書かれている内容そのものは初学者向けですが、若干文章が読みづらいです。
固有名詞がバンバン出てくる割に、それについての詳しい説明が書かれてないことも多く、ある程度前提知識がないとスラスラと読み進めるのは難しいのではないかと思います。
また、あまり知的好奇心が刺激されるような文章構成にはなっておらず、教科書的な情報の羅列に近い部分も多く見られました。
例えば・・・
「六信は神・天使・啓典・預言者・来世・定命を信じることです。神はYHWHアッラーフです。天使とはムハンマドに神の預言を託したジブリール(ガブリエル)。啓典とは神の預言を記したクルアーンです。預言者とはムハンマドのこと。そして来世とは、天国と地獄の存在を信じること。6番目の定命は、カルヴァンの予定説と類似しています。人が救われるか滅びるかは、あらかじめ神が決めているという考え方です。定命を信じるとは、そのような神の決定を信じて生きることを指します。(P227)」
まるで、つまらない教授の講義をダラダラ聴かされているようです。この文章に至るまでの文脈を考慮しても、読みにくいことに変わりはありません。
私だったら以下のように書きます。
『六信とは「神」「天使」「啓典」「預言者」「来世」「定命」の六つを信じるということです。この六つについて詳しく説明しましょう。「神」はYHWHアッラーフ、「天使」はムハンマドに神の預言を託したジブリール(ガブリエル)、「啓典」は神の預言を記したクルアーン、「預言者」はムハンマド、「来世」は天国と地獄の存在、「定命」は人が救われるか滅びるかは、あらかじめ神が決めているという考え方です(これはカルヴァンの予定説と類似しています)。』
いかがでしょう?随分理解しやすい文章になったと思うのですが。著者と読み手の相性もあるのでしょうが、文と文を論理的に繋ぐ接続詞が少ないため、「一定量読んだ後、自分の頭の中で論理を組み立てて理解する」という読み方を強いられる感じがあります。
他の方のレビューにも書かれていますが、こういった読みづらさもあるため、どんな読者をターゲットにしているか少し疑問です。
とはいえ、哲学と宗教の歴史について網羅的に書かれているという点では価値がありますから、星3としました。
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