本好きにとっては、この上なく面白い。
序に加えて15章の計16章、さらにそれぞれの後に、「ベッドのなかの書物」や「災害に見舞われて」などのタイトルがついた3~4ページ程度のコラムというか読み物がついている。第1章から第15章までは、ある程度は、図書館を時代ごとに追ってるものの、テーマに関わる関係で時代を遡ったり下ったりもしながら、図書館にまつわる様々なことが書かれている。
例えば、古代の図書館としてよく知られているアレクサンドリア図書館は第2章。それを遡るということで第1章は「本のない図書館」というタイトルで、オーストラリアの口承文芸が取り上げられている。目次には「ソングライン」という文字もあるので、ブルース・チャトウィンを思い浮かべる人もいるだろうけど、ちゃんと登場する。ただし、かなり批判的というか辛辣なことも書かれているので、ファンにとっては微妙かもしれない。かくいう私もチャトウィンのファンだが、こういった批判はあるだろうな、と思えるし、それを超えるほど『ソングライン』は魅力的な書物だ。
第5章では印刷時代への突入が開いた「自由」の問題、第15章では、未来の話である。インターネット、デジタル化など図書館の未来に対する不安と期待、諦念のような感情に切り込んでいる。
登場する人物たちの本や読書に対する考え方というか気持ちも面白い。個人的には20ページ末尾のサー・ウィリアム・ブースビーや42ページのデジデリウス・エラスムスの言葉に強く共感する。ヴァレリー・ラルボーが読書を「罰せられざる悪徳」としていることを改めて思い出した。
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図書館巡礼:「限りなき知の館」への招待 単行本 – 2019/3/20
スチュアート ケルズ
(著),
小松 佳代子
(翻訳)
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図書館とはただ本を集めた場所ではない。
図書館は知の集積所であり、贅を凝らした建築物であり、
生と死、渇望と喪失といったあらゆる人間ドラマの舞台でもある。
古代エジプトのアレクサンドリア図書館から
中世以来のザンクト・ガレン修道院図書館、
そして現代のフォルジャー・シェイクスピア図書館、
ボドリアン図書館まで、古今の偉大な図書館の魅力を語り、
文献の保守・保存・獲得に心血を注いだ「愛書家」たちのエピソードを活写する。
数多い図書館を実地にめぐり、稀覯書を対象とした犯罪など
書籍売買の暗部にも通じた著者による、博覧強記の書。
図書館は知の集積所であり、贅を凝らした建築物であり、
生と死、渇望と喪失といったあらゆる人間ドラマの舞台でもある。
古代エジプトのアレクサンドリア図書館から
中世以来のザンクト・ガレン修道院図書館、
そして現代のフォルジャー・シェイクスピア図書館、
ボドリアン図書館まで、古今の偉大な図書館の魅力を語り、
文献の保守・保存・獲得に心血を注いだ「愛書家」たちのエピソードを活写する。
数多い図書館を実地にめぐり、稀覯書を対象とした犯罪など
書籍売買の暗部にも通じた著者による、博覧強記の書。
- 本の長さ338ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2019/3/20
- 寸法14 x 2.6 x 19.4 cm
- ISBN-10415209849X
- ISBN-13978-4152098498
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
図書館とはただ本を集めた場所ではない。図書館は知の集積所であり、贅を凝らした建築物であり、生と死、渇望と喪失といったあらゆる人間ドラマの舞台でもある。古代エジプトのアレクサンドリア図書館から中世以来のザンクト・ガレン修道院図書館、そして現代のフォルジャー・シェイクスピア図書館、ボドリアン図書館まで、古今の偉大な図書館の魅力を語り、文献の保守・保存・獲得に心血を注いだ「愛書家」たちのエピソードを活写する。著名な図書館のカラー写真も多数収録。
著者について
◎著者紹介
スチュアート・ケルズ(Stuart Kells)
作家/古書売買史家。ペンギンブックスとその創設者について書いた著書、
Penguin and the Lane Brothersで2015年アシャースト・ビジネス著作賞を受賞。
◎訳者略歴
小松佳代子(こまつ・かよこ)
翻訳家。早稲田大学法学部卒。都市銀行勤務を経て、
翻訳家の柴田裕之氏に師事し、ビジネス・出版翻訳に携わる。
訳書にフィールズ『もうひとつの脳』、
マンソン編『本の殺人事件簿』(共訳)がある。
スチュアート・ケルズ(Stuart Kells)
作家/古書売買史家。ペンギンブックスとその創設者について書いた著書、
Penguin and the Lane Brothersで2015年アシャースト・ビジネス著作賞を受賞。
◎訳者略歴
小松佳代子(こまつ・かよこ)
翻訳家。早稲田大学法学部卒。都市銀行勤務を経て、
翻訳家の柴田裕之氏に師事し、ビジネス・出版翻訳に携わる。
訳書にフィールズ『もうひとつの脳』、
マンソン編『本の殺人事件簿』(共訳)がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ケルズ,スチュアート
作家/古書売買史家。ペンギンブックスとその創設者について書いた著書、Penguin and the Lane Brothersで2015年アシャースト・ビジネス著作賞を受賞
小松/佳代子
翻訳家。早稲田大学法学部卒。都市銀行勤務を経て、翻訳家の柴田裕之氏に師事し、ビジネス・出版翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
作家/古書売買史家。ペンギンブックスとその創設者について書いた著書、Penguin and the Lane Brothersで2015年アシャースト・ビジネス著作賞を受賞
小松/佳代子
翻訳家。早稲田大学法学部卒。都市銀行勤務を経て、翻訳家の柴田裕之氏に師事し、ビジネス・出版翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2019/3/20)
- 発売日 : 2019/3/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 338ページ
- ISBN-10 : 415209849X
- ISBN-13 : 978-4152098498
- 寸法 : 14 x 2.6 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 504,052位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 850位図書館情報学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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