言葉を紡ぎ、世界を作り出すとは、どういうことなのか。無限の迷宮を彷徨い続ける青年・光。どんなに歩いても、螺旋階段が上下に伸び、廊下が一直線に続くばかりだ。ある時、迷宮の中にホテルが建っているのを発見した光は、その支配人となり、客を呼び込むポスターを貼るため、再び迷宮へと足を踏み入れる。迷宮の中の玩具屋で働く女性・言海は、ポスターを見て、ブリキの動物たちを連れてホテルを目指す―。若き才能による大胆で緻密な野間文芸新人賞受賞後第一作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
金子/薫
1990年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業、同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。2014年「アルタッドに捧ぐ」で第51回文藝賞を受賞しデビュー。2018年、第11回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。同年、『双子は驢馬に跨がって』で第40回野間文芸新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)