セックスを職業に選んだ女たちが語る、初体験、生い立ち、仕事、恋、これから。女の子が苦手なAVライターが体当たりインタビューで引き出す、カメラの向こうでハダカであえぐ、企画AV女優20人の本音。
ホームレス、レイプ、近親相姦、虐待、引きこもり、リストカット…。出演しているアダルトビデオよりもさらに過激な生い立ちを語る彼女たちもいる。元公務員、セックスレスの人妻、現役看護婦、面倒くさいことが嫌いなコギャル…。楽にお金がもらえるから、セックスが好きだからハダカになった女の子もいる。みんな街でスカウトされ、熱心に口説かれるうちにその気になってしまう。今まで誰にも認められなかったのに、キレイだと褒められてうれしかったから、全裸になるとはいえ、ライトを浴びて大勢に注目されながら演じることができるから、そして、レンズの向こうに、自分を熱心に見つめてくれるであろう男たちの視線を感じることができるからなど、この業界に入ったきっかけはさまざまだ。名前さえ紹介されず、1本10万円のギャラでAVビデオに出演する彼女たちが、常時1000人は業界にいるという。
セックスを売るという仕事を彼女たちはなぜ選んだのか。男性の視点から始まったこの企画でインタビューアーがそこに見たのは、性別や職業にかかわりなくあふれている「今が楽しければ、いい」「夢なんて、ない」「普通って、何?」という時代の気分だった。AV女優としての仕事に早い終わりがきたあと、彼女たちはどう生きていくのだろうか。同じ時代を生きるひとりとして、考えずにはいられなくなる。(篠田なぎさ)
何故、彼女らはセックスを商品にするというツライ仕事を選択したのだろう?という疑問から始まった取材であったけれど、「ただセックスするだけのことが、なんでツライんですかぁ?」と開き直られることが、たびたびでありました。普通の女のコが普通の仕事という認識で、自分のセックスを売ってしまう……、それが今の東京の現実である。そんな彼女らの口から、『男、金、人生、日本、夢、希望、生、死……』と、様々な意味深な言葉が飛びだしてきました。普通が何であるのかわからない現代、彼女らはセックスを売りながら、誰一人として明確な答えを出せない希望や絶望を抱えて、一生懸命に生きているのです。アダルトビデオという異端な世界に身を投じて冒険しているAV女優の彼女らが、すでに崩壊している前時代的な普通にとらわれて鬱屈している人たちよりも、まだ健康的であることは言うまでもありませんでしたね。
内容(「BOOK」データベースより)
晩像よりもさらに魅惑的な女優たちの生と性。
内容(「MARC」データベースより)
最も過激なアダルトビデオ、企画AV。ホームレス、レイプ、近親相姦、虐待、多重人格…。映像よりさらに衝撃的な女優20人の生と性に迫る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中村/淳彦
1972年、東京都目黒区生まれ。専修大学経済学部卒業。大学在学中に編集プロダクションにもぐり込み、AV専門誌やギャル雑誌の編集を経て、フリーライターになる。現在、週刊誌からサブカル雑誌まで、数多くの媒体で執筆活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)