氏の著作が優れているのは、
海外の論文や著作の引用や出典明記が極めて正確で、
自身で読み込んでいる点。
日本のビジネス書は「筆者の思い」を「聞こえのよいフレーズ」で、
ただ、書き連ねていることが多いが、
氏の著作は、主張の「根拠」を明確に、明示していて、
非常に説得力がある。
読者と、しっかりとコミュニケーションしようとしている。
こういう作家は、今非常に少ない。
その証拠に、アメリカのビジネス書や啓蒙書は、
多数、日本で出版されているが、
日本のビジネス書は、ほとんど向こう側では、出版されない。
なぜなら、日本のビジネス書は、参考文献も、ほとんどなく、科学的根拠ももちろんなく、
論理的でもなく、単なる、戯言に近いからだろう。
全く、読む価値がないと思われているのだろう。
ただ、近藤麻理恵こと、コンマリは違う。
たまに、不思議なことが、起きる。
氏の本を、そのまま読み進むと、たしかに、「あるある」が増えると思うが、
一番価値があるのは、出典のチョイスと、それから、どのようにして、「主張の根拠」を導きだしたか、
その編集の仕方にある。情報編集力と言っていい。
さすが、元プロ編集者だと思う。
氏の著作の価値は、この「情報編集力」を向上する上で、
非常に参考になる。
氏の言っていること自体は、「誰かの引用」だが、
氏のスバ抜けた情報編集力で、
非常にオリジナリティー性の高い著作が出来上がっている。
この著作は、『週刊文春』で連載されていた「臆病者のための楽しい人生100年計画 性愛編」
を元にしているが、さすが、日本を代表する大衆雑誌だけあって、万人受けする内容だ。
万人受けの内容だが、著者の命題チョイスは、やはり、かなりの思想性がある。
非常に稀有な作家だと、改めて思う。
テレビや雑誌、書籍に至るまで、デタラメな統計やグラフ、独自の解釈が当たり前のようにある中で、
筆者の本は、安心して読める。大学生なんかは、氏が、どういう媒体から、どういう方法で、
エビデンスを引っ張ってきているのか、非常に参考になるはず。
例えば、7.恋愛はドラッグの禁断症状と同じ?
では、出典として、
12 Thomas R. Insel(2003) Is social attachment an addictive disorder?Physiology & Behavior
13デイヴィッド・J・リンデン『快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか』河出文庫
14ヘレン・フィッシャー『人はなぜ恋に落ちるのか 恋と愛情と性欲の脳科学』ヴィレッジブックス
とある。
12は専門論文なので、読むのが大変だが、13、14は、「脳科学」を素人が、理解する上で、
非常に重要な本となっている。
これらから、「恋愛はドラッグの禁断症状と同じ?」という命題を導きだすために、
書いた文章文字数は、3000字ほど。原稿用紙約8枚である。
どうしても自身の主張に対して、読者を説得する場合、様々な根拠・引用が必要になる。
文字数は、その格闘した後のようなものだが、
よくこれだけの文字数で、わかりやすくまとめられると思う。
そう思うと、Twitter等のSNSで発言されている人の99.8%ぐらいは、
出典の明記も、根拠も、何の資料からも、提示しないで、発言している
(仕方ない、そういうメディアなんだから)。
それを、毎日、洪水のように触れていれば、どうなっちゃうかは、言わずもがなだろう。
あれは、見るものではなく、やるものだろう。
それか、「そういうこと」を確実にやった上で発言している人を見つけ出すしかない。
この著書では47の論文、本が引用されている。
個人的にはSNSで「盛る」女の子たちが面白かった。
長いこと中国にいたので、SNS上での振る舞いが、日中であまりに違うことに驚く。
中国では、当たり前のように顔を公開するし、盛るというより、別の人になるぐらい修整する人もいる。
友人の中に非常に加工技術が上手い人を探して、その人に頼んだりする
次の著作にも期待したいです。
女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書) (日本語) 新書 – 2020/6/19
橘 玲
(著)
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本の長さ247ページ
-
言語日本語
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出版社文藝春秋
-
発売日2020/6/19
-
ISBN-104166612654
-
ISBN-13978-4166612659
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「女と男」は人類の最大の関心事ともいえる。この永遠のテーマが最新のサイエンスによって解明されつつある。野心的なタブーへの挑戦のなかから、意外かつ誰でも楽しんで読める最前線の研究を紹介。果たして女と男の戦略のちがいとは―。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
橘/玲
1959年生まれ。作家。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1959年生まれ。作家。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2020/6/19)
- 発売日 : 2020/6/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 247ページ
- ISBN-10 : 4166612654
- ISBN-13 : 978-4166612659
- Amazon 売れ筋ランキング: - 22,369位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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ベスト500レビュアー
Amazonで購入
69人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年6月26日に日本でレビュー済み
他のレビュアーさんが良い所は書いて下さっているので、
あえての低評価部分を書きます。
この分野(男女の差異)の本を沢山読まれている方には、
目新しい事はあまりない、と思った方が良いかも知れません。
参考文献にほぼあたった事がある身からすると、
「この分野、あれから進化してないな」等の発見はあるかもしれないですが。
この著者はセンセーショナルな表現、万人受けする表現がお上手なので、
ある意味、この分野にはじめて接する方には、良い入門書かもしれません。
ただ、そこを強調しちゃう?という書き方も散見されるので、
鵜呑みは危険です。
他の方も書かれていますが、男性が結婚相手(恋愛相手?)に求める所が、
多数の集計の結果だとしても、かなりざっくりしていて、
それを直接女性の価値(若さ)と繋げるような表現に疑問が残ります。
(結婚相手探しサイトの集計結果なので、その人の生きている現実社会で結婚できない、
相手に恵まれない、極度にストライクゾーンが狭い等の偏った母集団、
という可能性が排除されてしまっています。)
現実には、出会って恋愛関係になる、結婚まで進む、
という事は、若い女性×アルファ男性のみ、もしくは有利か。というと、
それほど単純な事ではない事は、皆様ご存知の通りかと思います。
この人と性的な関係を持てるのか…子供まで持てるか。
というカップル、街中に溢れていると思うのです。
凄い美人が、意外と独身だったり、パートナーがいないのは、
よく聞く話です。
(日本で1番モテやすい、とか水商売のno1は、完璧に近い美人ではないですよね。
10段階評価で6くらいの中途半端な化粧美人が1番人気ではないですか?)
それからヒップとウエストの差が0.7が魅力最高値、というのも、
日本人で当てはまる人はかなり少数かと。
むしろこの数値の女性にアプローチ出来る男性は、
かなり自分に自信のある、有名人クラスの外見がある男性が多いのでは。
(美人とマッチョのカップル比率、多く感じませんか。)
ベータの男性では、グラマラスな女性を見慣れていない故に?
怖気付いて近寄れない、というケースが、
日本では諸外国より多いのではと感じます。
俯瞰して見れば、サイトに登録している男性には「アルファ」の男性はおらず、
選択肢のあまり多くない「ベータ」な男性が夢見がちに群がっている、
という状況でしょうか。
(ワンナイト相手を探すサイトならば、また属性が変わるでしょうが)
また、この手の研究はアメリカが大好きな所ですが、
日本ではあまり進んでいないので、今後の日本の研究に期待します。
(体質や慣習、国民性など、日本は独特な側面があるので…
離婚率や結婚への価値観も、かなり国民性の差異がありますよね。
アメリカではクラスのかなりの人数が、シングルやステップファミリーだそうですから。)
女性からのアプローチに関しては、日本人男性はほとんどの方は、
アレルギーがあるのではないでしょうか。
外国人は気にしない体臭(フェロモンと言う人もいますが)も、
日本人は保険適用の手術になってしまうほど、マイナスイメージとされます。
個人的に目新しかった、ここを語るか、と思った良い意味での番狂わせ部分としては、
ピル使用の女性の魅力の差異、宝塚やBL分野の考察、あたりでしょうか。
雑多に書き散らかしましたが、こちらを一読して盲信し過ぎず、
興味のある所は参考文献に当たり、
諸兄におかれましては、日本の現実社会、身の回りの状況、流行などから、
ご自身の最適解を見つけ出し、より深く男女間の理解を進めていかれる事を
お勧めいたします。
他の男性を知らない幼妻をパートナーに持つと、他を見た時に羽ばたいて行ってしまう例を、
散々見て参りました。
あえての低評価部分を書きます。
この分野(男女の差異)の本を沢山読まれている方には、
目新しい事はあまりない、と思った方が良いかも知れません。
参考文献にほぼあたった事がある身からすると、
「この分野、あれから進化してないな」等の発見はあるかもしれないですが。
この著者はセンセーショナルな表現、万人受けする表現がお上手なので、
ある意味、この分野にはじめて接する方には、良い入門書かもしれません。
ただ、そこを強調しちゃう?という書き方も散見されるので、
鵜呑みは危険です。
他の方も書かれていますが、男性が結婚相手(恋愛相手?)に求める所が、
多数の集計の結果だとしても、かなりざっくりしていて、
それを直接女性の価値(若さ)と繋げるような表現に疑問が残ります。
(結婚相手探しサイトの集計結果なので、その人の生きている現実社会で結婚できない、
相手に恵まれない、極度にストライクゾーンが狭い等の偏った母集団、
という可能性が排除されてしまっています。)
現実には、出会って恋愛関係になる、結婚まで進む、
という事は、若い女性×アルファ男性のみ、もしくは有利か。というと、
それほど単純な事ではない事は、皆様ご存知の通りかと思います。
この人と性的な関係を持てるのか…子供まで持てるか。
というカップル、街中に溢れていると思うのです。
凄い美人が、意外と独身だったり、パートナーがいないのは、
よく聞く話です。
(日本で1番モテやすい、とか水商売のno1は、完璧に近い美人ではないですよね。
10段階評価で6くらいの中途半端な化粧美人が1番人気ではないですか?)
それからヒップとウエストの差が0.7が魅力最高値、というのも、
日本人で当てはまる人はかなり少数かと。
むしろこの数値の女性にアプローチ出来る男性は、
かなり自分に自信のある、有名人クラスの外見がある男性が多いのでは。
(美人とマッチョのカップル比率、多く感じませんか。)
ベータの男性では、グラマラスな女性を見慣れていない故に?
怖気付いて近寄れない、というケースが、
日本では諸外国より多いのではと感じます。
俯瞰して見れば、サイトに登録している男性には「アルファ」の男性はおらず、
選択肢のあまり多くない「ベータ」な男性が夢見がちに群がっている、
という状況でしょうか。
(ワンナイト相手を探すサイトならば、また属性が変わるでしょうが)
また、この手の研究はアメリカが大好きな所ですが、
日本ではあまり進んでいないので、今後の日本の研究に期待します。
(体質や慣習、国民性など、日本は独特な側面があるので…
離婚率や結婚への価値観も、かなり国民性の差異がありますよね。
アメリカではクラスのかなりの人数が、シングルやステップファミリーだそうですから。)
女性からのアプローチに関しては、日本人男性はほとんどの方は、
アレルギーがあるのではないでしょうか。
外国人は気にしない体臭(フェロモンと言う人もいますが)も、
日本人は保険適用の手術になってしまうほど、マイナスイメージとされます。
個人的に目新しかった、ここを語るか、と思った良い意味での番狂わせ部分としては、
ピル使用の女性の魅力の差異、宝塚やBL分野の考察、あたりでしょうか。
雑多に書き散らかしましたが、こちらを一読して盲信し過ぎず、
興味のある所は参考文献に当たり、
諸兄におかれましては、日本の現実社会、身の回りの状況、流行などから、
ご自身の最適解を見つけ出し、より深く男女間の理解を進めていかれる事を
お勧めいたします。
他の男性を知らない幼妻をパートナーに持つと、他を見た時に羽ばたいて行ってしまう例を、
散々見て参りました。
ベスト50レビュアー
Amazonで購入
本書は橘玲氏の新著である。
面白い本だった。男女の違いに関する様々な研究を例示し、そこから示唆されることを丁寧に議論している。
私は男性だが、女性に対する理解が深まったように思うし、男社会や男の行動についてもなるほどなと思うことが多かった。
おそらく女性の方が読んでも、男性に対する理解が深まるし、女性社会や女性の行動についても学べるところがあると思う。
誰が読んでも楽しめると思うが、特に異性とのコミュニケーションや恋愛に悩んでたり困ってる人は、読んでおくといろいろ役に立つと思う。
面白い本だった。男女の違いに関する様々な研究を例示し、そこから示唆されることを丁寧に議論している。
私は男性だが、女性に対する理解が深まったように思うし、男社会や男の行動についてもなるほどなと思うことが多かった。
おそらく女性の方が読んでも、男性に対する理解が深まるし、女性社会や女性の行動についても学べるところがあると思う。
誰が読んでも楽しめると思うが、特に異性とのコミュニケーションや恋愛に悩んでたり困ってる人は、読んでおくといろいろ役に立つと思う。
2020年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味深い考察は沢山ある。よくここまで掘り下げたなぁとも思う。特に一夫一妻制を徴兵と結びつけた考察はすごく面白い。でも、一番のインパクトポイントの「男は何歳になっても20代前半の女にしか興味がない」のところは、そんなに単純なら逆に苦労しないよと思ってしまった。明白な事実として、モテには若さ指数の他にルックス偏差値というのがある。21歳の不美人よりは27歳の美人の方がもてるだろうし、年下の男にストーカーされる30代の美女もいる。年齢とルックスの両方を掛け合わせないと性的魅力の答えは出ない(もちろん男でも同じ)。ルックスの見えない状態で魅力を感じる年齢を聞けば若い年齡を答えるのは当然で、そこに実像が加われば当然答えは変わる、という当たり前の事をあえて無視したんだろうか?思春期の男の頭の中は性のことで爆発しそうになってるというのも、昨今の若者はもはやそのステレオタイプから外れつつある。まあ、データを単純化しないとインパクトがなくなるのだとは思うけど、世の中が複雑化している中で、ちょっと短絡的な感じがしたのが残念。
2020年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
若いYouTuberのお勧めで読んだが全然ダメ。
どうでもいテーマを長々と。
恋愛に役立つかと思ったが見当違い。
暴力と拝金主義を肯定してるのも不愉快。
どうでもいテーマを長々と。
恋愛に役立つかと思ったが見当違い。
暴力と拝金主義を肯定してるのも不愉快。
2020年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「話を聞かない男、地図が読めない女」が切り開いた、男女の性差を科学的に斬る手法を踏襲しています。
例えば、「セックスにおいて女性がオーガズムを得るのは、相手の男性の年収に大きな相関がある」といった、中国で大規模に調べれれたびっくりデータを出してきます。だからって、急に金持ちになることもできないわけですが。
しかし、性差を知ることで、少しずつ世の中が改善されていくかもしれません。近年、アメリカの離婚率が落ち着いているのは、「話を聞かない男」以来の性差の啓蒙が盛んで、少しずつお互いを理解しようと努力する機運が高まったからだ、ともいわれています。
「知識は力なり」かもしれません。だから知っておいて損はないと思います。
例えば、「セックスにおいて女性がオーガズムを得るのは、相手の男性の年収に大きな相関がある」といった、中国で大規模に調べれれたびっくりデータを出してきます。だからって、急に金持ちになることもできないわけですが。
しかし、性差を知ることで、少しずつ世の中が改善されていくかもしれません。近年、アメリカの離婚率が落ち着いているのは、「話を聞かない男」以来の性差の啓蒙が盛んで、少しずつお互いを理解しようと努力する機運が高まったからだ、ともいわれています。
「知識は力なり」かもしれません。だから知っておいて損はないと思います。