内容(「BOOK」データベースより)
最近の気象は正気じゃない。洪水、津波、台風、竜巻、乾燥、異常繁殖。異常気象という表現すら当てはまらないほど、地球はすごい勢いで燃えている。本書は、その現場からの赤裸々なレポートである。
レビュー
本書は、まさに地球温暖化で滅ぼされようとしている人々の暮らしと生物の存亡をレポートしている。
アリューシャン列島の小島から、流氷がなくなって冬の荒波に島が溶けていく現実を報告し、永久凍土が溶けつつあるアラスカから家が真っ二つに割れる現実を伝えている。
湿度の高かった熱帯の森は乾燥し、ある種のカエルはすでに絶滅していた。
温暖化して海氷が溶けると、太陽からの熱を反射せずに海水温度が上がる。
するとさらに海氷が溶ける。
永久凍土が溶けると下からメタンガスが湧き出す。
それは二酸化炭素の二十倍も温暖化を進める。
この被害を前にして、今更何を論議していられるだろう。
私たちは都合のいい「認識」だけでは生きられない。
まさに不都合な現実を見なければ先に進めない。
しかし誰もが世界中を調べられるわけではないのだから、良質なレポートを見ておきたい。
本書の価値はそこにある。 --「東京新聞」、2007/3/25
著者について
Elizabeth Kolbert
「ニューヨーク・タイムズ」記者を経て、
1999年から、雑誌「ニューヨーカー」誌記者。
この本の連載記事は、「雑誌科学記事の向上に貢献した」として
科学記事普及協会から賞を与えられた。
アメリカ・マサチューセッツ州に、
夫および三人の息子たちと暮らしている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
コルバート,エリザベス
「ニューヨーク・タイムズ」記者を経て、1999年から雑誌「ニューヨーカー」誌記者。この本の連載記事は、「雑誌科学記事の向上に貢献した」として、科学記事普及協会から賞を与えられた。アメリカ・マサチューセッツ州に、夫および三人の息子たちと暮らしている
仙名/紀
上智大学新聞学科卒。朝日新聞記者を経て、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)