※ネタバレ注意
弥太郎に魅力を感じたことがない一読者としては、悪い意味でそうきたかという感想です。
弥太郎は作中でやたらと「いいやつ」と持ち上げられており違和感を抱いていたのですが、絃に優しいのは絃が好きだからで、下心ありきの話。それ以外のところでいくと意図的に絃の告白を邪魔したり、千遥に「何でお前が同い年になんか」と言ったり、わりとクズな言動が目立っているような気がします。特に千遥ヘの言葉は、お前なんか目覚めなければ良かったということ。今そこにいる千遥の存在を全否定する言葉です。個人的には「死ね」と同じカテゴリの言葉に思える。弥太郎自身その考えが一度心に浮かんでしまい、自己嫌悪したのに何で言ってしまうかな？本当に優しい人はそんなこと言わないでしょう。弥太郎の本質は絃をいじめていた頃から変わっておらず、幼稚で自分勝手なままに見えます。
千遥がジンクスに気づいて避けたことは絃にとっては傷つくことだろうし、そこがうやむやにされないことは意味のある展開かもしれません。けれどこれで絃が冷めて弥太郎と結ばれるなら、千遥が絃への気持ちに悩んで結論を出したことも無駄になりそうですね。
絃にしても、千遥への不信感から「本当に自分のことを好きなのか？」と疑問をぶつけることは自然だと思いますが、「同情であって恋ではない」と決めつける権利はないと思います。絃自身がこういうことを他人に言われたら怒るんだろうな…と少し冷めた気持ちになりました。千遥の言い分もきちんと聞かないとフェアじゃないと思うんだけどな…。何で知らないふりしたのかとか。また弥太郎には避けるなと言っておいて、自分は平気で千遥を避ける。ダブルスタンダードでは。
これで弥太郎と結ばれるならお金を落としたくないので次巻以降は様子見です。
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