「臨床宗教師」。日本における宗教者のあり方のアップデートを目指しているそれは、各方面の関心を呼んでおり、メディアでもよく取り上げられている。それは、どのようなものか。東北大学を拠点として臨床宗教師の養成を行う著者が、自らの立場性をときに明確に示しながらも、なるべく客観的に、とてもわかりやすく解説している本である。
臨床宗教師とは何かを説明するために、その系譜的な先達となる、チャプレンやビハーラ僧などについて簡潔に述べ、臨床宗教師の主な実践であるスピリチュアルケアについて丁寧に論じる。また、スピリチュアルケアからさらに一歩踏み込んだ、宗教的資源を活用したケアについて、慎重に考える。そして最後に、臨床宗教師たちの今後の活躍の場や、活動する上での倫理綱要(規約)などについても、コンパクトにまとめている。
一読して、なるほど確かに現代日本の状況によく呼応した新しい宗教者のあり方だな、と得心できる。一方で、各方面に気を遣いすぎて宗教者としての活動にいろいろと制約が出てくるのでは、との疑念も生じてくる。とはいえ、初学者がそうした疑念を抱けるのも、本書の解説が非常にクリアだからである。
関心のある向きに、広く読まれるべき入門書であると思う。
医療者と宗教者のためのスピリチュアルケア―臨床宗教師の視点から (日本語) 単行本 – 2016/3/1
谷山 洋三
(著)
購入を強化する
-
本の長さ179ページ
-
言語日本語
-
出版社中外医学社
-
発売日2016/3/1
-
ISBN-10449805718X
-
ISBN-13978-4498057180
よく一緒に購入されている商品
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、Get your Kindle here Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、Get your Kindle here Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
絶望の淵に立ち尽くす人が、こころの元気と自らの生きる力を取り戻すのに必要な「わたしを支えてくれる何か」を、その人に寄り添い、共に探す―それが「スピリチュアルケア」です。からだのケアのプロフェッショナルである医療者の方々にこそ知っていただきたい、「こころのケアの処方箋」がここにあります。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
谷山/洋三
1972年金沢市生まれ。1994年東北大学文学部卒業。1996年東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了。2000年東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。長岡西病院ビハーラ病棟ビハーラ僧。2003年四天王寺国際仏教大学専任講師。2008年四天王寺大学准教授。2009年聖トマス大学准教授・日本グリーフケア研究所主任研究員。2010年上智大学特任准教授・グリーフケア研究所主任研究員。2012年東北大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1972年金沢市生まれ。1994年東北大学文学部卒業。1996年東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了。2000年東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。長岡西病院ビハーラ病棟ビハーラ僧。2003年四天王寺国際仏教大学専任講師。2008年四天王寺大学准教授。2009年聖トマス大学准教授・日本グリーフケア研究所主任研究員。2010年上智大学特任准教授・グリーフケア研究所主任研究員。2012年東北大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 中外医学社 (2016/3/1)
- 発売日 : 2016/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 179ページ
- ISBN-10 : 449805718X
- ISBN-13 : 978-4498057180
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 357,552位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
6 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の実直でまっすぐな姿勢が反映させれており、しかも等身大の自分自身をさらけ出し、安心を与えるスタンスで書かれて居る為、非常にクリアな視界で書かれており、読み手にもすんなりとスピリチュアルケアの全体像が入ってくる。
スピリチュアルケアの現場も踏まえ、かつ宗教者としての率直でニュートラルな視点のため、読み手も素直に読み続けられる。
そしてこの本の秀逸なところは、すべての判断は読者に委ねられているところだろうか。ここら辺はさすがスピリチュアルケアのツボを抑えた内容と編集となっている。
読み終えてとても参考になったし、実に気持ちのいい本であった。
スピリチュアルケアの現場も踏まえ、かつ宗教者としての率直でニュートラルな視点のため、読み手も素直に読み続けられる。
そしてこの本の秀逸なところは、すべての判断は読者に委ねられているところだろうか。ここら辺はさすがスピリチュアルケアのツボを抑えた内容と編集となっている。
読み終えてとても参考になったし、実に気持ちのいい本であった。