著者の坂村教授は、こちらのアスキー新書の出版から4ヶ月後に、
岩波新書から「ユビキタスはとは何か」と言う本を出している。
それら双方の本を読んだ後にこのレビューを書いているが、
実はこの2冊はかなり内容がかぶっている。
2冊のうち「どちらか?」と言うことであれば、圧倒的にこちらの本がお勧めで、
この本を読めば、岩波版を読む必要性は薄いと思う。
岩波版がかなり堅く学術に寄って書かれている一方で、
こちらのアスキー版は、著者の思いを自由かつストレートに表現しているぶん、
我々読者の側にもその熱い思いがひしひしと伝わってくるのだ。
全体としてのまとまりは欠けているかもしれないが、
明確に広い層の読者を対象と考えたのであろう、
パラグラフは短く区切られ、「読み易さ」には相当に配慮されている。
著者は、情報技術の最先端の研究をしているからこそ、
現在の日本の制度上の問題を痛切に感じ、その思いをまずぶつけている。
並みの学者なら「日本はダメだ!アメリカなら・・・」となってしまうが、
著者はうわべだけのアメリカ追従を厳しく戒める。
我々が抱える、本当の問題点、その改善策、目指すべき未来を、
ここまで明確に示した本は、他にそうはないだろう。
答えを明確にだしすぎている分、
ここに書かれたことが100%正解と言うこともありえず、
著者の主張を鵜呑みにしてしまう危険かもしれない。
だが、ただ現在の制度や政治を批判するだけでなく、
「自分自身は何が出来るのか?」を考え、さらに実行できる人にとっては、
実に貴重な「考えのヒント」を与えてくれる本である。
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