北海道開拓史の書籍は多くある。
道路建設に関してその作業や内容の悲惨さを
描いた作品はあるが、作業自体にスポットを
当てた作品は少ない。小説なので飛躍している部分も
あったりはするが当時の道路建設の様子を
想像する上でも勉強になった。
小説としても、もちろん面白い。
囚人道路 (日本語) 単行本 – 1993/7/1
安部 譲二
(著)
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本の長さ237ページ
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日1993/7/1
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ISBN-104062065428
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ISBN-13978-4062065429
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
明治24年、1000人の囚人が網走―旭川に巨大道路を建設した。政府の目的は何か?歴史の空白「囚人道路」の謎に挑む、力作長編小説。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/7/1)
- 発売日 : 1993/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 237ページ
- ISBN-10 : 4062065428
- ISBN-13 : 978-4062065429
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 503,817位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 97,401位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2007年2月8日に日本でレビュー済み
明治期北海道、中央道路開削に囚人が使役された事は広く膾炙される通りである。
今も北見市(旧端野町)緋牛内には”鎖塚”が残され、その苛烈な労働の跡を偲ぶことできる。
この「囚人道路」は、中央道路開削を題材とした小説である。
秩父事件に加担し、政治犯として使役される主人公と、
怜悧な宰相としての伊藤博文の姿を対比させつつ物語は進行して行く。
当時使役された囚人の中には政治的被弾圧者が多く含まれており、この点は史実を意識した設定と言える。
が、中央道路開削の意味、伊藤博文が胸中に抱く真意や、その後の囚人の行方などについては、安部氏独自の解釈となっている。
作中に十分な論拠が説明されるわけではなく、このあたりは単純に首肯できるわけではない。
こう言った点に加え、アイヌ女性との恋愛や脱走劇が作品の一つの骨子になっている。
愛の告白シーンなど劇的な描写がなされるが、アイヌ女性が裸体を見せるシーンにはかなりの違和感を感じる(文化的禁忌である)。
囚人労働を題材としてはいるが、記録文学ではなく飽くまで創作小説である。
文体、展開とも素朴な作品と感じられる。
今も北見市(旧端野町)緋牛内には”鎖塚”が残され、その苛烈な労働の跡を偲ぶことできる。
この「囚人道路」は、中央道路開削を題材とした小説である。
秩父事件に加担し、政治犯として使役される主人公と、
怜悧な宰相としての伊藤博文の姿を対比させつつ物語は進行して行く。
当時使役された囚人の中には政治的被弾圧者が多く含まれており、この点は史実を意識した設定と言える。
が、中央道路開削の意味、伊藤博文が胸中に抱く真意や、その後の囚人の行方などについては、安部氏独自の解釈となっている。
作中に十分な論拠が説明されるわけではなく、このあたりは単純に首肯できるわけではない。
こう言った点に加え、アイヌ女性との恋愛や脱走劇が作品の一つの骨子になっている。
愛の告白シーンなど劇的な描写がなされるが、アイヌ女性が裸体を見せるシーンにはかなりの違和感を感じる(文化的禁忌である)。
囚人労働を題材としてはいるが、記録文学ではなく飽くまで創作小説である。
文体、展開とも素朴な作品と感じられる。
2007年12月13日に日本でレビュー済み
囚人道路。北海道東に旅行すると必ずこの悲しい歴史のひとこまを思い出します。安部譲二さんは、この歴史にうもれた痛ましい史実を強く、又、劇的に描写し、主人公の秋川鉄之介、看守長猿渡秀介、アイヌ人のヤツメノリ、酋長のニスレックル、その娘トウルシノ、盟友山田真吾、赤沼兵衛。伊藤博文などの人物を巧みに使い、冒険談、史実談、恋愛談として、ひとたび読めば一気に最後まで読者を引きつけ魅了し離さない小説にしています。
史実のみを淡々と描いた吉村昭氏の「赤い人」も同様の月形監獄の物語で非常にひきつけられる物でしたが、こちらの囚人道路もエンタテイメント性ももったすぐれた小説です。安部譲二さんへの賛辞をお送りしたい。
100年経た今、もう一度人権と言うものを見直す為にも是非ご一読ならん事をお奨め致します。
史実のみを淡々と描いた吉村昭氏の「赤い人」も同様の月形監獄の物語で非常にひきつけられる物でしたが、こちらの囚人道路もエンタテイメント性ももったすぐれた小説です。安部譲二さんへの賛辞をお送りしたい。
100年経た今、もう一度人権と言うものを見直す為にも是非ご一読ならん事をお奨め致します。