整理がうまい。
トップ校の二次で化学を選択した受験生は、一回は読んでおいたほうがいいでしょう。
有機化学は大学ではまず電子の移動をやって先にドンドンいきますが、本書はsp軌道、共鳴などの有機の基礎レベルの説明も、高校では学習指導要領外ということで、ありませんので、あくまで高校レベル限定です(ほんのすこしだけは、発展問題として扱っているところがあります)。
ため口と漫画いり参考書が圧倒しているなかで、本書は、知識を必須のものにしぼり、高校レベルをちょっと超えた程度の説明を重視。「これを覚えよう~」「宇宙一わかるう~」みたいに、予備校の方々、が記憶だけを強調して絶叫する、受験ものが多い中、一頭地を抜くテキストです。知識確認の問題は全部入試問題。これがすごい。解説は、短い一行で解説する。無駄がない。
本書は、知識完全なゼロではつらいかも。時間がかかるでしょうね。検定教科書は横に置いておくべき。リードライトとかエクセル程度の傍用問題集をはさむと無理がないでしょう。あるいは、何か入門的なごく初歩的なもの(中学理科からの復習本みたいな)、周期表の入門解説書、などなど読んだあと、本書で構造式を決める練習をして、計算をしてみると、有機の基礎的な部分の見取り図を、自分で描けるようになるとおもいます。
有機は、高校である程度のところまで理解をしておかないと、大学で急にレベルアップするのでついていけません。文科省のめちゃくちゃなひどい学習指導要領の改訂は、将来のノーベル化学賞に影響するところまで来ているので、自己防衛が必要。科学技術を扱うお役人が、私大文系出身で、一方で自分の息子を裏口から医科大学に押し込み、数学も物理も化学も勉強したことがないくせに、学習指導要領の政策決定をしているのが今の日本。驚愕の亡国官僚には、驚きです。
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