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国をつくるという仕事 単行本 – 2009/4/7
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【前・世界銀行副総裁が語る リーダーシップの真実】
貧困のない世界を夢見て・・・23年間の闘いから見えてきたもの
◆はじめて訪れたエジプトの貧民街。少女ナディアが自分の腕のなかで息をひきとったとき、自分の人生が決定的に変わった――。基本的な医療があれば救える病気で命を落とす子どもたち。想像を絶する貧困の一方で、富があふれる都会があり、貧しい人々の苦しみを気にもかけない政治がある・・・。衝撃と怒りで一睡もできなかった帰路、著者は貧困と闘う仕事に取り組むことを決意する。
世界銀行に入った著者は、南アジア各国、アフガニスタン、パキスタン、バングラデシュなど数多くの途上国を担当。貧困地域に自らホームステイして現場の問題を探り出し、安易に援助を行うのではなく、地元のリーダーを支援することで自律的な貧困脱却を促す。民衆を顧みない権力者には、「それでもあなたは政治家か」と怒り、一歩も引かずに闘い抜く。現場を軽視した施策は改め、ほんとうに必要な支援を追求する。
貧困や悪政と闘いつづけた 23年間。それは、この世界を変えたいと願う、あらゆる職場のリーダーたちと共に歩んだ道のりだった。農民や村長、貧民街の女性たちや売春婦、学生、社会起業家、銀行家、ジャーナリスト、政治家、中央銀行総裁、将軍や国王に至るまで――。本書は、「国づくり」の現場で出会った本物のリーダーたちの姿を情感込めて綴った回想記であり、今なお貧困や悪政の渦巻く世界を変えていくための、未来に向けたメッセージである。
◆著者・西水美恵子氏は、女性としても日本人としても初めて世界銀行地域担当副総裁となった人物です。貧困との闘いにおいて、現地の人々自身のリーダーシップを支援することで成果をあげた他、自ら貧村にホームステイを行うなど、つねに「現場」に根ざした「国づくり」を推進しました。また、各国の為政者と信頼関係を築き、時には喧嘩も挑むなど積極的に政治改革を支援。ブータン国王・雷龍王4世やパキスタンのムシャラフ元大統領はじめ、多くのリーダーのエピソードが本書に綴られています。貧困との闘いの一方で、世銀内部の組織改革にも取り組み、その手法はピーター・センゲ教授はじめ経営学界でも高く評価されています。
◆本書は2005年1月~2008年12月に月刊誌『選択』(選択出版刊)に連載された「思い出の国 忘れえぬ人々」に若干の加筆修正を行ったものです。
◆著者の意向により本書の印税はすべて「雷龍の国」ブータンのタラヤナ財団に寄付され、貧しい家庭の児童の教育費等に役立てられます。
◆田坂広志氏(社会起業家フォーラム代表、多摩大学教授)――「読み進めながら、何度も、胸が熱くなり、読み終えたとき、深い感動と、静かな余韻が訪れる著作。そうした著作に巡り会う経験が稀有になってしまった時代。この著作に巡り会えたことに、感謝をしたい」(「解説」より)
- ISBN-104862760546
- ISBN-13978-4862760548
- 出版社英治出版
- 発売日2009/4/7
- 言語日本語
- 寸法19.4 x 13.4 x 2.2 cm
- 本の長さ320ページ
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出版社より


【前・世界銀行副総裁が語る リーダーシップの真実】
貧困のない世界を夢見て・・・23年間の闘いから見えてきたもの
◆はじめて訪れたエジプトの貧民街。少女ナディアが自分の腕のなかで息をひきとったとき、自分の人生が決定的に変わった――。基本的な医療があれば救える病気で命を落とす子どもたち。想像を絶する貧困の一方で、富があふれる都会があり、貧しい人々の苦しみを気にもかけない政治がある・・・。衝撃と怒りで一睡もできなかった帰路、著者は貧困と闘う仕事に取り組むことを決意する。
世界銀行に入った著者は、南アジア各国、アフガニスタン、パキスタン、バングラデシュなど数多くの途上国を担当。貧困地域に自らホームステイして現場の問題を探り出し、安易に援助を行うのではなく、地元のリーダーを支援することで自律的な貧困脱却を促す。民衆を顧みない権力者には、「それでもあなたは政治家か」と怒り、一歩も引かずに闘い抜く。現場を軽視した施策は改め、ほんとうに必要な支援を追求する。
貧困や悪政と闘いつづけた 23年間。それは、この世界を変えたいと願う、あらゆる職場のリーダーたちと共に歩んだ道のりだった。農民や村長、貧民街の女性たちや売春婦、学生、社会起業家、銀行家、ジャーナリスト、政治家、中央銀行総裁、将軍や国王に至るまで――。本書は、「国づくり」の現場で出会った本物のリーダーたちの姿を情感込めて綴った回想記であり、今なお貧困や悪政の渦巻く世界を変えていくための、未来に向けたメッセージである。

西水美恵子 Mieko Nishimizu
大阪府豊中市に生まれ、北海道美唄市で育つ。中学3年から上京。東京都立西高校在学中、ロータリークラブ交換留学生として渡米し、そのままガルチャー大学に進学。1970年に卒業後、トーマス・J・ワトソン財団フェローとして帰国。千代田化工建設に席を借りて環境汚染問題の研究に従事した後、再度渡米。1975年、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程(経済学)修了。同年、プリンストン大学経済学部兼ウッドロー・ウィルソン・スクールの助教授に就任。1980年、世界銀行に入行。開発政策局・経済開発研究所、産業・エネルギー局、欧州・中東・北アフリカ地域 アフガニスタン・パキスタン・トルコ局、国際復興開発銀行リスク管理・金融政策局局長、南アジア地域アフガニスタン・バングラデシュ・パキスタン・スリランカ局局長などを経て、1997年に南アジア地域副総裁に就任。2003年退職。現在、米国ワシントンと英国領バージン諸島に在留。世界を舞台に執筆や講演、さまざまなアドバイザー活動を続ける。2007年よりシンクタンク・ソフィアバンクのパートナー。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
著者について
大阪府豊中市に生まれ、北海道美唄市で育つ。中学3年から上京。東京都立西高校在学中、ロータリークラブ交換留学生として渡米し、そのままガルチャー大学に進学。1970年に卒業後、トーマス・J・ワトソン財団フェローとして帰国。千代田化工建設に席を借りて環境汚染問題の研究に従事した後、再度渡米。1975年、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程(経済学)修了。同年、プリンストン大学経済学部兼ウッドロー・ウィルソン・スクールの助教授に就任。1980年、世界銀行に入行。開発政策局・経済開発研究所、産業・エネルギー局、欧州・中東・北アフリカ地域 アフガニスタン・パキスタン・トルコ局、国際復興開発銀行リスク管理・金融政策局局長、南アジア地域アフガニスタン・バングラデシュ・パキスタン・スリランカ局局長などを経て、1997年に南アジア地域副総裁に就任。2003年退職。現在、米国ワシントンと英国領バージン諸島に在留。世界を舞台に執筆や講演、さまざまなアドバイザー活動を続ける。2007年よりシンクタンク・ソフィアバンクのパートナー。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大阪府豊中市に生まれ、北海道美唄市で育つ。東京都立西高校在学中、姉妹都市高校生親善大使としてニューヨーク訪問。その後間もなくロータリークラブ交換留学生として再渡米(後年、西高は中退)。そのまま帰国せず、ガルチャー大学へ入学。経済学を学ぶ。1970年卒業後、トーマス・J・ワトソン財団フェローとして帰国。千代田化工建設の特許課に借席し、環境汚染問題の研究。1971年、再度渡米する。1975年、ジョンズ・ホプキンス大学大学院、博士課程を卒業。同年、プリンストン大学経済学部、兼ウッドロー・ウィルソン・スクールの助教授に就任。1980年世界銀行入行、開発政策局・経済開発研究所。1983年同、産業・エネルギー局産業戦略・政策課。1987年同、欧州・中東・北アフリカ地域アフガニスタン・パキスタン・トルコ局リード・エコノミスト。1988年同、欧州・中東・北アフリカ地域アフガニスタン・パキスタン・トルコ局通商・産業・金融課課長。1992年同、国際復興開発銀行リスク管理・金融政策局局長。1995年同、南アジア地域アフガニスタン・バングラデシュ・パキスタン・スリランカ局局長。1997年同、南アジア地域副総裁。2003年世界銀行退職。現在、米国首都ワシントンと英国領バージン諸島に在留。世界を舞台に、執筆や、講演、様々なアドバイザー活動を続ける。2007年より、シンクタンク・ソフィアバンクのパートナー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 英治出版 (2009/4/7)
- 発売日 : 2009/4/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4862760546
- ISBN-13 : 978-4862760548
- 寸法 : 19.4 x 13.4 x 2.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 165,568位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 88位世界の経済事情
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著者について

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頭でわかったつもりになって、ハートとつながっていないのではないか。
自分に問いかけられている思いでいっぱいになった。
ムシャラフ将軍との対話の部分が心に残った。
『彼は知っていた。
人間が人間として生きるために最低限の「安全保障」は、
心身の健康と、胸にともす希望なのだと。
貧しさとは、この保証を知らぬ権力者の搾取にあるとき、
貧民がもつ捨て身の鬱憤の恐ろしさも知り抜いていた。
暴動、犯罪、過激思想にはけ口を見つける人口が増える国。
その行く末は、国体消滅の危機なのだと。』
心身の健康と胸にともす希望というのは、
人間が人間であるために必要なことであり、
今現在の日本においても非常に重要なのだと再確認をした。
頭にもハートにも響くステキな本でした。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたい!
読み始めて4ページ目に女性経済学者の筆者が世界銀行に
入ったきっかけが語られる。
--------
週末のある日、ふと思いついて、カイロ郊外にある「死人の町」に足を運んだ。邸宅を模す大理石造りの霊廟がずらりと並ぶイスラムの墓地に、行きどころのない人々が住み着いた貧民街だった。
その町の路地で、ひとりの病む幼女に出会った。ナディアという名のその子を、看護に疲れ切った母親から抱きとったとたん、羽毛のような軽さにどきっとした。緊急手配をした医者は間に合わず、ナディアは、私に抱かれたまま、静かに息をひきとった。
ナディアの病気は、下痢からくる脱水症状だった。安全な飲み水の供給と衛生教育さえしっかりしていれば、防げる下痢・・・。糖分と塩分を溶かすだけの誰でも簡単に作れる飲料水で、応急手当ができる脱水症状・・・。
誰の神様でもいいから、ぶん殴りたかった。天を仰いで、まわりを見回した途端、ナディアを殺した化け物を見た。きらびやかな都会がそこにある。最先端をいく技術と、優秀な才能と、膨大な富が溢れる都会がある。でも私の腕には、命尽きたナディアが眠る。悪統治。民の苦しみなど気にもかけない為政者の仕業と、直感した。
脊髄に火がついたような気がした。
--------------
この時点で既に打たれた。そこから怒涛のように、南アジアの元首たちや草の根の人々とのつかみ合いの日々がつづられる。ムシャラフ・パキスタン大統領、マンモハン・シン・インド首相、クマラトンガ・スリランカ大統領、ワンチュク雷龍(ブータン)王4世・・・。
僕は蒙が開かれた。貧しき発展途上国には問題多々あれど我々日本が学ぶことは少ないと。全くの大間違いである。学ぶことだらけだ。何を?リーダーシップだ。文字通り命を賭けたリーダー達の生きる様から、われわれは何と多くのものを学べるのだろうか。
僕自身、日本の政治家には何も期待しておらず、彼らとがっぷり四つに組むことなんて考えたくもなかった。
しかしこの本を読んで変えられた。ハンガリーでは、パキスタンでは、インドでは、改革の同志達が、政治家・官僚・NGO・学者・ジャーナリストが激しく議論し、ぶつかりあいながら、長い長い闘いを行い、大きな変革や革命に身を投じている。
自ら距離を取ってどうするのだ。日本の何十倍も深刻な貧困が慢性化し、腐った政権と不条理に覆われた国々の中ですら、希望を失わず連帯をしていこうという志士が生まれ、傷つき命奪われながらも祖国の未来を想いもがいているにも関わらず、我ら日本でそれができないなんてことがあろうか。
政治家であれ、官僚であれ、学者であれ、ジャーナリストであれ、草莽の民であれ、多くの志ある人と心の底からぶつかりあって、手をにぎり合って、この社会を変えよう。
貧困なき日本に。貧困なき世界に。
世銀の副総裁であった著者の、各国(特にアジアの諸国)での随想録となっています。茨木のり子を彷彿とさせる著者の文体に、強い愛着を感じながら読みました。
珠玉ともいえる本書の中で特筆すべきは、ブータンに関するエッセイたち。僕がこの本を購入した理由もまさにここにあったわけですが、ブータンの雷龍王こそ、指導者のロールモデルだと思います。
思慮深さに裏付けられた知性と結びついた思いやりが余すところなくあらわれる行動、いつも自己省察を続ける真摯な姿、さらには民衆の盲従を避けるために自らすみやかに王位を去る潔さから、各国の指導者たちは多くを学ぶべきだと思います。雷龍王の人間性は国民に深く浸透し、ブータンで出会う国民の多くが素晴らしい人々であったと、著者は回想します。
さらに「さすが」と思ったのが、インドのブータンに対する態度。インドは人口70万人にもならないブータンを、大国に対すると同じ礼をもって遇しているそうです。これは、ネルー首相時代からのことで、現マンモハン・シン首相にも共通しています。国を遇するにおいて、その経済力や軍事力でなく、純粋な徳をその土台としているという点において、ガンジー以来の伝統を確かにインドは受け継いでいるのだと感じました。
(ちなみにインドの人々がが人物を徳を基準に評価する伝統は、ブータン以外の例にも見られます。元々インド人ではなく、かつヒンズー教徒でもないマザー・テレサを「偉大なインド人」第1位に選出したのも、他ならぬインド人でした。(ガンジーは国父なので、この投票から除外されています))
本書の印税のすべては、ブータンの王妃が運営をするNGO、タラヤナ財団に寄付されています。著者いわく、このNGOは、経費を最大限に切り詰め、可能な限り寄付金を実際の貧困削減に充てているそうです。こういうNGOに対しては、NGO本体に寄付をするのが最も妥当であるにも関わらず、プロジェクト以外にファイナンスをつけられないのが多くの援助機関の弱点であり、だからこその著者の印税寄付なのでしょう。
著者の腕の中で亡くなったその幼女との出逢いが原体験となり、大学教授を退職し世界銀行職員としてのキャリアを進んだ日本人女性のエッセイ。
彼女が主に担当してきた中東、南アジアなどでの40個弱の体験談が5〜6ページごとのエッセイ形式でつづられており、各項ごとに注釈も付いているため、貧困問題になじみのない方にも読みやすい。
貧困問題に限らず、各国の優れたリーダーシップマインドについての記述が多くみられ、彼女が貧困国を憐憫の目で見ることなく対等なパートナーとしてとらえていることが伝わる。
現場の重要さを訴え、自らも草の根活動を大切にする姿勢、部下への愛など、「リーダー」に求められる資質そのものを考えさせられる。
貧困問題という終わりの見えない壁に立ち向かう勇気を与えてくれる一冊だ。