本書は2012年4月の発行の為に、2013年9月に発表された2020年の東京オリンピック開催の影響は考慮されていないが、全体的に少子高齢化や地方衰退の動きに変化はなく、新築案件から既存住宅をターゲットとした「フローからストック重視」のトレンドにあることを指摘している。網羅的で分かり易く、住宅・不動産の全体的な傾向を掴むには良い本だろうと思います。また、2011年4月東京証券取引所が公表していた「東証住宅価格指数」は2015年1月から日本不動産研究所により「不動研住宅価格指数」として公表されています。
不動産賃料と不動産価格の関係(P190)のコラムは面白く、参考になりました。フローの価格である賃料は需要で決まる。一方、不動産の価格は理論的にはその不動産が将来生み出す賃料合計値を金利で割り引いた現在価値であるべき。但し、実際的には周辺の取引事例に基づいた価格となり、それは不動産の管理状態などが加味されていないものとなっている。この動きを理解できれば、バブルなのか、下落し過ぎなのか、全体感が掴める。ファイナンス理論での成長永続価値(PV)=CF/(r-g)の式はP59で、V = NOI(不動産の純利益)/(期待利回りのCaprate -成長率g)として表されている。こののNOIは賃料単価 x 賃貸可能面積 x 入居率とするのが一般的。
居住することの価値を考えれば、管理組合の醸成度合い、その住宅を含めた地域社会との繋がりも考える必要があり、それは中古住宅でしか顕在化されないものというのは正鵠を得ていると思う。住宅・不動産の概況を知りたい方には、時間的古さを踏まえても、価値がある本かと思います。
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