チンパンジー、ゴリラ、オランウータンたちには人と同様、相手を思いやったり、なくした友人をいつまでも悲しむ心をもっていたり、自分のことをよく見せようとしたりする。ただ違うのは私達人間が話す言葉とは違うコミュニケーション手段を持つということ。本にも書かれているように、なぜわたしたちは彼らに人間の言葉を教え込んだりするのだろうか。
子猫や犬を可愛がり、その可愛がっていた動物が死んだことを認識し、悲しみ、そして何年たってもそのことを忘れず、心をいためている。
手話を教え込まれた彼らは、手話で自分の意志を伝えたり、感情を表現したり、欲しいものを獲得しようとする。
思考し、感情も豊かで、高度な社会的な生活をする彼らを、人は人体実験のかわりに動物実験に使用して、彼らの脳を空け、解剖し、病気にして観察し、殺し、解剖して研究する。
また動物園に入れ、その一生を拘束する。
猿の惑星Ⅱの映画にあったシーンで猿の子供が人の子供をペットとして購入し、鉄製の首輪を人間にはめ、檻に入れて飼っている。人の子供は泣いているけど、猿は「可愛い」といって人間の子供をながめている。
私達は猿を含む動物に対してこれと同様の行ないをしている。
動物は建築物も作れないし、宇宙へもいけない。
しかし類人猿を含む動物達は、喜びや悲しみ、仲間への同情、そのような感情を持ち、人にそういう気持ちがあれば、傷つけあわずにお互いを思いやることができる。
この本では、詳細に動物を傷つけることなく研究され、いかに類人猿たちが感情豊かで、様々なことを認識できる動物であるかをわからせてくれる。
研究とはそういうものであってほしい。日本の子供にも大人にも読んでほしい本です。
- 単行本: 308ページ
- 出版社: 昭和堂 (2001/04)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4812201098
- ISBN-13: 978-4812201091
- 発売日: 2001/04
- 梱包サイズ: 19.2 x 13.6 x 2.2 cm
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