タイトルからは想像できない切り口から始まるので面食らったが
過不足ない文章力によって読み手にイメージが伝わってくるので
安心感を覚えながら、次章からの本編へと読み進めた。
まばゆい盛夏ならではの活き活きとした楽しい日々
終わりゆく晩夏に漂う物寂しさ。
楽しかった夏を思い出すかのように、秋へ冬へと季節が変わっても
主人公たちと田舎の縁は途切れずに続いていく。
前半でも目を潤ませ、本の真ん中ぐらいでは目尻を拭った。
結末も美しく、情景が目に浮かぶ。
この作家の作品で最初に取ったのがこれだったので
苺のもっとも甘い先っぽから食べてしまったような印象。
(他のもいい本なんだけど)
普段は小説を読まない母に渡したら、二日で読み終えてしまった。
夏美のホタル (角川文庫) (日本語) 文庫 – 2014/8/23
森沢 明夫
(著)
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本の長さ352ページ
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言語日本語
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出版社KADOKAWA
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発売日2014/8/23
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ISBN-104041016878
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ISBN-13978-4041016879
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。夏空の下で過ごす毎日は、飽きることなくシャッターを切らせる。やがて、地蔵さんの哀しい過去を知った慎吾は、自らできることを探し始めるが…。心の故郷の物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森沢/明夫
1969年、千葉県生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、絵本と幅広い分野で活躍。『ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三』で第17回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1969年、千葉県生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、絵本と幅広い分野で活躍。『ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三』で第17回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2014/8/23)
- 発売日 : 2014/8/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4041016878
- ISBN-13 : 978-4041016879
- Amazon 売れ筋ランキング: - 29,615位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Amazonキンドルに入れていた「夏美のホタル」読了しました。
友人から「森沢明夫さんの小説は、どの作品も温かい気持ちになる」と言っていたことが、実感をもって分かりました。
対談にて森沢さんご自身の川遊びの体験をお聞きしたことがありますが、この物語にたっぷりと盛り込まれていました。私も幼少のころ、夏休みの度に母の実家に一か月近くお泊りをし、近くの川でタモをつかって魚を取ったりしていました。その時の経験や風のにおいが蘇ってきました。
天に先に召された父母からの思いが襷のように今生を生きるものにつながっていく。そして、家族だけでなく、ご縁を頂いた人たちに伝わっていく。その象徴が名前だということを感じました。
駆け出しのカメラマンとしてスタートした主人公と仏師・雲月との会話から「自分にとって爪の先まで全身全霊を込めて打ち込む仕事とは何か」をあらためて考えさせられました。
友人から「森沢明夫さんの小説は、どの作品も温かい気持ちになる」と言っていたことが、実感をもって分かりました。
対談にて森沢さんご自身の川遊びの体験をお聞きしたことがありますが、この物語にたっぷりと盛り込まれていました。私も幼少のころ、夏休みの度に母の実家に一か月近くお泊りをし、近くの川でタモをつかって魚を取ったりしていました。その時の経験や風のにおいが蘇ってきました。
天に先に召された父母からの思いが襷のように今生を生きるものにつながっていく。そして、家族だけでなく、ご縁を頂いた人たちに伝わっていく。その象徴が名前だということを感じました。
駆け出しのカメラマンとしてスタートした主人公と仏師・雲月との会話から「自分にとって爪の先まで全身全霊を込めて打ち込む仕事とは何か」をあらためて考えさせられました。
ベスト1000レビュアー
Amazonで購入
同著者のエッセイ「
あおぞらビール (双葉文庫)
」を読んで、小説も読んでみたくて購入。
読んでいて、ちょっと泣いてしまった自分がいました。そういう作品でも確かにあると感じます。一方で、読んでいて素直に受け入れ難い自分もいました。本作品の世界観があまりにも優しすぎて、美しすぎて・・・物語なのだから理想で良いじゃないといわれればそれも一理あるのですが、私にはまるでおとぎ話のように感じられて歯が浮くようで親近感が今ひとつ持ちにくかったのです。年を経てキレイごとでは済まされない世界を垣間見てしまった私が、暗闇の中に光を見出だしたり灯したりする物語にこそ、リアルな世界観を感じて共感するようになってしまったためかもしれません。
それから、主人公の二人の最後――ネタバレしないように気をつけて表現しなければなりませんが――束縛されない形の純粋な意思による選択にして欲しかったです。そこは妙に現代らしくて・・・(笑)
本作は優しすぎて、美しすぎる世界観で、その印象は読者の世代にも依存するかもしれません。それでも、私にも感情が揺さぶられる場面があったことも事実。読んでよかったと感じています。
読んでいて、ちょっと泣いてしまった自分がいました。そういう作品でも確かにあると感じます。一方で、読んでいて素直に受け入れ難い自分もいました。本作品の世界観があまりにも優しすぎて、美しすぎて・・・物語なのだから理想で良いじゃないといわれればそれも一理あるのですが、私にはまるでおとぎ話のように感じられて歯が浮くようで親近感が今ひとつ持ちにくかったのです。年を経てキレイごとでは済まされない世界を垣間見てしまった私が、暗闇の中に光を見出だしたり灯したりする物語にこそ、リアルな世界観を感じて共感するようになってしまったためかもしれません。
それから、主人公の二人の最後――ネタバレしないように気をつけて表現しなければなりませんが――束縛されない形の純粋な意思による選択にして欲しかったです。そこは妙に現代らしくて・・・(笑)
本作は優しすぎて、美しすぎる世界観で、その印象は読者の世代にも依存するかもしれません。それでも、私にも感情が揺さぶられる場面があったことも事実。読んでよかったと感じています。
2017年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「小説的」な盛り上がりとか、何も無く、延々と普通の人々の関わりを描いて、それでいてグングンと惹きつけられて、こんな小説を初めて読みました。正直に言うと、小説で涙が流れて困ったのは、初めてです。おこがましいけど、小津安二郎の映画から、文学臭を抜いたような、感じかなぁ。50年近く前、自転車の後ろに乗せてもらって、両側に延々と葦の原が続く砂利道を、年上の従兄弟と川遊びに向かった夏の日を、その匂いと共に思い出しました。
2018年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
[※ネタバレ有り※]
田舎の情景描写がイイ。住みたくなるな~
筆者は心理描写も上手い気がする。そんな色々、小説読んだわけじゃないが
特に感動したのは美也子さんとお見舞いで離婚の真相をヤスばあちゃんに打ち明けたシーンと
地蔵さん臨終の下り
夏美が妊娠してハッピーエンドでイイ気がするが
あまりにもヤスばあちゃんの死が軽んじられてる気がするが・・・
いきなり2年後の話で、いつの間にヤスばあちゃんが死んだことになってるって・・・
どうなんだろう?
田舎の情景描写がイイ。住みたくなるな~
筆者は心理描写も上手い気がする。そんな色々、小説読んだわけじゃないが
特に感動したのは美也子さんとお見舞いで離婚の真相をヤスばあちゃんに打ち明けたシーンと
地蔵さん臨終の下り
夏美が妊娠してハッピーエンドでイイ気がするが
あまりにもヤスばあちゃんの死が軽んじられてる気がするが・・・
いきなり2年後の話で、いつの間にヤスばあちゃんが死んだことになってるって・・・
どうなんだろう?