1度読んで、読み返す……くらいなら、〈なろう〉系原作あるあるには気付かなくてすむのですが。
文章おかしすぎるだろう! というのが、1点。
囚人食すら出さずに飢えを煽る計画を実行しようとするバカ王子に、「それが、寄せて集めるほどメニューがあるようで」というところです(不快だったので手元に既に無く、うろおぼえなのご容赦ください)。
性別が「女」なので言わせて頂きますが『寄せて集める』のは、「胸」です! 缶詰料理なら「好きな物を選んで並べられるほど」とか、飽くまで例えばの文章としてですが、原作小説を商業小説として刷り売る前に担当がチェックしなければ駄目なのがわからないのか……!
そして、文句がオオアリの物語の決着の付け方。
原作作家が、タイトルどおりにオチがつけばそれで良しとしたのなら「少し場数を踏んだだけの素人作家」というレベル。
主犯:みてくれだけのバカ王子と、取り巻き:王太子付きの剣士と、取り巻き:ヒロインのバカ弟。この3人がヒロイン報復対象なのですが(寝取り少女のことはヒロインとしてはどうでもよかったらしい)、2番目と3番目は、相応の報復をうけました。が。「婚約破棄計画」を立て、国王の留守中に夜会で決行したバカ王子、
1 夜会という貴族や王族の公の場で証拠の一つもなく、婚約を破棄(スラムあがりの女の子に入れあげ決行)。
2 その場で牢屋へ監禁。
3 ヒロインが身の保全の為、ぶっとい鎖で扉に封をしたら「槍で突き刺して少し怪我させろ」と命令。
4 囚人食すら与えない。
……と、もはや人間のクズとしかいえないことをしでかしておいて(ヒロインは頭が良いので事前に回避。そして、おとなしく婚約者らしくバカ王子に忠言していたのが、バカ王子はそれが気に入らず、他の女に手を出した。しかし牢獄で気ままに過ごすヒロインに男として心が動く)、最後にはヒロインが監獄スローライフが3ヶ月(2ヶ月だったかも、曖昧ですみません)程度でおしまいなんて! という感じでヒロインについては終了。オマケとして、バカ王子は「純愛の狂戦士」の勘違い嫉妬で半殺しの憂き目に遭うのをご想像ください、1ページで、物語完了。
そこは、湯治中にバカ王子との婚約を強く望んだ王妃と王と、こういう状況なので偶然に旅行へ出た先で国王夫妻と出会ったことにした鬼子のヒロイン両親が、双方で事情を知っているわけなのだから、「エリオット王子は王太子から下ろしてレイモンドを王太子にすえる」だけで済まさずに、帰国してから沙汰をくだして寝取り少女にも精神的ダメージをあたえないと、納得いかなさすぎる! コメディだから適当でーというなら、物語には起承転結があって、ギャグだってちゃんとオチがあるんだ、駄目原作! 人間心理を作中でわかっているかのように登場人物に言わせているけれど、商売に移行した時点できちんと校正して貰って下さい。校正能力ないトーシロなんだから。
原作がボロをぼろぼろと出しているので不快作品でしたが、コミカライズを担当した作家さんのほうは、頑張ったほうではないかと。ただ、重箱の隅を突くのなら、一冊で完結だからといって表紙に関係者描きすぎて雰囲気もまとまりもないのがザンネン。
- コミック: 160ページ
- 出版社: KADOKAWA (2019/11/26)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4041087724
- ISBN-13: 978-4041087725
- 発売日: 2019/11/26
- 梱包サイズ: 18.2 x 13 x 1.3 cm
- おすすめ度: 21件のカスタマーレビュー
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