これは最高傑作ではない。それは現時点では「騒 Gaya」だ。
このアルバムは様々な聴き方ができる。現在までの彼らの歩みの記録であり、2000年前後の京都インディーロックシーンの格好のショーケースとしても聴けるだろう。
私にとってこのアルバムの性格を決定付けているのは、ライナーに掲載しているリーダーのNABE氏の散文だ。時間・時代が止まったかのような現代でこんなに豊かな時間を盛り込んだ文章を書けるのは、それ自体驚きであり、バンドの豊かさも示している。
しかも騒音寺はそこに安住しない。だからこのアルバムはこんなに素晴らしいにもかかわらず、最高傑作ではない。