著者が3年前に著した「賞味期限のウソ」(幻冬舎新書、2016)は食品ロス問題に関する啓発書だった。その後、国会で「食品ロスの削減の推進に関する法律」が成立し、ついこの間、2019年10月に施行されたばかり。本書は考察本というより、主要食品100種をとりあげ、それぞれについて賞味期限又は消費期限の考え方、購入時の注意点、保存法を紹介した「実用書」(1種あたり1ページ)。
生卵の「賞味」期限が冬場ならかなり長いというのは、食品ロス問題の中で知られるようになってはいたが、「ゆで卵にすると抗菌作用のある酵素リゾチームが働かなくなるので、「消費」期限に切り替わって、それも4~5日」というのは初耳だった。
また、ペットボトル水の賞味期限は、実は中身が蒸発して分量が減って計量法違反にならないようにという理由で設定されている期限という。変質するとかいう観点とはまるで違う。これを「賞味」というとは。
というわけで、「賞味期限」は、なかなか曲者のようだ(他方、「消費期限」の方には素直に従った方が無難)。
制度を理解した上で、食べても安全かどうか、自分の目や鼻で判断することも重要だと思う。昔の母親たちはそうしていたのも思い出した次第。
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