明がされているので誤解しないでほしい。
子どもの貧困対策を論じる時、もっとも激しく意見が対立するのが「現金給付か、現物給付か」という論点である.現物給付にすると、そのお金を親がどのように使うかを限定できないため、教育や保育サービスなどの現物給付のほうが優れていると考える人は多い。この論者の好む事例が「児童手当をもらって、パチンコする親」である。だから、児童手当は実際には子どものためにならないというのが、この主張である。これは日本では大きな支持を得ている。(133頁)
まず現金給付には、貧困の子どもが将来貧困から抜け出す格率を高める効果があるのか。答えは「ある」である。これを「所得効果(income effect)」という、(134頁)
「けしからん親」に対しては、むしろ積極的な支援が必要である。海外において、子どもの貧困対策として高い効果をあげているのは、親に対する支援(就労支援、医療サービス、相談事業、教育支援、育児(parenting)指導など)が手厚い制度であり、子どもだけを対象とした制度ではない。(139頁)
モラルハザードについては以上引用箇所のような説明がされているので手抜かりはない。
それから
日本においては、貧困者のほうが非貧困者よりも犯罪をおかす率が高いというデータがなかったため、(28頁)
という箇所もある。つまり日本社会において、子どもの貧困対策目的の政府から貧困家庭へのなんらかの給付のさいにモラルハザード対策のために高めのコストが必要になるとは考えにくいのである。
私は、0-6歳の年齢の子どもへの重点的な支援が子どもの貧困対策の実施のさいに特に重要であるという説明を読んだときに、はじめは0-6歳への対策がそれほど重要だと思えなかったが、後で考え直したら、世界の国々の新生児死亡率、乳幼児死亡率、5歳児未満死亡率を比較すれば、いずれかの国の医療をはじめとする技術の水準や行政の水準がどの程度であるのか推し量ることができるはずだと気がついた。そう考えると0-6歳の子どもへの重点的な支援を実施することにより、5歳児未満死亡率を下げることをはじめとして、0-6歳の子どもの、貧困状態から発生するさまざまな不都合を、ある程度まで取り除こうとすることは非常に重要な政策だと思えるようになった。
近年の日本の新生児死亡率、乳児死亡率、5歳児未満死亡率は諸外国と比較して非常に低い水準にあるが、それでもそれらの死亡率は低く保てるように政策上の支援をすべきである。もちろん死亡率以外の子どもの健康な発達を阻害する状況を極力取り除くために支援する意味も大きい。
0-6歳の子ども、というのはどの社会であれ人間社会のなかで最も弱い立場にいるのであるから、その最も弱い立場にいる人々への政府からの支援を手薄なままにとどめておくべきではないのである。
所得階層や世帯の構成及び出身国別に新生児死亡率、乳児死亡率、5歳児未満死亡率のデータや子どもの健康状態のデータを調査するようにして、0-6歳への子どもへの支援をするさいに、どの程度の予算が必要になるのかの試算を公表できれば望ましいのではないか。
それから0-6歳の子どもへの支援を拡充することにより単年度当たりの人工妊娠中絶の数字を引き下げるのを考えるように日本の全国民に意識させることも必要かもしれない。0-6歳の子どもを持つ親への児童手当及び児童扶養手当の拡充や、生徒や学生が産休や育児休業を取れるようなルールを用意すれば人工妊娠中絶件数がいくらか減るのではないか。国立社会保障・人口問題研究所のデータを見ると日本は2012年の20-24歳の女性の人工妊娠中絶実施率が日本の全人工妊娠中絶率のうちの14%を占めるており20歳未満の人工妊娠中絶実施率は7%である。人工妊娠中絶実施率をいくらかでも引き下げ、子どもが産まれやすくするために女性が24歳未満で出産するときには、高めの給付ができるような仕組みがあるべきではないか。その関連で産婦人科をいまよりも増やすべきであるし産婦人科医を志望する医学部生及び医大生が利用できる奨学金も拡充すべきである。
子どもの貧困を解消させる目的で考えるのであれば高校は無試験全入にすべきであるし、大学は全入は無理だとしても国公立大学の定員数をいまよりも増加させる必要がある。アメリカは大学生の6割以上が州立大学に進学しているが、日本の国公立の大学生の割合は20数%あるかどうかである。
[・・・]
日本の大学の偏差値序列は、比較的安い学費で進学できる国公立大学定員の絶対数が低いがゆえに発生していると考えられる。国公立大学の定員数を増やせば増やすほど大学の偏差値による序列はさほど大きな意味を持たなくなってしまうだろう。
アメリカの州立大学のように日本の国公立大学を都道府県外から進学したければ高額の学費を払わせるというルールにした上で定員数を大幅に増加させれば、偏差値そのものにさしたる意味がなくなるし塾や予備校にもさしたる意味がなくなってしまう。アメリカにも予備校のようなものはあるが、さほどの需要は見込めない。なぜかというと州立大学の定員数が多いからである。
貧困な家庭の出身の子どもにも大学への進学機会を用意すべきだとするならば、国公立大学の定員増が必須であろう。2015年現在の18歳人口は120万人前後だろうが2015年の出生数は100万人をやや超える程度だろうから18年後には経営が立ちゆかなくなる私立大学が多くなるだろう。そうなる前に国公立大学を拡充し、私立大学の教員が国公立大学に移りやすくしておくべきである。
高校全入については私立高校の生徒数が2010時点で全国に100万人いるうえ、2010年に全国に236.6万人在学者がいる公立高校に分類される高校のうち商業高校や工業高校の生徒数もそれなりに多いので、公立の普通高校への全入を実現するというのは容易ではないのだろう。それでも公立の普通高校の定員をいくらかでも増やすようにし貧困家庭に生まれ育った子どもが学べる機会をいまよりも増やすべきである。
高偏差値の受験者でなければ進学が難しい大学へ進学するためには進学校とされる主に私立の高校に進学しておかなければ不利になる傾向が以前からある。私立の男子校には当然のことながら女子が進学することはできない。女子向けの進学校もあるが男子向けの進学校よりも日本全国の女子向けの進学校は学校数も定員数もさほど多くないだろう。そして男子よりも女子のほうが高偏差値の大学に進学する確率が低くなり、就職のさいに男性よりも不利な条件に甘んじなければいけない女性が男性よりも多めになってしまうという現象が起きている。女性が低所得に陥りやすい要因の一つに以上の問題がある。
そうであるがゆえに公立の普通高校進学の機会及び国公立大学の進学機会をいまよりも広められるような政策の実施が機会均等原則の保障のためにどうしても必要になる。
『子どもの貧困2』には少人数学級の話題も出ている。私は少人数学級以外にも一つの学級の中の同じ授業中に教師二人が一つの教室内に配置されるという方式もあっていいような気がした。ただそれはもしかしたら実施している学校はあるかもしれない。教員の増員も一人一人の子どものおかれた家庭環境を教員に理解してもらうためには必要なのだろう。
『子どもの貧困2』には、子どもの権利が侵犯されたときのための司法へのアクセス権の保障や在留外国人の子どもを含む日本への移民の子どもの貧困及び権利保障については語られていなかったが、今後はそれらについても考えてほしい。
ベスト100レビュアー
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2008年、この年に初めて、日本での子どもの貧困問題が、マスメディアや政策論議の机上にのったという意味で、
日本の社会政策学者の間では、「子どもの貧困元年」といわれる年です。
そして、2013年には「子どもの貧困対策法」が国会で成立し、この5年間で貧困に対する政策は著しく動きました。
ほんの数年前までは、「日本に貧困の子供がいるんですか?」といった反応が一般的であったこと思えば、
この法律の成立の意義は著しく大きいといわざるを得ません。
しかし、この問題を解決するには、決意だけでなく、どのような政策をとれば子どもの貧困を減らせるか、ということが重要ですが、
実は、その明確な解決法がわかっていない、というところに大きな問題が存在します。
現金給付、現物給付、貧困所帯のみに対象を絞った制度が良いのか否か、
子どもの医療、教育、食事・栄養、プライオリティの高いのはどれか?何歳までの子供を対象とするのか、
どのような政策が費用対効果がよいのか・・・まだ明確な回答は出ていません。
前作「子どもの貧困」(2008年)では、多くの人が納得できるデータを提示し、
わが国に子どもの貧困が存在する、という点に関しては納得してもらえましたが、
今現在の大きな問題は、何をすれば、子どもの貧困が解消できるのか、
その解決の道筋を示すことで、本書では不完全ながらも、この反省から生まれています。
全体は、終章を含めて、全8章で構成されていて、第1、第2章は、前著と重なる部分がかなりあります。
第3、第4章は、社会政策のハウツー論になっています。
第5、第6章は、子どもの貧困対策としてどのような具体策が考えられるか、
阿部さんのアイデアが総動員されていて、この章が阿部さんにとって最も重要な部分になっています。
現金給付、現物給付 の効果には大きな差はなく、大きな影響を与えるのは、再配分のパイの大きさであると考えられています。
また、年齢では、0〜6歳が最も効果があり、乳幼児期の貧困は、後々まで大きな影響を与えるようです。
その他、放課後格差の解消、メンター・プログラム、学習支援、「帰れる家」など様々な現物給付についても言及されています。
子どもの貧困問題、その解消方法について、わかり易く書かれていて、この問題に興味をもたれる人に広くお勧めします。
日本の社会政策学者の間では、「子どもの貧困元年」といわれる年です。
そして、2013年には「子どもの貧困対策法」が国会で成立し、この5年間で貧困に対する政策は著しく動きました。
ほんの数年前までは、「日本に貧困の子供がいるんですか?」といった反応が一般的であったこと思えば、
この法律の成立の意義は著しく大きいといわざるを得ません。
しかし、この問題を解決するには、決意だけでなく、どのような政策をとれば子どもの貧困を減らせるか、ということが重要ですが、
実は、その明確な解決法がわかっていない、というところに大きな問題が存在します。
現金給付、現物給付、貧困所帯のみに対象を絞った制度が良いのか否か、
子どもの医療、教育、食事・栄養、プライオリティの高いのはどれか?何歳までの子供を対象とするのか、
どのような政策が費用対効果がよいのか・・・まだ明確な回答は出ていません。
前作「子どもの貧困」(2008年)では、多くの人が納得できるデータを提示し、
わが国に子どもの貧困が存在する、という点に関しては納得してもらえましたが、
今現在の大きな問題は、何をすれば、子どもの貧困が解消できるのか、
その解決の道筋を示すことで、本書では不完全ながらも、この反省から生まれています。
全体は、終章を含めて、全8章で構成されていて、第1、第2章は、前著と重なる部分がかなりあります。
第3、第4章は、社会政策のハウツー論になっています。
第5、第6章は、子どもの貧困対策としてどのような具体策が考えられるか、
阿部さんのアイデアが総動員されていて、この章が阿部さんにとって最も重要な部分になっています。
現金給付、現物給付 の効果には大きな差はなく、大きな影響を与えるのは、再配分のパイの大きさであると考えられています。
また、年齢では、0〜6歳が最も効果があり、乳幼児期の貧困は、後々まで大きな影響を与えるようです。
その他、放課後格差の解消、メンター・プログラム、学習支援、「帰れる家」など様々な現物給付についても言及されています。
子どもの貧困問題、その解消方法について、わかり易く書かれていて、この問題に興味をもたれる人に広くお勧めします。






