京極先生は最も好きな作家さんで、一番本を買い漁り読みふけっていたと思います。
「魍魎の匣」から始まり、「姑獲鳥の夏」、「狂骨の夢」、「鉄鼠の檻」… などの京極堂シリーズから、「巷説百物語」シリーズも一通り読み、サクッと読める「死ねばいいのに」や毛色の違う「どすこい」などのパロディー物も読ませていただいています。
妖怪大好きな京極先生ゆえ、どのような形で妖怪・怪談話が進み、終わりを迎えるのか、喜怒哀楽表情に乏しい伊右衛門がどこで、なぜ嗤うのか、そんな事を考えながらページを捲っていくと、巷説百物語シリーズの御行の又一が登場!などなど、色々と想像力が掻き立てられますね。
誤読感を一言で述べるならば、「非常に切ない気分」にさせられた、です。
涙もろい方ではあるのですが、最後は涙腺ゆるみっぱなしです(笑)
そして、中身についても少しだけ触れると、
必ずしも「正しい事(行い)が必ずしも間違っていない」という訳ではない、という事。
若干わき道に逸れますが、刑事物のドラマ、特に「相棒」で時折見られる、
「今更真実を明るみにした所で、誰も得をしない。どころが、不幸になる人が増えるだけだ。」そういうシーンが頭に思い浮かびました。
歴代相棒がいくら止めようとも、それでも右京さんは天才的な頭脳で真実を解明しちゃうんですよね。結果、多くの人が不幸になる。
さて、いずれ哀しき終わり方ではありますが、それをハッピーエンドととるかバッドエンドととるか
岩の事を考えるとどうなんだろう? 私にはまだまだ理解力・想像力が足りない様子です。
ということで、☆☆☆☆☆
作家さんって、凄いなーと改めて感じた次第です。
嗤う伊右衛門 (中公文庫) (日本語) 文庫 – 2004/6/1
京極 夏彦
(著)
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本の長さ381ページ
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言語日本語
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出版社中央公論新社
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発売日2004/6/1
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ISBN-10412204376X
-
ISBN-13978-4122043763
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
幽晦との境界が、破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。ならばそこから夜が染みて来る…。生まれてこのかた笑ったこともない生真面目な浪人、伊右衛門。疱瘡を病み顔崩れても凛として正しさを失わない女、岩―「四谷怪談」は今、極限の愛の物語へと昇華する!第二十五回泉鏡花文学賞受賞作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
京極/夏彦
1963年、北海道小樽市生まれ。94年『姑獲鳥の夏』で作家デビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1963年、北海道小樽市生まれ。94年『姑獲鳥の夏』で作家デビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2004/6/1)
- 発売日 : 2004/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 381ページ
- ISBN-10 : 412204376X
- ISBN-13 : 978-4122043763
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 348,566位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2,092位中公文庫
- - 2,462位直木賞受賞(126-150回)作家の本
- - 5,137位歴史・時代小説 (本)
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カスタマーレビュー
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京極夏彦の小説、実は読むのはコレが初めてでした。
むか~し、テレビの2時間ドラマか何か(映画だったのかな?)で観た記憶があるのですが(京極夏彦本人もチョイ役で出演してたやつですw)
その程度・・・の認識です。
京極作品、第一回目は・・・さて何にしようか?
って事で、何人かの京極ファンに聞いてみたところ「最初なら嗤う伊右衛門がいい!」との事。
で、読んでみました。
「”上質な恋愛小説”って・・・所詮は四谷怪談、旦那に騙されて顔にアザつくったお岩さんが怒り狂った話でしょ?ww」とか思いながら。
・・・
・・・・・・
何コレ・・・
細かいストーリーや展開に関しては、まだ未読の方の為に細かくは書かないでおきます。
正直、
私の記憶している四谷怪談とは全くの別物なので、「これを四谷怪談と位置付けて良いものか?」という疑問もありました。
あと、
「なぜ伊右衛門は、出逢ってそれ程時間が経っていない岩に対しそこまでの感情を抱けるんだ?逆に岩は、伊右衛門みたいな不愛想な男のどこに惚れちゃったんだ?この二人、一体どの辺に”ビビッ”と来ちゃったんだ?」
な~んて疑問もありました。
まぁ、こんな考えに至ってしまう私は「現代っ子」なのでしょう・・・いや、子じゃないけど(汗)
しかし、そんな陳腐な考えすら凌駕してしまう「圧倒的な情景描写」が、京極夏彦にはありました。
あまり深く書いてしまうと、まだ未読の方に色々教えてしまいそうですし・・・
何より、熱狂的ファンの方々に「お前!全然わかってね~だろ!この作品の意図はそ~じゃね~んだよっ!!」と総ツッコミ入れられそうなので書きませんが・・・(汗)
見た事も無い(当たり前ですがw)岩と伊右衛門の顔すら、読んでいくうちに浮かんできてしまう・・・これは一体?
「悲しいハッピーエンド」
と言ってよいのでしょうか。
言語のボキャブラリーが貧困なもので適切な表現が出来ないのですが、ラストシーンを電車内等の人前で読まなくて本当に良かった(泣)
確かに、京極夏彦をまだ読んだ事のない人に薦められる作品なのは間違いないですね。
私にこの作品を薦めてくださった方々に、本当に感謝しています。
文句なし☆5です。
次、何読もうかな・・・
むか~し、テレビの2時間ドラマか何か(映画だったのかな?)で観た記憶があるのですが(京極夏彦本人もチョイ役で出演してたやつですw)
その程度・・・の認識です。
京極作品、第一回目は・・・さて何にしようか?
って事で、何人かの京極ファンに聞いてみたところ「最初なら嗤う伊右衛門がいい!」との事。
で、読んでみました。
「”上質な恋愛小説”って・・・所詮は四谷怪談、旦那に騙されて顔にアザつくったお岩さんが怒り狂った話でしょ?ww」とか思いながら。
・・・
・・・・・・
何コレ・・・
細かいストーリーや展開に関しては、まだ未読の方の為に細かくは書かないでおきます。
正直、
私の記憶している四谷怪談とは全くの別物なので、「これを四谷怪談と位置付けて良いものか?」という疑問もありました。
あと、
「なぜ伊右衛門は、出逢ってそれ程時間が経っていない岩に対しそこまでの感情を抱けるんだ?逆に岩は、伊右衛門みたいな不愛想な男のどこに惚れちゃったんだ?この二人、一体どの辺に”ビビッ”と来ちゃったんだ?」
な~んて疑問もありました。
まぁ、こんな考えに至ってしまう私は「現代っ子」なのでしょう・・・いや、子じゃないけど(汗)
しかし、そんな陳腐な考えすら凌駕してしまう「圧倒的な情景描写」が、京極夏彦にはありました。
あまり深く書いてしまうと、まだ未読の方に色々教えてしまいそうですし・・・
何より、熱狂的ファンの方々に「お前!全然わかってね~だろ!この作品の意図はそ~じゃね~んだよっ!!」と総ツッコミ入れられそうなので書きませんが・・・(汗)
見た事も無い(当たり前ですがw)岩と伊右衛門の顔すら、読んでいくうちに浮かんできてしまう・・・これは一体?
「悲しいハッピーエンド」
と言ってよいのでしょうか。
言語のボキャブラリーが貧困なもので適切な表現が出来ないのですが、ラストシーンを電車内等の人前で読まなくて本当に良かった(泣)
確かに、京極夏彦をまだ読んだ事のない人に薦められる作品なのは間違いないですね。
私にこの作品を薦めてくださった方々に、本当に感謝しています。
文句なし☆5です。
次、何読もうかな・・・
2013年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非常に難解な作品です。京極夏彦氏の作品は大好きでほとんど読んでますが、この作品ほど読み直した作品はない。でも読む度にズルズルと深淵に引き摺り込まれます。私のなかでは鬱小説ランキング断トツ一位です...気分が落ちているときは読んじゃダメ。でも好きなんですよね。特にお岩様が。まっすぐに生きすぎてて不器用なとことか。離別されて貧しくても提灯を作って生き生き自活してるとことか。しかし、敢えてお岩様に話さなくていいことを話して怒涛のような悲劇が。又市さんが「奴の舌先三寸で生死に決まっちまうこともあるんです」と別の作品で言ってたけど、言葉って本当に怖いと思いました。何気なく発した言葉で人は壊れる。迷う。死ぬ。もちろん、その逆もあるんだろうけれど...。気持ちがすれ違うのに大したきっかけなんて要らないんでしょう。いろんな意味で恐い物語なのです。余談ですが、葛飾北斎の表紙でジャケット買いしちゃいました!中公文庫さん、センスいい〜。
2004年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
遅ればせながら読みました。
まず驚いたのがお岩の考え方だ。
お家大事の時代において、さばけたというか、前衛的というか。
そして、伊右衛門の人柄。
これまた、かの時代には珍しいマイホーム亭主というか、真面目を絵に描いたような、おもしろくないオトコ。
この2人を軸に、周囲の人間が織り成していく愛憎劇…。
後半から、あれよあれよという間に結末になだれ込んでいくために、
一気に最後まで読んでしまった。
傍観者には悲劇的な結末だが、
伊右衛門にとっては愛を昇華させた、
本当の意味でのお岩への愛のかたちなのかも知れない。
こんな愛のかたちもあるのかと考えさせられてしまった。
自分はこんなふうに人を愛することがあったのだろうか?
余談だが、
又市さんの素顔が垣間見れるエピソードもあり。
巷説百物語とは一味違う又市に会える!
まず驚いたのがお岩の考え方だ。
お家大事の時代において、さばけたというか、前衛的というか。
そして、伊右衛門の人柄。
これまた、かの時代には珍しいマイホーム亭主というか、真面目を絵に描いたような、おもしろくないオトコ。
この2人を軸に、周囲の人間が織り成していく愛憎劇…。
後半から、あれよあれよという間に結末になだれ込んでいくために、
一気に最後まで読んでしまった。
傍観者には悲劇的な結末だが、
伊右衛門にとっては愛を昇華させた、
本当の意味でのお岩への愛のかたちなのかも知れない。
こんな愛のかたちもあるのかと考えさせられてしまった。
自分はこんなふうに人を愛することがあったのだろうか?
余談だが、
又市さんの素顔が垣間見れるエピソードもあり。
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