本書で解説されていることは「天才や才能の発現というのは遺伝『だけ』が原因ではなく、すべての人に才能を発現するチャンスがある」ということ。 そのために、まず最初に、今まで流布されてきた「遺伝によって人生はほぼ決定している」という論調に対しての反論を、最新の研究成果と天才と呼ばれるテッド・ウイリアムス(メジャーの4割バッター)、マイケル・ジョーダンといったスポーツ選手やモーツアルト、ヨーヨー・マといった音楽家たちの育ちを分析することで行っています。 そこからの結論は、遺伝(だけ)由来でもなく環境(だけ)由来でもなく「遺伝×環境の相互作用」が才能の発言には重要であり、それはすべての人にチャンスがあることを示しています(原題「The Genius in All of Us」の通りですね)。