国立大学法人法が平成15年10月1日に施行され、国立大学法人が平成16年4月1日に設立されました。学外者にはわかりくい大学法人化に対する各大学の対応、法人化によって大学がどのように変化したかなど、各大学の歴史などを踏まえながら本書はわかりやすく解説していきます。産学連携について2章、3章で多くのページが割かれていることから、大学との連携を考える企業関係者にも参考となります。また、第6章の「医学部、附属病院」は今日の医療問題とも深く関わる内容でこの分野に関心のある方にも参考となります。
題名から法人化された国立大学に関する内容と考えてしまいますが、国立大学が中心ではありますが「法人化」以降の私学を含めた大学の変化を解説する内容です。本書で解説されていますが、研究費の不正使用の事件、単年度会計主義、研究者への研究費の支給が大幅に遅れるという根本的な問題が横たわっていることを理解の上、読まれるとよいと思います。なお、本書で紹介される「大学職員がどこを向いているか」の指摘、改めて「なるほど・・」と考えさせられます。
文部科学省のWebサイトの「国立大学法人等」の中に「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ) 」といった各種の資料が提供されています。もうひとつの統治者である行政がどのようにまとめているか読むことも、理解を深める上でお勧めします。
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