作者の滑らかな播磨弁に魅せられて、
あっという間に激動の日本史の中に放り込まれる。
第一次世界大戦のあたりは自分の記憶は弱い時代だったが、
こんなにも大変な時代であったかと、まざまざと突きつけられた。
また物語の中に音楽や絵画、装飾品など美しいものが数多く出てきて、
それは自分の想像でしかないけど、作者の筆の力により、
その美しいものに囲まれながら読み進む心地よさ。
主人公も歳を重ね、終盤はずっと好きだった人との場面が
多く出てくるので、自分もついつい昔好きだった人を思い出したりして、
感情移入してしまう。
若い人やあまり辛い思いをまだしていない人にとっては
終盤が陳腐に思えるかもしれないが、
自分も人生の後半に入り、結婚、子育てなど経験し、
いろんなものを乗り越えてきた今、
こういう何でもない日々がすごく幸せだったり、
感謝でいっぱいになったりするのもよく分かる。身にしみる。
余韻に浸ってしまう。
天涯の船〈下巻〉 (日本語) 単行本 – 2003/2/1
玉岡 かおる
(著)
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本の長さ385ページ
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言語日本語
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出版社新潮社
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発売日2003/2/1
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ISBN-104103737085
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ISBN-13978-4103737087
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
男はこの女の苦難にみちた人生のために。そして女はこの男との壮大な夢のために。たがいに一生をかけ、並んでここまで歩いてきた。ミサオ。自分は彼にそう呼ばれる女となるために、長い日々を航海してきた船だと知った。どうしてずっと一緒にいられないのか、問うてもしかたのない現実に、せめて今は狂わずにいられることだけが救いだった…。壮大な書下ろし大作。
内容(「MARC」データベースより)
男はこの女の苦難にみちた人生のために。そして女はこの男との壮大な夢のために…。海を越え、時を経て、それでも許されない大人の恋、性愛を描く大河恋愛小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
玉岡/かおる
1956年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒。87年『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で神戸文学賞を受賞し作家デビュー。現在、加古川市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1956年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒。87年『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で神戸文学賞を受賞し作家デビュー。現在、加古川市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2003/2/1)
- 発売日 : 2003/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 385ページ
- ISBN-10 : 4103737085
- ISBN-13 : 978-4103737087
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 1,058,248位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 31,107位日本文学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.0
星5つ中の4
12 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年3月6日に日本でレビュー済み
夢中で読み進めてしまう物語的な面白さがあります。上巻は一気に読んでしまいました。でも下巻を読み始めてふと、思いついたのですが、この面白さは、昼メロ的なものだと。ミサオ自身はいつまでも初恋の相手を思い続けており、その相手のほうもミサオのほうを思っているのに、運命のいたずらで二人の間はいつまでもプラトニックなまま・・・
確かに面白い本ではあるんだけど、昼メロを連想してしまってからなんとなく少し陳腐なストーリーに思えてきてしまいました。
確かに面白い本ではあるんだけど、昼メロを連想してしまってからなんとなく少し陳腐なストーリーに思えてきてしまいました。
2006年6月4日に日本でレビュー済み
オーストリアの子爵と結婚して、パプスブルグ最後の時代の帝国貴族の妻の生活はどんなものだろう。子供は産めるのかしら? そこへ日本から出世した光次郎がときどきやってくる。ゆらぐ女心。ヨーロッパ人の夫と家族のなかでどのようにして生きられるのか。ストーリーは読ませる。何故戦争になっているのにミサオは日本に帰らないの? 西洋風の愛と日本男子との愛の違いは? 光次郎は破産するまで絵画を買いつづける。その絵画の一部は今日迄残っていて私たちが見ることができる。日本に残したたった一人の親族の妹はどうなったのだろう? 戦前の神戸の街。花隈と異人館と造船所と海とが織りなす人模様。