とにかく、面白い。
理屈をごねて、ああでもないこうでもない、と声高に言うバカが湧き出すのも、この手の映画だ。
物語が警察で始まっている。一番現実世界であるはずの警察が出てくる。
この警官が、苦労して事件解決にあたり、めでたしめでたしに向かうかと思ったが、大違い。
この警官が、主人公ではあるが狂言回しでもある。
各所に、この世のものとは思えぬ、残虐極まりない場面がある。それも実によく作られている。現実感がある。
祈祷師の祈祷場面などは、実写化と思えるほどの迫力があり、見応えがある。
だからこその絵空事の作り話ではないと、思えてくる。 悪魔も実在するのではと、思い込まされる感がある。
現実に、バチカン法王庁は「国際エクソシスト協会」をカトリック団体として公認している。更にカトリック系精神病学会の情報として、イタリアで8年前には、約50万人の国民がエクソシストの助けを求めたとの報道がある。
韓国はキリスト教大国である。国民の30%が信徒。私たちが、この映画を見る姿勢と、韓国民がこの映画を見る姿勢は違う。彼らにとって、悪魔は実在する。
日本にも「狐憑き」という憑依現象がある。祈祷師がキツネに憑依された人を、祈祷する段階で死に至らしめてしまう悲劇は、今も時々起こっている。
私は成人前の年位に、お寺さんにお札を貰いに行った。通りかかった寺の本堂で、五六人がかたまって、なにやらやっていた。その内お坊さんが本尊にお経をあげ始めた。 真ん中で座っていたのは、婆さんだった。
その婆さんが、ごそごそ動き始めたと思ったら、いきなりピョーーンと1メートルも飛び上がった。座ったままである。二回三回と飛び上がった。 私はすぐに理解した。これは「狐憑き」のお払いだって。
周りの人は、経本でお婆さんの背中を、しきりにポンポンと叩いていた。
お坊さんの読経の声が、本堂にひときわ大きく響く。ガンガンと唸るように響いていた。周りの人は、夢中になって、お婆さんの背中を、経本で叩く。ポンポンポンポンポンポン・・・・・
この映画で言っていたが、祈祷師の悪魔祓いは命がけである。百万二百万で出来る仕事ではない。
キリスト教と仏教、ゾンビと悪魔が、ごちゃ混ぜな映画。 しかも韓国映画だ、面白くないわけがない。
見出したら、止められない。カルビーかっぱえびせんにも勝る凄さ。出色の出来である。