因果律が存在するのかしないのかというのは曖昧な質問だと思う。因果律がとある一連の流れに関係しただとしても、根本的に結果を齎すのは人間のみだろうし、良きでも悪しきでも、どちらにせよ成果を味わうのは人間である。
ですが、この作品のもっとも恐ろしい一面(そして我ながら最も甘美な一面)は、必ずしもそうではない、概要の通り人間性の不条理な、本質的な「何か」がそのような事態(民衆独裁、生き地獄の到来など)を招く。そして登場人物「わたし」が、どうしてこんな事になってしまった、を質問した時、無道大義が単に「わからない」を連射する。
いやはや、そこまで読んで身震いがしたよ。最早鬱や悲しいどころではない、根源的に壊れた「わからない人間性」の権化である。
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