前回のバチバチの表紙とはうって変わってのラブラブ表紙。その表紙を象徴するかのようなお互いへの好意・信頼関係が最高!!今回の仕事は様々なメディアミックス展開を見せるアイドル声優プロジェクト『ティアラ☆スターズ』。様々なメディアミックスと2.5次元が売りの今のトレンドですよね。選抜ユニット同士の対抗ライブに向けてリーダーとして抜擢された二人。
メンバー間の境遇の違いゆえの不和だったり負けたくない気持ちが先行した結果起きてしまった失敗だったり様々な困難に悩む由美子。困難に直面した際につい千佳を求めてしまう姿から見える好意と信頼がたまらん!千佳もまた悩む由美子のことを見てくれてるんですよね。負けたくない、あなたの間違いがあるから今の私がいると悩む由美子に語り掛けてくれる。こんなん惚れるやん…いやもう惚れてるかw!二人の好意・信頼関係の強さはとどまることを知らない。最高です!
そしてここに来てこういう仕事を持ってきて最後の涙ですよ…。二月先生の構成力には毎回脱帽。ファンの期待を裏切ってしまい苦難の道だった二人が乗り越えまたアイドル声優としての仕事を貰いお客さんに笑顔を向けてもらえている。正に今が最高と言える景色!二人の集大成といっても過言じゃないだろう。大好きな作品ゆえに今回の件はもちろん同様に今までが駆け巡って感動しました…。
今回の新キャラ二人は当然人それぞれ違う境遇で夢を追いかけているって部分が描かれてていいよね。飾莉の境遇からしたら保守的になるのはわかるしミントからしたら残された声優業で成功したいからと熱くなってしまうのもわかる。どれが正解とかないから意見をぶつけあって納得できるようにするしかないよね。新キャラ二人とも主題に対してのいいキャラになってたなあ。もう一人の新人は掘り下げなかったので今後あるかしら。
さてもういいか…。めくるかわゆす~~~~。なんだあれ!?!?あれでバレてないってマ?声優としてとファンとしてのギャップが愛らしいキャラでここ最近成分足りず悶えておりましたがここに来てユニットとして組み込んでくる二月先生の巧妙さよ…。予想以上に由美子のちょっかいに翻弄されまくる姿が描かれて正にめくるらぶゆ~としか言いようがない可愛さで最高^~。ファンサの後と最後のライブの後の姿を花火さんには是非語ってほしいですわね!次回のVS最強チーム戦も楽しみですわ!!後、アニメ化マダー!?!??!?!
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
声優ラジオのウラオモテ #06 夕陽とやすみは大きくなりたい? (電撃文庫) 文庫 – 2021/12/10
購入を強化する
問題児だらけの声優プロジェクト始動! 夕陽とやすみはリーダーできる!?
アイドル声優プロジェクト『ティアラ☆スターズ』始動! アニメ・ゲームにラジオと展開盛りだくさんな企画の幕開けは、選抜ユニット同士の対抗ライブ。先輩声優も参加する中、リーダーはなんと――夕陽とやすみ!?
「なぜ、あなたがリーダーなんですかね」
やすみ率いるユニット“ミラク”に、芸歴8年目の先輩(?)小学生声優・双葉ミントは不満たらたら。
「勝ち負け、って考えは変じゃない~?」
さらに年上の新人声優・飾莉とも心がすれ違って空気は最悪。夕陽率いる“アルタイル”との差も開くばかり。でも――。
「勝負しましょう、歌種やすみ」
傍にいなくても、夕陽への闘争心が力をくれる! 問題児揃いのチームをまとめ、やすみは一回り大きくなれるのか!?
新ウラオモテ声優も続々登場の、熱すぎる青春声優ストーリー・第6弾!
アイドル声優プロジェクト『ティアラ☆スターズ』始動! アニメ・ゲームにラジオと展開盛りだくさんな企画の幕開けは、選抜ユニット同士の対抗ライブ。先輩声優も参加する中、リーダーはなんと――夕陽とやすみ!?
「なぜ、あなたがリーダーなんですかね」
やすみ率いるユニット“ミラク”に、芸歴8年目の先輩(?)小学生声優・双葉ミントは不満たらたら。
「勝ち負け、って考えは変じゃない~?」
さらに年上の新人声優・飾莉とも心がすれ違って空気は最悪。夕陽率いる“アルタイル”との差も開くばかり。でも――。
「勝負しましょう、歌種やすみ」
傍にいなくても、夕陽への闘争心が力をくれる! 問題児揃いのチームをまとめ、やすみは一回り大きくなれるのか!?
新ウラオモテ声優も続々登場の、熱すぎる青春声優ストーリー・第6弾!
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2021/12/10
- 寸法10.6 x 1.6 x 14.9 cm
- ISBN-104049141329
- ISBN-13978-4049141320
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
著者について
●二月 公:第26回電撃小説大賞《大賞》受賞作『声優ラジオのウラオモテ』がシリーズ10万部突破。
●さばみぞれ:Vtuber「常磐カナメ」デザイン担当に加え、ライトノベルのイラストでも幅広く活躍する新進気鋭のイラストレーター。Twitterのフォロワーは13万人強。
●さばみぞれ:Vtuber「常磐カナメ」デザイン担当に加え、ライトノベルのイラストでも幅広く活躍する新進気鋭のイラストレーター。Twitterのフォロワーは13万人強。
1分以内にKindleで 声優ラジオのウラオモテ #06 夕陽とやすみは大きくなりたい? (電撃文庫) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2021/12/10)
- 発売日 : 2021/12/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4049141329
- ISBN-13 : 978-4049141320
- 寸法 : 10.6 x 1.6 x 14.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 168,356位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.8
星5つ中の4.8
112 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
ベスト500レビュアー
Amazonで購入
ガッツリと味が濃いわけじゃないのに、作者さんが登場人物を「人間」としてしっかり形作っているから、作中で露出しているとこは少ないのに、コシがきいて食感がしっかりしているの。そして作者さんの声優愛と描きたいことがハッキリしているから、香りもよい。
今回でまた登場人物が増えて、キャラそのものの密度は薄くなっていますが魅力的で、うまく調和しており、付け合わせも豊富。
小説として見ると、ラジオ番組というコントがさしはさまれるし、邪道要素もあって、高く評価するのはどうだろうか?という考えも頭を読んでいてよぎるのですが、読んでいて熱くなるし、ニヤニヤするし、好きでもっとこの作品を味わいたくなります。
今回は前巻とほぼ同時期におきていたライブ活動もある作品の声優の風景を描いています。
今回は由美子のグループを中心に描かれ、千佳の出番は少なめです。要所はおさえますが、フォロー役としてめくるの出番が多いです。
そして、めくるちゃんの下の名前も判明。
千佳とは別グループで、元子役の先輩声優とか年上の新人声優と混ざり、軋轢が出る話です。
作中ではドラマかゲームのイベントのように、サブキャラたちの心情や背景が隠れていて雑に見えてしまいますが、
これは「視野の狭い」主人公の由美子が「見えていない」からこそ描かれていないのでしょう。
声優へのそこそこの知識あると背景が推測できてしまうものがあるので、色々な想いがあるのだなとわかりますし、よりマニアな作者さんなら描けたでしょう。
本編では無理でしょうけど、次の話に行く前に短編集みたいな形で、それぞれの声優視点の話や、千佳のチームの話も描いて欲しいです。
今巻の裏であの登場人物はこう考え、感じていたとかです。
あと素の顔で興奮して花火に可愛い顔で喋っていためくるちゃんも読みたいです(笑)。
今回、先輩声優としてうまく由美子を支えながら、プライベートでおかし可愛い行動しているめくるちゃんが目茶苦茶可愛かったです。
好きな女性キャラに投票するくらい私の押しキャラなので、今回の優遇にかなり満足しました。
今回でまた登場人物が増えて、キャラそのものの密度は薄くなっていますが魅力的で、うまく調和しており、付け合わせも豊富。
小説として見ると、ラジオ番組というコントがさしはさまれるし、邪道要素もあって、高く評価するのはどうだろうか?という考えも頭を読んでいてよぎるのですが、読んでいて熱くなるし、ニヤニヤするし、好きでもっとこの作品を味わいたくなります。
今回は前巻とほぼ同時期におきていたライブ活動もある作品の声優の風景を描いています。
今回は由美子のグループを中心に描かれ、千佳の出番は少なめです。要所はおさえますが、フォロー役としてめくるの出番が多いです。
そして、めくるちゃんの下の名前も判明。
千佳とは別グループで、元子役の先輩声優とか年上の新人声優と混ざり、軋轢が出る話です。
作中ではドラマかゲームのイベントのように、サブキャラたちの心情や背景が隠れていて雑に見えてしまいますが、
これは「視野の狭い」主人公の由美子が「見えていない」からこそ描かれていないのでしょう。
声優へのそこそこの知識あると背景が推測できてしまうものがあるので、色々な想いがあるのだなとわかりますし、よりマニアな作者さんなら描けたでしょう。
本編では無理でしょうけど、次の話に行く前に短編集みたいな形で、それぞれの声優視点の話や、千佳のチームの話も描いて欲しいです。
今巻の裏であの登場人物はこう考え、感じていたとかです。
あと素の顔で興奮して花火に可愛い顔で喋っていためくるちゃんも読みたいです(笑)。
今回、先輩声優としてうまく由美子を支えながら、プライベートでおかし可愛い行動しているめくるちゃんが目茶苦茶可愛かったです。
好きな女性キャラに投票するくらい私の押しキャラなので、今回の優遇にかなり満足しました。
2021年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ある大きなブロジェクトから新ユニット結成に伴い、まだ見ぬ新人二人と知り合い一人の四人でユニットを組むことになったやすやす。
今までに無いタイプ二人にさしものやすやすも打ち解けるまで手こずることになります。ただニュータイプと言っても特殊な性格とかではなく、よくある境遇のものであり、だからこそああ難しいよなと言えるものでした。
大まかな流れは、痛いところを突かれる一悶着を経て打ち解け、ライブは成功! 観客も優しい! 次回大ボス登場!というシナリオになります。
ちなみにゆうゆうチームは知り合い二人と新人一人ですが、こちらの描写は断片的で、メインはやすやす達のいざこざとなります。またゆうゆうの出番は今までに比較して少なめ。でも、安心して下さい。いつもの二人の愛を示すシーンはきっちりあります!
毎巻のことながら、やすやすとゆうゆう二人の愛は素晴らしいんだ。てぇてぇ。
と、そこまでなら文句無しに★5なんですが、どうしても気になる点が一つあります。
それはズバリ『改行し過ぎじゃない?』というものです。
どれくらいかと言うと、句点があれば必ず改行します。
更に一つの文が短いためページの余白が目立ちます。
前の巻もそんな感じだったと思います。
ページ数は普通の文庫でも、文字数となればどうなんでしょうか。
そこが気になりました。
そのため少しだけ集中できませんでした。
以上です。
今までに無いタイプ二人にさしものやすやすも打ち解けるまで手こずることになります。ただニュータイプと言っても特殊な性格とかではなく、よくある境遇のものであり、だからこそああ難しいよなと言えるものでした。
大まかな流れは、痛いところを突かれる一悶着を経て打ち解け、ライブは成功! 観客も優しい! 次回大ボス登場!というシナリオになります。
ちなみにゆうゆうチームは知り合い二人と新人一人ですが、こちらの描写は断片的で、メインはやすやす達のいざこざとなります。またゆうゆうの出番は今までに比較して少なめ。でも、安心して下さい。いつもの二人の愛を示すシーンはきっちりあります!
毎巻のことながら、やすやすとゆうゆう二人の愛は素晴らしいんだ。てぇてぇ。
と、そこまでなら文句無しに★5なんですが、どうしても気になる点が一つあります。
それはズバリ『改行し過ぎじゃない?』というものです。
どれくらいかと言うと、句点があれば必ず改行します。
更に一つの文が短いためページの余白が目立ちます。
前の巻もそんな感じだったと思います。
ページ数は普通の文庫でも、文字数となればどうなんでしょうか。
そこが気になりました。
そのため少しだけ集中できませんでした。
以上です。
2021年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現役女子高生でもある駆け出し声優が華やかな舞台の裏にある面倒臭い人間関係や身勝手で移り気なファンの存在に振り回されながら成長していく姿を描いたシリーズ、早くも6巻目。
物語はアイドル物のメディアミックス企画「ティアラスターズ」の打ち合わせに呼び出される場面から。企画の一環として開催されるライブが二つのユニットによる対決スタイルであると説明されたは良いが、由美子と千佳以外に呼ばれたメンバーが年上だけど高校生である自分たちより芸歴の短い声優や、逆に小学生であるにも関わらずかつて出演したドラマで天才子役として持て囃され芸歴では上回る小学生とあり早くも波乱の波乱の予感が
企画の説明とメンバーの顔合わせの後、二人だけ残るよう告げられた由美子と千佳が言い渡されたのは対決するユニット「ミラク」と「アルタイル」のリーダーへの抜擢。初めて他人を引っ張る側に回る不安に陥る由美子だったが、千佳へのライバル意識で自分を必死で奮い立たせる。しかし、始まったレッスンでは年上の新人である御花飾莉や小学生でありながら芸歴で上回る双葉ミントといったクセのあるメンバーに振り回される羽目に……
ライトノベルも巻を重ねると同じ事を繰り返している様な印象を読者に与えてしまう、いわゆる「マンネリ」と呼ばれる状態に陥る作品が多いのだけど、この巻に限って言えば非常に大胆なチャレンジをしてきたなというのが読み終えての第一印象。これまで常にセットで描かれ話の軸となってきた主人公である由美子とライバルである千佳を引き離してみる事で違う角度からその関係を描き出そうという試みに大いに引き込まれ、同時に個人的に経験してきた事の記憶がぶり返し胃に穴が開きそうな気分に。
物語の方はアイドル物の企画で千佳とのライブバトルに挑む事になった由美子が任された「リーダー」という役回りに振り回される一部始終を描いている。リーダーと言えば聞こえは良いし他人に好き勝手に指示できる立場という見方もあるかも知れないが、この巻で描かれる由美子の姿はそんなお気楽さとは無縁の代物。
若い方だとまだ経験の無い事かもしれないが「年上の部下」や「年下だけど業界歴だけは妙に長い部下」というのは本気で面倒臭い。しかも大した権限も与えられない中間管理職みたいな立場で集団を纏め、ひっぱるとなると突き付けられるのは「立場や主張が食い違うメンバー間での板挟み」「誰にも相談できない」という孤独である。
由美子が率いる事になったメンバーは既出のキャラであり「声優・歌種やすみの大ファンだけどプロとしては距離を置く」という柚日咲めくるだけでも相当にややこしいのに親から半勘当状態でギリギリの生活をしながら声優を目指す飾莉に大物女優の娘で自身も天才子役と持て囃されながらまだまだ幼さが残る小学生ミントという考えただけでも気遣いが胃に穴を開けそうなメンバー。
案の定というかリーダーを任されたユニット「ミラク」はレッスンを重ねる度にメンバーが衝突。他の声優と距離を置く主義のめくるは言うに及ばず、ほんわかした雰囲気ながらどこか他人と一線を引く飾莉、小学生のミントと「相談しやすい仲間」が一人もおらずこれまでライバル意識を剥き出しにしながらもどこかで頼りにしてきた千佳はライバルユニットのリーダー……はい、見事なまでに由美子は孤立無援の立場になりました、と。
上司と言えども踏み込んではならないプライベートな事情を抱えている部下や、やる気はあるけど暴走しがちな部下、扱いづらいメンバーに振り回される中で時間と体力・気力が削り取られ仕事自体はまるで進まない……勤め先で「主任」やら「チームリーダー」なんて立場に就いた事がある方なら読んでいる最中「うっ」と胃から胃液がこみ上げてくるんじゃないだろうか?
これだけ孤立と苦悩に追い込まれる由美子の姿が描かれるからこそ「普段はアレコレ言い争ってばかり」という感じだった千佳の存在がどれだけ彼女自身にとって大きな支えとなっていたかが読者に改めて伝わるのは見事。普段「セット」として傍らに当たり前の様にいる相方が不在となった状況を突き詰めたからこそこの作品の主役コンビの関係性が浮き彫りになるという非常に面白い仕掛けである。
そして孤独と挫折の中で空中分解寸前だったメンバーに対して「自分が声優として何を目指しているか」を由美子自身に自覚させ言葉として口にさせたのも大きい。主人公に目的意識を明確に自覚させる事でこの「声優ラジオのウラオモテ」という作品のゴール地点が読者に提示される作用も齎している(ゴール地点が示されないと読者が迷子になる)
その一方で若干気になったのが同じ様な台詞の多用、だろうか?千佳の口癖として印象付けようとしたのかも知れないが「あなたのそういうところ、本当に嫌い!」を使い過ぎ。千佳が登場する場面では毎回使っていた様な印象で正直くどさを覚える。決め台詞は使うべき場所を限ってこそ効果的になると思うのだが……同様に大人ぶりたがる小学生ミントがやたらと小難しい言葉を口にしようとして間違うというネタも繰り返し過ぎて若干マンネリ感を生んでいた。キャラを印象付けようとするのは良いのだけど「やりすぎ」は禁物。
ドラえもんとのび太君の様に常にセットで動かしている登場人物を引き離す事で、その関係性を普段とは違った角度から描き、見つめ直す事で新鮮な印象を読者に与えた……マンネリ防止にはこういった手法もあるのだと気付きを与えてくれた、そんな一冊。
物語はアイドル物のメディアミックス企画「ティアラスターズ」の打ち合わせに呼び出される場面から。企画の一環として開催されるライブが二つのユニットによる対決スタイルであると説明されたは良いが、由美子と千佳以外に呼ばれたメンバーが年上だけど高校生である自分たちより芸歴の短い声優や、逆に小学生であるにも関わらずかつて出演したドラマで天才子役として持て囃され芸歴では上回る小学生とあり早くも波乱の波乱の予感が
企画の説明とメンバーの顔合わせの後、二人だけ残るよう告げられた由美子と千佳が言い渡されたのは対決するユニット「ミラク」と「アルタイル」のリーダーへの抜擢。初めて他人を引っ張る側に回る不安に陥る由美子だったが、千佳へのライバル意識で自分を必死で奮い立たせる。しかし、始まったレッスンでは年上の新人である御花飾莉や小学生でありながら芸歴で上回る双葉ミントといったクセのあるメンバーに振り回される羽目に……
ライトノベルも巻を重ねると同じ事を繰り返している様な印象を読者に与えてしまう、いわゆる「マンネリ」と呼ばれる状態に陥る作品が多いのだけど、この巻に限って言えば非常に大胆なチャレンジをしてきたなというのが読み終えての第一印象。これまで常にセットで描かれ話の軸となってきた主人公である由美子とライバルである千佳を引き離してみる事で違う角度からその関係を描き出そうという試みに大いに引き込まれ、同時に個人的に経験してきた事の記憶がぶり返し胃に穴が開きそうな気分に。
物語の方はアイドル物の企画で千佳とのライブバトルに挑む事になった由美子が任された「リーダー」という役回りに振り回される一部始終を描いている。リーダーと言えば聞こえは良いし他人に好き勝手に指示できる立場という見方もあるかも知れないが、この巻で描かれる由美子の姿はそんなお気楽さとは無縁の代物。
若い方だとまだ経験の無い事かもしれないが「年上の部下」や「年下だけど業界歴だけは妙に長い部下」というのは本気で面倒臭い。しかも大した権限も与えられない中間管理職みたいな立場で集団を纏め、ひっぱるとなると突き付けられるのは「立場や主張が食い違うメンバー間での板挟み」「誰にも相談できない」という孤独である。
由美子が率いる事になったメンバーは既出のキャラであり「声優・歌種やすみの大ファンだけどプロとしては距離を置く」という柚日咲めくるだけでも相当にややこしいのに親から半勘当状態でギリギリの生活をしながら声優を目指す飾莉に大物女優の娘で自身も天才子役と持て囃されながらまだまだ幼さが残る小学生ミントという考えただけでも気遣いが胃に穴を開けそうなメンバー。
案の定というかリーダーを任されたユニット「ミラク」はレッスンを重ねる度にメンバーが衝突。他の声優と距離を置く主義のめくるは言うに及ばず、ほんわかした雰囲気ながらどこか他人と一線を引く飾莉、小学生のミントと「相談しやすい仲間」が一人もおらずこれまでライバル意識を剥き出しにしながらもどこかで頼りにしてきた千佳はライバルユニットのリーダー……はい、見事なまでに由美子は孤立無援の立場になりました、と。
上司と言えども踏み込んではならないプライベートな事情を抱えている部下や、やる気はあるけど暴走しがちな部下、扱いづらいメンバーに振り回される中で時間と体力・気力が削り取られ仕事自体はまるで進まない……勤め先で「主任」やら「チームリーダー」なんて立場に就いた事がある方なら読んでいる最中「うっ」と胃から胃液がこみ上げてくるんじゃないだろうか?
これだけ孤立と苦悩に追い込まれる由美子の姿が描かれるからこそ「普段はアレコレ言い争ってばかり」という感じだった千佳の存在がどれだけ彼女自身にとって大きな支えとなっていたかが読者に改めて伝わるのは見事。普段「セット」として傍らに当たり前の様にいる相方が不在となった状況を突き詰めたからこそこの作品の主役コンビの関係性が浮き彫りになるという非常に面白い仕掛けである。
そして孤独と挫折の中で空中分解寸前だったメンバーに対して「自分が声優として何を目指しているか」を由美子自身に自覚させ言葉として口にさせたのも大きい。主人公に目的意識を明確に自覚させる事でこの「声優ラジオのウラオモテ」という作品のゴール地点が読者に提示される作用も齎している(ゴール地点が示されないと読者が迷子になる)
その一方で若干気になったのが同じ様な台詞の多用、だろうか?千佳の口癖として印象付けようとしたのかも知れないが「あなたのそういうところ、本当に嫌い!」を使い過ぎ。千佳が登場する場面では毎回使っていた様な印象で正直くどさを覚える。決め台詞は使うべき場所を限ってこそ効果的になると思うのだが……同様に大人ぶりたがる小学生ミントがやたらと小難しい言葉を口にしようとして間違うというネタも繰り返し過ぎて若干マンネリ感を生んでいた。キャラを印象付けようとするのは良いのだけど「やりすぎ」は禁物。
ドラえもんとのび太君の様に常にセットで動かしている登場人物を引き離す事で、その関係性を普段とは違った角度から描き、見つめ直す事で新鮮な印象を読者に与えた……マンネリ防止にはこういった手法もあるのだと気付きを与えてくれた、そんな一冊。