「天上の虹」の第二続編ともいえる、若き女帝の物語。
主人公は藤原家の生まれにして、その軛を断ち切ろうとした孝謙、称徳天皇です。
首皇子の娘として生を受けた彼女は、無垢な好奇心から純粋に、藤原家が天皇を補佐して国を運営すると信じていました。
しかし、長屋王の変から疑問が浮かび上がってきて、彼女は自身の立ち位置について、苦悩を始めます。
基皇子が病弱で短命であったため苦肉の策で、唯一の女性皇太子になり、
父聖武天皇の懺悔を、母光明皇后の功徳を見守ってきたのですが。(後ろ暗いと形容していますが)
彼女を権力の捕囚として、近づいてくる藤原仲麻呂。それに対して、無垢な心の道鏡。
二人の男性を愛し、裏切られ再生するなかで彼女は、女性らしいささやかな夢に憧れるのですが。
昔からある「日本昔話」のストーリぃでは、和気清麻呂がご神託を持って帰ると、道鏡と天皇が怒り狂ってひっくり返る。
道鏡は追放され「こうして、僧侶の身ながら権力者を夢見た。。」とかいう説明が加えられます。
そして、庶民は清麻呂が帰ってくると喜び勇んで迎えに行く。 典型的な藤原家の解釈と処断ですね。
讃良様(持統天皇)氷高皇女(元正天皇)を心から尊敬する後継者の苦闘。
里中さんの新しい解釈はとても魅力的です。でも、庶民から見れば冷ややかな視線を浴びたのかもしれません。
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