様々な悩みごとに対して、哲学の先生が回答をする本書。
質問内容に自分ならどう回答するか考えながら読むととても面白かったです。
例えば、いままで夢中になっていたことが楽しめなくなったという質問について、
自分なら「単に自分の志向が変わった、(ある意味)成長しただけだから気にしなくていいんじゃない?」
と単純に回答するだろうなー、と思います。
先生はそういった回答をしつつも、質問者がいままで楽しめていたことの一つとして、
ドラックやセックスというものを挙げている点を同時に指摘します。
そういうものを挙げてきている点に質問者の自己顕示欲の発動と自己嫌悪の無限ループを読み取り、
そこからの脱出を提案していく、この観点の鋭さが読んでいて大変勉強になりました。
「運がいい人」ってなにか?
→自分の周囲からの情報収集を相対的に多く受け取り、情報処理を滞りなくできる状態を維持できる人。
「自分に嘘をつく」ってなにか?
→周囲からの情報で違和感を感じること(情動)を感情で騙して本音と違うことをすること。
なんかそんな風に考えると納得感もあり、より良く生きるにはどうすればいいかヒントになると思いました。
哲学の先生と人生の話をしよう (朝日文庫) (日本語) 文庫 – 2020/4/7
國分功一郎
(著)
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本の長さ272ページ
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言語日本語
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出版社朝日新聞出版
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発売日2020/4/7
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寸法14.8 x 10.5 x 1.1 cm
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ISBN-104022620080
-
ISBN-13978-4022620088
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商品の説明
出版社からのコメント
ささやかな悩みから、深刻で重大な問題まで、
「哲学は人生論である」が持論の気鋭の哲学者・國分功一郎氏(東京大学教養学部准教授)が34の相談に全身全霊で答えます。
質問のいくつかは、たとえばこのようなものです。
・自分に嘘をつくってどういうこと?
・母と母の夫になじめない
・先が見えず不安。自信を持つには?
・哲学の勉強をするには?
・抑え難い復讐心があるのだが……
「書かれていることだけを読んでいてはダメである。
人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である。
人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない」
(本書あとがきより)
國分先生の本気度200%の回答をぜひご堪能ください!
【第一部】 愛、欲望、そして心の穴
——失業の救済は知らないが個人の救済は勉強だ!
【第二部】 プライドと蔑みと結婚と
——ダダダダッ、ダッダダ
【第三部】 仕事も情熱も相談も
——反革命の思想こそがやさしさを……
【あとがき】 哲学は人生論でなければならない
《解説・千葉雅也》
「哲学は人生論である」が持論の気鋭の哲学者・國分功一郎氏(東京大学教養学部准教授)が34の相談に全身全霊で答えます。
質問のいくつかは、たとえばこのようなものです。
・自分に嘘をつくってどういうこと?
・母と母の夫になじめない
・先が見えず不安。自信を持つには?
・哲学の勉強をするには?
・抑え難い復讐心があるのだが……
「書かれていることだけを読んでいてはダメである。
人生相談においてはとりわけ、言われていないことこそが重要である。
人は本当に大切なことを言わないのであり、それを探り当てなければならない」
(本書あとがきより)
國分先生の本気度200%の回答をぜひご堪能ください!
【第一部】 愛、欲望、そして心の穴
——失業の救済は知らないが個人の救済は勉強だ!
【第二部】 プライドと蔑みと結婚と
——ダダダダッ、ダッダダ
【第三部】 仕事も情熱も相談も
——反革命の思想こそがやさしさを……
【あとがき】 哲学は人生論でなければならない
《解説・千葉雅也》
内容(「BOOK」データベースより)
自分に嘘をつくってどういうこと?悪人のレッテルを貼られて困っている。先が見えず不安、自信を持つにはどうしたらいいの?ささやかな悩みから深刻かつ重大な問題まで「哲学は人生論である」が持論の気鋭の哲学者が、34の相談に全身全霊で答える。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
國分/功一郎
1974年千葉県生まれ。哲学者、東京大学総合文化研究科・教養学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は哲学・現代思想。著書に、『スピノザの方法』、『暇と退屈の倫理学』(第2回紀伊國屋じんぶん大賞)、『中動態の世界』(第16回小林秀雄賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1974年千葉県生まれ。哲学者、東京大学総合文化研究科・教養学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は哲学・現代思想。著書に、『スピノザの方法』、『暇と退屈の倫理学』(第2回紀伊國屋じんぶん大賞)、『中動態の世界』(第16回小林秀雄賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
哲学などと聞くと堅苦しく思われるが、著者は学術的な文献だけでなく、AV監督の著書や
知る人は知るレトロゲーム「バンゲリングベイ」なども引き合いに出して非常に軽い語り口で
相談内容に切り込んでいく。内容もなかなかのもので、相談者をあえて煽りにいくなんてこともしばしば(?)
だがそれも著者の真剣さゆえであり、回答の随所には自分のことを考え直させるような、
むしろ聞いているこっちの心にグサグサくるようなところも多かった。
それぞれの相談と回答も短いので読みやすく、哲学やらナントカ学やらと聞いただけで
敬遠してしまいそうな人にこそ読んでもらいたい本です。
知る人は知るレトロゲーム「バンゲリングベイ」なども引き合いに出して非常に軽い語り口で
相談内容に切り込んでいく。内容もなかなかのもので、相談者をあえて煽りにいくなんてこともしばしば(?)
だがそれも著者の真剣さゆえであり、回答の随所には自分のことを考え直させるような、
むしろ聞いているこっちの心にグサグサくるようなところも多かった。
それぞれの相談と回答も短いので読みやすく、哲学やらナントカ学やらと聞いただけで
敬遠してしまいそうな人にこそ読んでもらいたい本です。
2020年4月29日に日本でレビュー済み
人生相談と聞けば何を想い浮かべるでしょうか?
著名人が自身の考えを一方的に押し付ける、独断の世界でしょうか?
当たり障りのない教科書的な回答が羅列されている、タテマエの見本市でしょうか?
私はこの本に出会って、自分の人生を俯瞰することが出来るようになりました。
自分に嘘をつくことがなくなりました。
自分の抱えていた人生の問題に向き合うことが出来るようになりました。
それは、相談相手である國分さんの、読解力のすごさに起因しているように思われます。
相談者の送り付けてくる文面だけから、可能な限りの可能性を読み取る力。
ここに、この本のすごさがあります。
人生相談の答えに正しさがあるのかどうかは分かりませんが、相談者の質問の多くは私が相談したかった事柄の多くに当てはまりました。
そして、その回答は、私のボヤっとした欲求不満の核心を教えてくれました。
哲学とは何か?この古来より問い続けられてきた問いに、一つの回答を示してくれている様にも受け取れました。
哲学とは、ボヤっとした疑問や不満に、可能な限り大きく明るい光を照射して陰影を浮かび上がらせ、その姿を浮かび上がらせることでないだろうかと。
國分さんの回答が質問者を納得させたかどうかは分かりません。
でも、質問者と同じ相談を誰かにできなかった私は、自分のボヤっとした相談事に向き合えました。
薄い本ですが、万巻の書に匹敵する重厚さを内に秘めています。
著名人が自身の考えを一方的に押し付ける、独断の世界でしょうか?
当たり障りのない教科書的な回答が羅列されている、タテマエの見本市でしょうか?
私はこの本に出会って、自分の人生を俯瞰することが出来るようになりました。
自分に嘘をつくことがなくなりました。
自分の抱えていた人生の問題に向き合うことが出来るようになりました。
それは、相談相手である國分さんの、読解力のすごさに起因しているように思われます。
相談者の送り付けてくる文面だけから、可能な限りの可能性を読み取る力。
ここに、この本のすごさがあります。
人生相談の答えに正しさがあるのかどうかは分かりませんが、相談者の質問の多くは私が相談したかった事柄の多くに当てはまりました。
そして、その回答は、私のボヤっとした欲求不満の核心を教えてくれました。
哲学とは何か?この古来より問い続けられてきた問いに、一つの回答を示してくれている様にも受け取れました。
哲学とは、ボヤっとした疑問や不満に、可能な限り大きく明るい光を照射して陰影を浮かび上がらせ、その姿を浮かび上がらせることでないだろうかと。
國分さんの回答が質問者を納得させたかどうかは分かりません。
でも、質問者と同じ相談を誰かにできなかった私は、自分のボヤっとした相談事に向き合えました。
薄い本ですが、万巻の書に匹敵する重厚さを内に秘めています。
2016年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『暇と退屈の倫理学』の著者による人生相談本です。哲学の先生と...という題名ですが、気軽に読めます。
「相談相手の文面を、まるで哲学者が書き残した文章のように一つのテクストとして読解」し、限られた相談(情報)から、最大限汲み取り、考え抜いて回答する姿勢はまさに哲学者。はらぺこあおむしというペンネームからそこまで引き出すのか、と感服しました。
回答の中で、哲学書を中心に参考図書を挙げています。また、哲学を通して人生の難問に立ち向かうための重要な認識を得た著者による人生相談ということで、本書は哲学の実践的な、実用的な使い方だなと思いました。親との関係の自由さのこと、一人で考え込むとろくな事にならない、という2点は何度か出てきていて、それが心に残りました。
「相談相手の文面を、まるで哲学者が書き残した文章のように一つのテクストとして読解」し、限られた相談(情報)から、最大限汲み取り、考え抜いて回答する姿勢はまさに哲学者。はらぺこあおむしというペンネームからそこまで引き出すのか、と感服しました。
回答の中で、哲学書を中心に参考図書を挙げています。また、哲学を通して人生の難問に立ち向かうための重要な認識を得た著者による人生相談ということで、本書は哲学の実践的な、実用的な使い方だなと思いました。親との関係の自由さのこと、一人で考え込むとろくな事にならない、という2点は何度か出てきていて、それが心に残りました。