まず最初に言及しなければならないことは、本書は受験英語のための英文法の本では無い!! ということです。
本書は米国人4人によって書かれた詳細な英語文法の書で、英語版としてニューヨークで出版されました。(初版1984年)
だから本書はもともとは日本人向けではなく、主に米国人(ネイティブとノンネイティブを含む主に米国在住の人々)を対象にして書かれた文法の本です。
日本で出版された本書は、その英語版原著を小島加奈子氏が日本語に翻訳したものです。
よって言うまでも無く、本書に書かれた英文法は英国流文法ではなく、
もっぱら米国流文法です。
英文法は日本の高校では日本人教師によってかなり曖昧 かつ、
時折誤った英文法さえ教えられていることもままあります。
本書では米国人4人によって書かれているために、そういった危うさが無いのが良いと思います。
英文法はあまり好きな人はいないと思いますし、かく言うレビュアーも嫌いな分野でしたが、
大学院で自分で英語論文を書かなければならないようになってから、
細かな英文法の決まり事に目を通すのが苦では無くなりました。
文法的に間違った英文を学会誌などに投稿するのは恥ずかしいことだからです。
本書を読んで目からうろこということが次から次に出てきました。
たとえば、 次の二つの書き方で正しいのはどれかお分かりになりますか?
Dickens' novel (ディケンズの小説)
Keats's sonnets (キーツの14行詩)
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
答えはどちらも正しいです。
なぜならば、sやzの発音で終わる名詞には ' だけを加えます。
そして、 sやzの発音で終わる一音節の固有名詞には、’s をつけるからです。
26章の「くどい言い回しを避ける」 も とても面白かったです。
几帳面な日本人の英文はくどすぎるということがよくわかりました。
本書は、レビュアーが今まで手にした英文法の本の中ではピカイチの実用的な(実践にすぐ役に立つ)お薦め本です。
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