二回読んだところでいささか自分の感想を記したいと思う。
根本的に言うと、靖国問題はいわゆる国際問題のではなく、儒教(これもまた日本独特の発展を遂げた儒教であるが)の影響を抜きにして語ることが出来ないため、むしろ日本国内の問題だと著者は主張する。今日の日本には、靖国を巡って様々な言説がなされる中、射程を前近代まで伸ばし、あえてこうした新たな視点で靖国問題を取り上げる著者の見識に、敬意を表しておきたい。もしも不満のところを強いていうのならば、本書は確かに「靖国の由来をもっと深く知ろう!」と呼びかけた点に成功してはいるが、「あの戦争」が産んできた、今日の歴史認識における種々の「ねじれ」に対して、われわれは今後一体いかなる解決策を講じてゆくべきなのか、という点についてはやや説明が不足しているように思う。
増補 靖国史観: 日本思想を読みなおす (ちくま学芸文庫) (日本語) 文庫 – 2014/7/9
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本書は靖国神社創設の経緯をひもときながら、文明開化で儒教が果たした役割に光をあて、明治維新の独善性を暴きだす。気鋭の歴史学者が「日本」の近代史観に一石を投じる檄文。「国体」「英霊」「維新」の三章に、文庫化に際して新章「大義」を増補。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小島/毅
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
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