四大公害病 - 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 (中公新書) (日本語) 新書 – 2013/10/22
政野 淳子
(著)
-
本の長さ254ページ
-
言語日本語
-
出版社中央公論新社
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発売日2013/10/22
-
ISBN-104121022378
-
ISBN-13978-4121022370
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
四大公害病とは、水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害を指す。工場廃液などが痙攣、激痛、発作といった重い障害を多くの人にもたらした。当初、企業は工場との関係を否定。だが医師・研究者らが原因を究明し、1960年代末以降、患者が各地で提訴。70年代半ばまでに次々と勝利した。本書は高度成長の「影」である公害病の全貌を明らかにすると同時に、21世紀の今なお続く“認定”をめぐる国と被害者との訴訟・齟齬も追う。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
政野/淳子
1962(昭和37)年福岡県生まれ。東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻博士課程修了。博士(工学)。衆議院政策担当秘書などを経て、ジャーナリスト。環境問題、公共事業を中心テーマに執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1962(昭和37)年福岡県生まれ。東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻博士課程修了。博士(工学)。衆議院政策担当秘書などを経て、ジャーナリスト。環境問題、公共事業を中心テーマに執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年6月11日に日本でレビュー済み
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世間を騒がせた事件となった一つ一つの公害病気ではあるものの、恥ずかしながら当時小中学生だった小生には明確なことが認識されずに来てしまいました。半世紀以上の時間を経てあらためて不幸な事実を掘り起こし再認識している次第です。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2013年11月18日に日本でレビュー済み
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今まで公害について、特に水俣病については多くの書籍が出版されています。その中で新書という手軽でわかりやすい形式の書籍は限られている上、事件の発覚時を中心としたものが多いようです。しかし、本書は2013年刊行ということですので、原因究明はもちろんのこと、国や地方自治体、企業の責任を完全にとはいかなくともはっきりと確定された上で、非常に整理されているのが特徴です。
四大公害とは言っても、現実には水俣病を取り扱った本が多く、それ以外はやや専門的あるいは高価な書籍が中心でした。おそらくは、水俣病自体が公害事件のシンボル的な存在であり、ある意味もっとも揉めた事件でもあったからでしょう。そのような意味においても、水俣病以外の3つについてもよくまとめられており、本書は非常に参考となります。しかし、思ったこととして、半世紀以上前に起こった公害問題が未だに解決していないということです。解決を待たずに逝去された方も多くいる現状を思えば、政治に配慮した基準ではなく、現実の被害者の方々に寄り添ったものになることが望ましいのでしょう。何しろ、これほどの被害は世界初のことですので、基準自体が過去を参照にできない以上は、現実の患者を参考にするしかないのですから。
さて、公害問題では医学的・科学的視点、あるいは実際の被害者を取材し寄り添ったようなものがよくある形ではないでしょうか。本書はそのような部位についても記載はありますが、私が注目したのは政府や省庁、地方自治体がどう動いたのか、といった政治的な部分です。対応の甘さはよくいわれることですが、その詳細については話の中心とならないせいか、あまり詳しく解説されないことも多いので非常に参考になりました。また、刊行の新しさから、裁判の結果についても、判決文のまとめといった形で司法の判断が分かることもよいことだと思います。
仮にもし、全ての訴訟が終結したとしても、公害問題は解決したことにはなりません。今でも被害を受けた方々は生きているのですから、それは訴訟問題の解決であって公害問題の解決ではないからです。さらに言えば、被害者の方々の2世、3世にどれだけの影響が出るのか、それすら未知数です。ですから、公害問題は忘れてはならない問題なのです。常にこのような書籍が出版され、一般に周知されることは素晴らしいことだと思えます。問題を忘れないためにも、過去を整理し考えるためにも、本書をお勧めします。
四大公害とは言っても、現実には水俣病を取り扱った本が多く、それ以外はやや専門的あるいは高価な書籍が中心でした。おそらくは、水俣病自体が公害事件のシンボル的な存在であり、ある意味もっとも揉めた事件でもあったからでしょう。そのような意味においても、水俣病以外の3つについてもよくまとめられており、本書は非常に参考となります。しかし、思ったこととして、半世紀以上前に起こった公害問題が未だに解決していないということです。解決を待たずに逝去された方も多くいる現状を思えば、政治に配慮した基準ではなく、現実の被害者の方々に寄り添ったものになることが望ましいのでしょう。何しろ、これほどの被害は世界初のことですので、基準自体が過去を参照にできない以上は、現実の患者を参考にするしかないのですから。
さて、公害問題では医学的・科学的視点、あるいは実際の被害者を取材し寄り添ったようなものがよくある形ではないでしょうか。本書はそのような部位についても記載はありますが、私が注目したのは政府や省庁、地方自治体がどう動いたのか、といった政治的な部分です。対応の甘さはよくいわれることですが、その詳細については話の中心とならないせいか、あまり詳しく解説されないことも多いので非常に参考になりました。また、刊行の新しさから、裁判の結果についても、判決文のまとめといった形で司法の判断が分かることもよいことだと思います。
仮にもし、全ての訴訟が終結したとしても、公害問題は解決したことにはなりません。今でも被害を受けた方々は生きているのですから、それは訴訟問題の解決であって公害問題の解決ではないからです。さらに言えば、被害者の方々の2世、3世にどれだけの影響が出るのか、それすら未知数です。ですから、公害問題は忘れてはならない問題なのです。常にこのような書籍が出版され、一般に周知されることは素晴らしいことだと思えます。問題を忘れないためにも、過去を整理し考えるためにも、本書をお勧めします。
2013年12月16日に日本でレビュー済み
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不都合なこと、事実の裏側のことなどを含めて、しっかりとしたジャーナリズムに基づいた記述がなされています。最近では、社会学的といった学問的なフリをした、うわべだけの事実と都合のよいフレーズを紬わせて美談をつくってゴマかしている研究書籍がたくさんありますが、この本は決して美談にせずに、不整合な事実を不整合なありさまを浮き彫りにする形で取りまとめられています。一般的な教科書でしか知らなかった一連のプロセスが記されている点が素晴らしいです。
2013年12月17日に日本でレビュー済み
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高度成長期の日本は深刻な環境汚染とそれに伴う公害病を経験した。典型的被害が「四大公害病」である。小学校5年の社会科で習う事柄だが、これは決して「過去に解決した問題」ではない。公害病認定をめぐる訴訟は続いており、今なお現在進行形の悲劇なのである。
本書は、まず水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害について各1章を割り当て、発症と原因究明、訴訟の経緯などを時系列で追う。地図や略年表もあり丁寧な仕事である。
そこから浮かび上がるのは、次の冷酷な事実である。原因企業はいずれも公害と病気との因果関係を否定し問題をひたすら先送りした。患者らは苦痛にあえぎながら訴訟という手段に訴えるしかなく、司法の場で企業の法的責任を明らかにすることによってその誤りを認めさせた。それには長い年月を要した。
1972年に国は四大公害病について「政府を含め関係者の対策が手ぬるかったことで多くの犠牲者を出した」と認めている。だが、その反省は生かされているのか。著者は否とみる。
いくつかの例が示されている。
例えば、大気汚染PM2.5について国が環境基準を定めたのはようやく2009年(中国よりわずか2年前にすぎない)になってからであり、東京大気汚染裁判の和解(2007年)を受けてようやくなされたものだった。また、福島第1原発事故で国会事故調は「大量の放射能放出が考えられる場合の住民の安全保護について東電は先延ばしし国はそれを容認した」と断じたが、現状いかなる捜査機関も何の摘発もしていない。
企業と国の先延ばしの構図は今も全く変わっていない。それを知るためにも、多くの人に読んでほしい労作である。
本書は、まず水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害について各1章を割り当て、発症と原因究明、訴訟の経緯などを時系列で追う。地図や略年表もあり丁寧な仕事である。
そこから浮かび上がるのは、次の冷酷な事実である。原因企業はいずれも公害と病気との因果関係を否定し問題をひたすら先送りした。患者らは苦痛にあえぎながら訴訟という手段に訴えるしかなく、司法の場で企業の法的責任を明らかにすることによってその誤りを認めさせた。それには長い年月を要した。
1972年に国は四大公害病について「政府を含め関係者の対策が手ぬるかったことで多くの犠牲者を出した」と認めている。だが、その反省は生かされているのか。著者は否とみる。
いくつかの例が示されている。
例えば、大気汚染PM2.5について国が環境基準を定めたのはようやく2009年(中国よりわずか2年前にすぎない)になってからであり、東京大気汚染裁判の和解(2007年)を受けてようやくなされたものだった。また、福島第1原発事故で国会事故調は「大量の放射能放出が考えられる場合の住民の安全保護について東電は先延ばしし国はそれを容認した」と断じたが、現状いかなる捜査機関も何の摘発もしていない。
企業と国の先延ばしの構図は今も全く変わっていない。それを知るためにも、多くの人に読んでほしい労作である。
2014年1月18日に日本でレビュー済み
「公害には汚染源と原因そして結果がある。過去に起きた事実とそこから得られる教訓を
残したい」との著者の意図が十分に生かされた著作である。コンパクトに纏められている
が、4本のドキュメンタリー映画と分析レポート及び提言書をまとめて見たり読んだりす
るような圧倒的な情報量である。汚染源側、被害者側、行政側、司法側、マスコミ、各種
圧力団体、汚染源同業会社などの動きが5W1Hを明確に記して、年表、被害エリア図と共
に、詳細にレポートされている。また、巻末参考文献の膨大なリストに記載された資料と
共に直接関係者に取材を試みる事で迫力のある記述となっている。
環境問題に興味がある人無い人の区別なく現代に生きる社会人として一読すべき著作で
ある。
水俣病を例に挙げればそもそもなぜ水俣病の汚染源であるメチル水銀化合物が排出され
たのか?即ち、堆肥に代わる化学肥料を製造することを目的として、カーバイドからアセ
トアルデヒドを製造する過程でメチル水銀化合物が排出されたと著者は説明する。
○製造過程詳細
1.石灰石→900度で焼成→酸化カルシウムができる。
2.酸化カルシウムにコークスを加える→2000度で焼成→カーバイドができる。
3.カーバイドに水を加える→アセチレンができる。
4.アセチレンに触媒として無機水銀を加える→アセトアルデヒドができる。
以上
残したい」との著者の意図が十分に生かされた著作である。コンパクトに纏められている
が、4本のドキュメンタリー映画と分析レポート及び提言書をまとめて見たり読んだりす
るような圧倒的な情報量である。汚染源側、被害者側、行政側、司法側、マスコミ、各種
圧力団体、汚染源同業会社などの動きが5W1Hを明確に記して、年表、被害エリア図と共
に、詳細にレポートされている。また、巻末参考文献の膨大なリストに記載された資料と
共に直接関係者に取材を試みる事で迫力のある記述となっている。
環境問題に興味がある人無い人の区別なく現代に生きる社会人として一読すべき著作で
ある。
水俣病を例に挙げればそもそもなぜ水俣病の汚染源であるメチル水銀化合物が排出され
たのか?即ち、堆肥に代わる化学肥料を製造することを目的として、カーバイドからアセ
トアルデヒドを製造する過程でメチル水銀化合物が排出されたと著者は説明する。
○製造過程詳細
1.石灰石→900度で焼成→酸化カルシウムができる。
2.酸化カルシウムにコークスを加える→2000度で焼成→カーバイドができる。
3.カーバイドに水を加える→アセチレンができる。
4.アセチレンに触媒として無機水銀を加える→アセトアルデヒドができる。
以上