頭部(歯科・口腔外科)領域インプラントや矯正に必要な歯列の立体位置関係の把握には、奥行き情報も必要となる。そこでステレオアナグリフでの3D表示が有用である。アナグリフを印象的にするには、急スピードで画面に向かってくる動作や、上下左右移動の大きい動作が向く。フライスルーのシーン設定時に場面変化に緩急をつけるとよい。
胸部(循環器・呼吸器)領域肺癌の腫瘍部位にROIを設定し、胸部CTボリュームレンダリング像に重畳(フュージョン)表示した。[裁断]ツールにより気管支と肺癌の位置が鮮明に観察できる。これを動静脈相とフュージョンすれば肺切除術の切除範囲の決定に有用である。
腹部(消化器・泌尿器)領域腸間膜が異常回転し、生じた絞扼性イレウス症例。皮膚から拡張腸管、血管を順に重畳(フュージョン)しながら描出した。イレウスの原因となっている腸間膜のねじれ部位がよくわかる。皮膚から原因病巣までレンダリング表示することで、緊急手術時に開腹する皮膚切開の位置をあらかじめ予想できた。
腹部(消化器・泌尿器)領域16-bit CLUTにより大腸を透明青色、骨を白色、血管を赤色、肝臓を黄色に設定。皮膚も透明の青色で描出した。このように16-bit CLUTを設定するには、空気との境界(皮膚や気管、消化管ガスなど)の透過度を低めに調整し、シェーディング機能でエッジを強調するとよい。
血管領域Invert method(白黒逆転)を用いて仮想動脈内視鏡を作成。造影CTの2Dビューアで[プラグイン]メニューの[イメージフィルタ]-[Invert Data]を選択すれば、CT値が白黒逆転し、仮想内視鏡作成が容易になる。
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著者について
杉本真樹(すぎもと まき)
神戸大学大学院医学研究科内科学講座/生命医学イノベーション創出人材養成センター特命講師、帝京大学医療情報システム研究センター客員教授、有限会社ニュートン・グラフィックス特別顧問。
1996年帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部付属病院、国立病院東京医療センター、帝京大学医学部付属市原病院(現帝京大学ちば総合医療センター)、米国カリフォルニア州退役軍人局パロアルト病院を経て現職。
群馬大学大学院医学系研究科機能形態学非常勤講師、関西学院大学非常勤講師を兼任。臨床外科医であると同時に、医学教育、医療画像解析、手術ナビゲーション、次世代低侵襲手術(NOTES 、SPS)、ロボット手術などの研究開発にも従事。
2008年米Apple社Science/Medical部門Webサイトをデザイン。2008年OsiriX公認トレーナー認定。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
杉本/真樹
神戸大学大学院医学研究科内科学講座/生命医学イノベーション創出人材養成センター特命講師。帝京大学医療情報システム研究センター客員教授。有限会社ニュートン・グラフィックス特別顧問。1996年帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部付属病院、国立病院東京医療センター、帝京大学医学部付属市原病院(現帝京大学ちば総合医療センター)、米国カリフォルニア州退役軍人局パロアルト病院を経て現職。群馬大学大学院医学系研究科機能形態学非常勤講師、関西学院大学非常勤講師を兼任。臨床外科医であると同時に、医学教育、医療画像解析、手術ナビゲーション、次世代低侵襲手術(NOTES、SPS)、ロボット手術などの研究開発にも従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)