著者のことはテレビでたくさん見ていて、ある時期は著者の番組を楽しみに
している自分がいたが、段々と思慮の足りない、浅薄さが目に付くようになり、
いつしか著者が画面に映っていると、チャンネルを変えるようになった。
その理由が自分が年を取って「おもしろい」の感性が鈍ったからだろうか、
テレビの規制が多くなりすぎてバラエティ自体がつまらなくなったのだろうか、
と色々と考えていたが、この本を読んでなんとなく分かった気がする。
要は著者が「変わらないまま過ぎる」のだ。
自分のことを言うのは恐縮だが、ここ10年、まがりなりにも社会に出て様々な
経験をすることによって、知識・スキル・教養を身に付けてきたつもりだ。
そんな「変わった自分」と「変わらない著者」に違和感を感じるのだ。
子どもっぽい理屈を言い続け、自分こそが正しいと言い続ける著者。
誰かが意見をしてみれば「俺はそう思わない」と一蹴するだけで議論にならない著者。
この本の中でも「他人の目は気にしない」といった流行の言葉を
並べてはいるが、どれも借りてきた言葉で記憶に残らない。
言葉は悪いが「底の浅い」話ばかりで、とても残念だった。
その点、西野亮廣はすごいと思う。
常に学ぶ姿勢を見せ、自身が経験したことを発信し続けている
時代の寵児となった西野氏と著者の違い、両者の本を読めばよくわかる。
色々と意見はあるかもしれないが、私は自分をバージョンアップすることを
怠っている著者にはシンパシーを感じることはない。
最後にタイトルの『即動力』はさすがに恥ずかしい。
このタイトルに著者の軽薄さの全てを物語っているように感じる。
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