「私たちはこの国に生きていて、この国が進む方向によって、自分の運命も左右されかねない」だから、今、日本を学ぶ。
最終章に、次のような記載がある。「日本の悲劇の因は、アジアのホープからアジアの裏切り者への急速な変貌のうちに胚胎していた」―明治維新後、欧米の植民地化を免れアジアのホープと仰がれた。だが日本は、国家への忠誠教育、帝国主義化への軍備増強、不満のはけ口としてのアジア侵略をして、裏切り者となった。
「敗戦によって….日本はアジアの裏切り者としてデビューしようとするのであるか。」―大戦(特に冷戦)後、日本はアメリカの方針に従った。アメリカは、米軍基地を確保する安保条約を日本と結んだ。日本の西側陣営の国際デビューのサンフランシスコ講和会議を、再軍備のために開催した。その調印国に、日本に対する戦後賠償請求権を放棄させた。つまり、日本はアジアに位置しながら背を向け、はるか太平洋の向こう岸のアメリカを凝視した。そしてGNP世界第2位に、伸し上がった。しかしアジアの目から見た日本は、共産圏の壁であり、アメリカの番犬と映るかもしれない。共産圏と同居するアジアを無視した、裏切り者と映るかもしれない。
このまま、日本は裏切り者を続けるのだろうか。未だ諸外国に対する軍備構想がなく、米軍基地、自衛隊、戦後賠償そして靖国問題を先送りにしている。いつまでも逃げ回ることもできない。なぜなら、未来の日本に自分たちの運命がかかっているのからだ。
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増補改訂 日本という国 (よりみちパン!セ) 単行本(ソフトカバー) – 2011/7/16
「日本」っていつ、だれによって作り出されたの? 「学ぶ」ことの意味に触れながら、未来を探るために描かれる刺激的な近・現代史。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2011/7/16
- 寸法13.1 x 1.5 x 18.8 cm
- ISBN-104781690009
- ISBN-13978-4781690001
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
いまの日本は、福沢諭吉の「鼻毛抜き」から始まった?私たちの足元を考えるうえで不可欠の、近・現代史をわかりやすく。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小熊/英二
1962年東京生まれ。1987年、東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て、1998年、東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻大学院博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授。私たちがふだんあたりまえのものとして了解しているさまざまな概念について、膨大な文献にあたりながら、緻密な検証と独自の問い直しを試み、多くの領域に強い影響を与えている。『単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜』(1995年。1996年度サントリー学芸賞受賞)、第2回日本社会学会奨励賞、第57回毎日出版文化賞、第3回大佛次郎論壇賞を受賞した『「民主」と「愛国」―戦後日本のナショナリズムと公共性』(2002年)、『1968』(2009年、角川財団学芸賞、以上すべて新曜社)ほか、著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1962年東京生まれ。1987年、東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て、1998年、東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻大学院博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授。私たちがふだんあたりまえのものとして了解しているさまざまな概念について、膨大な文献にあたりながら、緻密な検証と独自の問い直しを試み、多くの領域に強い影響を与えている。『単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜』(1995年。1996年度サントリー学芸賞受賞)、第2回日本社会学会奨励賞、第57回毎日出版文化賞、第3回大佛次郎論壇賞を受賞した『「民主」と「愛国」―戦後日本のナショナリズムと公共性』(2002年)、『1968』(2009年、角川財団学芸賞、以上すべて新曜社)ほか、著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : イースト・プレス; 増補改訂版 (2011/7/16)
- 発売日 : 2011/7/16
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 200ページ
- ISBN-10 : 4781690009
- ISBN-13 : 978-4781690001
- 寸法 : 13.1 x 1.5 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 601,412位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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2014年9月12日に日本でレビュー済み
当方隠居老人で馬齢を重ねるばかりで、いくつに
なってもあまり、どうすればよいのか分からないまま。
本書はその中に住んでいる日本という国が、いまどこ
にいて、どう進もうとしているのかを考えた本。
時々、新聞で著者の書き物を読むが、良心的な
人らしく、自分の気づかなかった筋道が示されることが
おおい。
いくつかの日本の問題が指摘されているが、たとえば
現在の日本は隣国たちと仲がよくないけれど、どうすれ
ば友好を回復できるか?
これには簡単に言えば、アジア太平洋戦争(1937に開始
され1945.8に終戦、ふつうあの戦争などと
呼ばれる)での日本が及ぼした加害の結果を「率直に謝罪
し、賠償すべきだ」と答えている。
これに関連して、サンフランシスコ講和のとき、何故、
この賠償を、連合国が免除したかも解説される。
先進植民地主義国でもある連合国が、後発植民地主義
=日本を仲間として優遇したからだ、と。
はじめのほうでは、
どうして学歴社会が作られたのか、
どうして日本は、侵略されそうな国から、「侵略する国の
方」に転換したのか、
戦後の部では、どうして日本はアメリカの<家来>になっ
たのか、
世界の潮流に何故、自衛隊は逆行するのか。
アジアの国々からの戦後賠償要求にどうこたえるか、
日本のおかしなナショナリズム、
などの問題である。
いずれも、第1次資料をみたり、よく考えて、研究すべき
課題だと思われる。
なってもあまり、どうすればよいのか分からないまま。
本書はその中に住んでいる日本という国が、いまどこ
にいて、どう進もうとしているのかを考えた本。
時々、新聞で著者の書き物を読むが、良心的な
人らしく、自分の気づかなかった筋道が示されることが
おおい。
いくつかの日本の問題が指摘されているが、たとえば
現在の日本は隣国たちと仲がよくないけれど、どうすれ
ば友好を回復できるか?
これには簡単に言えば、アジア太平洋戦争(1937に開始
され1945.8に終戦、ふつうあの戦争などと
呼ばれる)での日本が及ぼした加害の結果を「率直に謝罪
し、賠償すべきだ」と答えている。
これに関連して、サンフランシスコ講和のとき、何故、
この賠償を、連合国が免除したかも解説される。
先進植民地主義国でもある連合国が、後発植民地主義
=日本を仲間として優遇したからだ、と。
はじめのほうでは、
どうして学歴社会が作られたのか、
どうして日本は、侵略されそうな国から、「侵略する国の
方」に転換したのか、
戦後の部では、どうして日本はアメリカの<家来>になっ
たのか、
世界の潮流に何故、自衛隊は逆行するのか。
アジアの国々からの戦後賠償要求にどうこたえるか、
日本のおかしなナショナリズム、
などの問題である。
いずれも、第1次資料をみたり、よく考えて、研究すべき
課題だと思われる。
2012年2月17日に日本でレビュー済み
福沢諭吉は「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言いたかったのではなく、「一生懸命勉強しないとろくな人生にならないぞ」と言いたかったこと。どうしてそんなことを言いたかったからかというと、日本を植民地にしないだけでなく、アジア諸国を植民地としたかったからだというところから、この本は始まります。
富国強兵の路線を突っ走り、戦争に負けて、日本の支配層が選んだ道は「アメリカの子分」として反映すること。その路線は東西冷戦終結までは「きわめて順調」に進んだこと。
そして今、東西冷戦後のアメリカの方針は変わっているのに、日本の「心づもり」には何の変化もないこと。それが矛盾をはげしくしていくことまでが、とても分かりやすく書いてあります。原発の爆発も、その一つだと、私には思えました。
ではどうすればいいのか? そこには著者はさらりとしか触れていません。「みんなが考えなければいけないよね」といったメッセージです。
本気になって考え直さないと、ますます矛盾ははげしくなっていくことだけは確かだと思います。そして考え直すためには、日本がどのようにしてここまで歩いてきたのかを、ありのままに見つめることからはじめなければならないでしょう。
富国強兵の路線を突っ走り、戦争に負けて、日本の支配層が選んだ道は「アメリカの子分」として反映すること。その路線は東西冷戦終結までは「きわめて順調」に進んだこと。
そして今、東西冷戦後のアメリカの方針は変わっているのに、日本の「心づもり」には何の変化もないこと。それが矛盾をはげしくしていくことまでが、とても分かりやすく書いてあります。原発の爆発も、その一つだと、私には思えました。
ではどうすればいいのか? そこには著者はさらりとしか触れていません。「みんなが考えなければいけないよね」といったメッセージです。
本気になって考え直さないと、ますます矛盾ははげしくなっていくことだけは確かだと思います。そして考え直すためには、日本がどのようにしてここまで歩いてきたのかを、ありのままに見つめることからはじめなければならないでしょう。