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報道の脳死 (新潮新書) 新書 – 2012/4/17

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商品の説明

内容紹介

なぜ新聞、テレビの報道はかくも陳腐なのか?パクリ記事、問題意識の欠如、専門記者の不在……役立たずな報道の背景にあるのは、長年放置されてきた構造的で致命的な欠陥だ。豊富な実例をもとに病巣を抉る。

出版社からのコメント

【抜粋】 はじめに 「3.11報道」で見えた日本の報道の問題点は何でしょうか。「ポスト3.11」という新しい時代に、報道はどんな姿になるのがいいのでしょうか。そのためには何をすればいいのでしょうか。それを議論するための一つの視点を提供すること。それが私がこの本を書く目的です。 2011年3月11日に起きたM9・0の東日本大震災。それが引き起こした巨大津波。そして福島第一原子力発電所の暴走と、放出された放射能による広範囲にわたる放射能汚染。どれひとつとっても国や社会が想定しうる最高度の甚大クライシスです。これより深刻な危機は「戦争」「大規模テロ」ぐらいしかありません。 このクライシスをまとめて「3.11危機」あるいは単に「3.11」と呼びましょう。3.11は日本という国が維持してきた様々なシステムの問題を露呈しました。東京の中央省庁、地方行政、電力業界、学界など、数が多すぎて数えきれないほどです。地震の巣のような日本の上にある原子力発電所が、実は想像以上に脆弱であること。放射能の飛散予測、住民の避難など「万一」に備えた準備をしていない、あるいはしていてもほとんど役に立たなかったこと。その多くが論者の指摘と批判を受けていますので、ここでその全部を上げることはしません。 その中でも新聞やテレビを中心とした「報道」のあまりにも惨めな醜態の数々に、被災者だけでなく、読者・視聴者は激しく落胆し、怒りました。私は福島県の被災者に聞いて回って確かめましたが、報道が機能不全を起こしたために、とるべき行動がわからないまま放射性物質に被曝する実害まで起きています。こうした「報道が本来果たすべき機能を果たさないために、国民の生命や財産が大規模に毀損されること」を、私は「報道災害」と呼んでいます(詳しくは『報道災害 原発編』〔幻冬舎新書〕をご覧ください)。 東京の都心に家族と暮らす一人の市民として、私は放射性物質の影響から避難する必要があるのかどうか、3月11日以降、必死でテレビや新聞を注視しました。しかし結果は虚しかった。いくらそこに書いてあることを丹念に読み、スクラップして情報をつなぎあわせても、逃げるべきかどうか、わからないのです。私は新聞社に17年勤めた「ニュース記事をつくる側」の人間ですが、その私でもさっぱりわからないのです。一般の人々はもっと混乱したことでしょう。 結局、外国のニュース媒体のサイトや政府機関のウエブ、ネットラジオ、果てはツイッター、フェイスブックといったSNSまで連日ぐるぐるまわりようやく「どうやら東京から危急に脱出する必要はなさそうだ」という感触を得たのです。その判断の根拠になった多くは、外国の政府やニュース、SNSで知り合ったアメリカ人やヨーロッパ人が教えてくれた情報であり、日本の新聞やテレビは「存在してもしなくても同じ」くらいに不能でした。 私たちはもう、結論を出していいのではないでしょうか。「戦争にも匹敵する危機の中、市民が命をかけた判断をするときに、判断材料として役立たない報道に何の存在価値があるのだろうか」と。「存在価値はない」と。

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登録情報

  • 新書: 255ページ
  • 出版社: 新潮社 (2012/4/17)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4106104679
  • ISBN-13: 978-4106104671
  • 発売日: 2012/4/17
  • 商品パッケージの寸法: 17.2 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6 16件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 451,897位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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形式: 新書
私は、本書を読んで、著者は、まるで有名なアニメ「北斗の拳」の主人公ケンシロウではないか、と見紛ってしまった。
本書の冒頭で、著者は、こう宣言するのである。
「オールド・メジャー・メディアは、既に脳死(状態)である。」と。
著者は、17年間の朝日新聞での記者経験があり、同社退社後には、9年間のフリーランス記者として活動して来ている。著者は、日本ではとても珍しく、日本の「報道業界」のほぼあらゆる職種を経験しており、現在でも、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の3紙を購読している、という。
著者は、類稀な、報道ウォッチャーなのである。
本書では、その経験や知見が見事に生かされている。
第一章では、「新聞の記事はなぜ陳腐なのか」として、パクリ記事、セレモニー記事、カレンダー記事、えくぼ記事など、上記の3紙に頻繁に登場する記事について解説を施す。
これは、とにかく、3紙を併読していないと、決して分からない内容であり、新聞社内部での記者経験がないと、これらの記事の解説はできないであろう。これだけ読むことができるだけでも、本書を買って読む意義が十分にある。
第二章は、そのような陳腐な記事のオンパレードが何故続くのか、についての分析である。
それは、空間的、時間的、組織的な「断片化」によるものだと著者は言う。
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形式: 新書 Amazonで購入
3.11からしばらくの後、全くと言ってよいほどTVを見なくなった。口幅ったい物言いかもしれないが、ただ騒々しく、穢らわしいとまで感じるようになったからだ。

 事実、3.11の報道に対して、日本のTVは(それまでと同様)無力だった。地震・津波の直後は、いわゆる当局発表そのままの「20kmの同心円」が描かれた日本地図を背景に、SPEEDIのデータはおろか、風向きすらも考慮に入れない、役に立たない解説がだらだらと流れた。ドイツ気象庁のウェブサイトは早くからトップページで日本地図と放射能の飛散状況を提示していたにも拘わらず、だ。その後、甚大な放射能被害について、当局や東京電力株式会社への、真実を明らかにするような責任追及は何もなかった。東電の、資本・人的ネットワークが、この国の権力構造とどのように、どの程度関係しているのか、TVからは見えてこなかった。絶望した。東京電力が2010年に広告費として260億円もの金を使っていたのを知ったのは、昨年9月の英エコノミスト誌を通してだった。

 新聞でも状況は似たようなもののようだ。このクライシスの最中に、ニュースと呼ぶべきでない、「微笑ましい」逸話を、各社揃ってニュースとして取り上げていたのだ。たとえば、津波で流されずに生き残った、復興のシンボルとなるべき松の木の話など。

 僕は、こう
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形式: 新書 Amazonで購入
<前半>
主要紙がいかに陳腐な記事ばかりであるかの批判.
陳腐な記事を「パクリ記事」「セレモニー記事」「カレンダー記事」などに分類し,具体例を多数あげているので,大変面白く読める.

<中盤>
なぜ新聞社が機能不全に陥っているかの分析.
記者の資質の問題ではなく,新聞社の組織の問題として分析しており,面白い.

ただし,やむを得ない問題点をあげつらっているように感じる部分もある.
例えば,大きな新聞社の硬直性や組織非効率のために生じる問題の指摘は面白い.
専門性の高い記者をそのテーマに機動的に割り当てていない点などは,
もったいない限りだと思う.

一方で,コスト削減・効率化を進めたために生じた組織の縦割り構造を
問題視しているが,これはある程度は仕方ないんじゃないかと思う.

効率化するためには担当を専門分化して,結果として
自分の管轄範囲外のことに無知になるのは,ある程度は避けられないし,
簡単には解決できない.
実際,その解決策は本書で示されていない.
昔は「遊軍記者」がいて活躍していたのに,
マスコミ斜陽化に伴う人員削減でほとんどいなくなった,と書かれているが,
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投稿者 ロビン トップ500レビュアーVINE メンバー 投稿日 2015/11/26
形式: 新書 Amazonで購入
 元・朝日新聞記者、雑誌「AERA」編集部勤務などを経て現在フリージャーナリストとして活動されている烏賀陽 弘道さんの著作。
目次は
第一章 新聞の記事はなぜ陳腐なのか
第二章 「断片化」が脳死状態を生んだ
第三章 記者会見は誰のためのものか
第四章 これからの報道の話をしよう
第五章 蘇生の可能性とは
となっています。

 本当に抽象論で申し訳ないのですが、新自由主義的価値観が一般化したせいなのか、社会構造そのものの変質のせいなのか、実際には複数の要因が重なっているのでしょうが、日本社会には「自分の仕事に誇りを持つ」「仕事そのものを愛する」という姿勢が消失しつつあり、「仕事はあくまでお金を稼ぐための、または地位を得るための手段」「出る杭は打たれるのだから、安定した生活を守り出世をするためには、お上に楯つかず組織内の既成のルールに従うのは当然のこと」「自分ごときが何をやってもどうせ世の中は変わらない、リスクを冒しても仕方ない」という意識が主流となり、それが責任と覚悟を持って「生きる」ということの本質を深く考え、身を持って体現するという主体的能動的な姿勢が稀になり、そうした冷めたニヒリズムが新聞にもメディアにも政治にも表れてきているのではないかと感じます。
 東京新聞さんなど地方の新聞
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