
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス) 新書 – 2013/9/5
購入を強化する
ベストセラー『進化しすぎた脳』の著者が、母校で行った連続講義。私たちがふだん抱く「心」のイメージが、最新の研究によって次々と覆されていく──。「一番思い入れがあって、一番好きな本」と著者自らが語る知的興奮に満ちた一冊。
- 本の長さ480ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2013/9/5
- 寸法11.3 x 2 x 17.4 cm
- ISBN-104062578301
- ISBN-13978-4062578301
この商品を買った人はこんな商品も買っています
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1970年、静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。現在、東京大学大学院薬学系研究科准教授。脳研究者。海馬の研究を通じ、脳の健康や老化について探求をつづける。日本薬理学会学術奨励賞、日本神経科学学会奨励賞、日本薬学会奨励賞、文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
著者について

─ 池谷裕二(いけがやゆうじ) 東京大学・薬学部・教授 ──
こんにちは、池谷です。私は脳の健康や発達、老化を探求する基礎研究者ですが、脳に関する一般向けの本も書いています。
初めて拙著を読まれる方は、まずは高校生への講義シリーズ『進化しすぎた脳』と『単純な脳、複雑な「私」』(ともに講談社ブルーバックス)の2冊を手に取ってみてください。私の「脳観」が、まずは伝わると思います(3冊目の続編も準備中です)。個人的には『脳はこんなに悩ましい』(新潮社)、『脳はみんな病んでいる』(新潮社)、『ココロの盲点 完全版』(講談社ブルーバックス)もお気に入りの本です。その他には『脳には妙なクセがある』、『記憶力を強くする』、『海馬』などもございます。
脳は知れば知るほど奥が深く、さらなる探究心がくすぐられます。研究現場は毎日がわくわくの連続です。この高揚感を自分だけにとどめておくのはもったいない ── 脳研究の最前線のトピックを、できるだけ噛み砕いて語ることで、「知の興奮」を皆様と共有したいと願っています。
ただ私は、自身が科学者であることを第一として、執筆で研究生活が影響されないように気を配っています。研究が大好きだからです。ですから、私の本のスタイルは、(1)講義録、(2)インタビューや連載記事のまとめ、(3)対談録、の3つが主体となっています。
脳研究の世界では、毎日ように、興味深い新知見が湧き出しています。この湧き水は尽きることがないようです。それを精一杯に汲んで、新鮮なうちに紹介してゆきますので、科学に興味ある方もない方も、ぜひお付き合いいただけましたら幸いです。
カスタマーレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
結局、著者が本書で主張したかった脳の特徴は、以下のように集約できると思う。
1) 人の行動や思考のほとんどは、無意識によって支配されている
・何かを「好き」だとか、何かを「ひらめいた」と感じたとき、後から考えたことをその理由だと思い込んでいるだけ。
・人が「正しい」とか「間違っている」と判断する理由は、単にそのことに「慣れている」とか「好き」という事実にすぎない場合が多い。
・デジャヴュ(既視感)(例えば、ある場所を「見覚えがある」とか「過去に来たことがある」と感じる)は、実際にはそれ(その場所)が自分の好みに合っているという理由だけでそう感じている場合が多い。
・錯覚により事実を誤認識している場合でも、無意識は事実を正確に把握して、正しい行動を促すことがある。
・人は、自分の意志で行動したと思っているが、実際には、脳は、(例えば、手が)「動いた」と感じてから、「動け」という指令を手に送っている。
2) 人の行動を決定している無意識は、ゆらぎに従って機能している。
・脳のゆらぎを観察していれば、過去の記憶を思い出したり、重要な事に気づいたりできるか否かは、事前に判別できる。
3) 心とは、遺伝子などで決定される単純なルールを何度も繰り返すことによって起こる「創発」(複雑系)の一種として説明できる。すなわち、各シナプスの動作は単純だが、複雑な脳の構造が、高度なアウトプットを実現している。
かなり衝撃を受けた記憶があった(内容は覚えていない)ため
あらためて、今の自分がどう感じるかに興味を持って
本書を手に取った。
すぐさま、当時の興奮が蘇ってきた。
ああ、そうか。分からないことを
仮説と検証をもって埋めていくことの楽しさは
いくつ歳を重ねても変わらないと実感した。
コミカルな授業風景だけど、著者は学者であって
我々は、著者のように脳の立場になって考えることや
脳を卑近な例に見立てて実感するイメージを持たない。
そもそも、我々は大事だと思えていないことや
気づけていないことには、雑にならざるえない生き物である。
だからこそ新鮮なのだけど
結局、本書でも単純な脳にさえ、答えを出せていない。
脳から生み出された心や
心から生み出される愛や、自由といった形がない概念に対して
脳の構造と、現時点で観測できた、ほんの一部の実験結果とをこじつけて
これが、○○っていうんだ。面白いでしょ?
と切り取っただけにも見える。
本書の冒頭で、科学で証明できることは、相関関係だけであって
因果の証明はできないと語られている。
今を生きる我々は現時点で不思議なことが
否定されるまで、確からしい何かとを
意味付けて、生きていくしかないのだろう。
高校生を相手に対話形式で解説をするというスタイルです。
その狙いは成功していると思います・
最新の脳科学の進展が実にわかりやすく詳しく書かれています。
論の展開は高校生たちとの対話ですが、スリリングな展開です。
ニューロン、シナプス、スパイクの働きをこんなにわかりやすく詳細に書かれた本は初めてです。
脳のバイアスについて書かれています。
脳はなんと思い込みが強く、間違いを多く犯すモノなのか数々の実験で説明されていて、驚きの連続です。
心や識とは何かについても、脳科学の成果を踏まえて説明しています。
古今東西の哲学者、宗教家、思想家、心理学者達は、意識とは何か、心とは何か、自分とは何か、存在とは何か、についての膨大な思索・考察を重ねてきました。
それが最新の脳科学研究の成果で、かなりの部分が解明されています。
脳科学研究が進めば進むほど、脳の未知分野が多くなっています。
脳神経細胞は1000億個あり、それぞれが1万個のシナプスをもって複雑多岐に絡み合って電気を発生させて人間の活動につなげています。
脳研究が進んだとは言え、全容の解明は気の遠くなるような時間が必要でしょう。
ニュートンの次の言葉を思い出しました。
「私は、海辺で遊んでいる少年のようである。ときおり、普通のものよりもなめらかな小石やかわいい貝殻を見つけて夢中になっている。真理の大海は、すべてが未発見のまま、目の前に広がっているというのに。」
巻末に108の参考資料の一欄があります。
すべて英語の書籍と学術論文です。
脳科学研究の最先端はアメリカであることがよくわかります。