押井守氏の対談本である。
本書を通して氏が訴えたいことはつまり
「局所的な勝利に一喜一憂するな。状況次第の勝敗に目
を奪われずに己の哲学を確立し、それに基づいて事に臨めば、
大敗することは徐々に少なくなっていく。それが勝利への確実な接近法である。」
ということであろう。
氏の他の著作を読めば自然と察せられることであるが、
氏は常々「勝つ」ことよりも「負けない」状況を作り上げることを志向せよと説いておられる。
この哲学は自身の作品制作過程における葛藤や失敗から導き出された経験則なのだろう。
本書はサッカーを引き合いにしておおよそ上記のようなことを語ったものである。
サッカー談義を楽しみたいという方が本書を手に取った場合、
「精神論、戦略論より技術論や選手論語ってくんない?」
と思われるかもしれないが、まあそんな人はいないか。
だって押井守の本なんだから、氏の性癖である大局的理屈やら
超局所的極論の弾幕が読者側に浴びせられるという
「いつものこと」に批判の声を上げるのはこれ、
知らない方に罪があるのである。
サッカーの本なのに体育会系の人は手に取ってはいけないのである。
話題の間口が広いようでいて結局押井好きしか楽しめないのも、
ねじくれていていかにも押井守的だなあ、と感心せざるを得ない。
好きな人だけすごく楽しめますよ!
(レビューになってねえ・・・)
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勝つために戦え!〈監督篇〉 単行本(ソフトカバー) – 2010/2/26
価格 | 新品 | 中古品 |
Kindle版 (電子書籍)
"もう一度試してください。" | — | — |
単行本(ソフトカバー)
"もう一度試してください。" | ¥1,650 | ¥500 |
単行本(ソフトカバー), 2010/2/26 | ¥161 | — | ¥65 |
コミックリュウ連載の企画を単行本化。著者と関わりの深い様々な映画監督たちの作品や生き方について語る。毒舌交じりに綴られる映画論&人物論は、ファンならずとも刺激的な一冊。
- 本の長さ366ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2010/2/26
- ISBN-104198629161
- ISBN-13978-4198629168
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
映画監督にとって「勝利」とは何なのか?アニメ界一の論客である押井守が、さまざまなタイプの監督たちの勝利条件をピタリと言い当て、ズンバラリと斬る。
著者について
押井守
●おしい・まもる
1951年8月8日生まれ。タツノコプロでアニメのキャリアをスタート。スタジオぴえろ時代に手がけた『うる星やつら』が評判となる。劇場版第2作『ビューティフル・ドリーマー』は人気を博したが、初のオリジナル作品『天使のたまご』以降作品が途絶えている時期もあった。『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』など劇場アニメや『アヴァロン』『真・女立喰師列伝』などの実写映画を精力的に監督し続けているほか、小説作品も多い。『イノセンス』では日本SF大賞を受賞。
●おしい・まもる
1951年8月8日生まれ。タツノコプロでアニメのキャリアをスタート。スタジオぴえろ時代に手がけた『うる星やつら』が評判となる。劇場版第2作『ビューティフル・ドリーマー』は人気を博したが、初のオリジナル作品『天使のたまご』以降作品が途絶えている時期もあった。『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』など劇場アニメや『アヴァロン』『真・女立喰師列伝』などの実写映画を精力的に監督し続けているほか、小説作品も多い。『イノセンス』では日本SF大賞を受賞。
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登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2010/2/26)
- 発売日 : 2010/2/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 366ページ
- ISBN-10 : 4198629161
- ISBN-13 : 978-4198629168
- Amazon 売れ筋ランキング: - 727,131位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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2013年5月3日に日本でレビュー済み
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13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2003年〜2006年の押井さんの勝敗論(世間の評価に惑わされることなく、自分で何を求めるか深く考えて生きる目的を設定し、それに対して勝負すること)に関するインタビューを単行本化したもの。
あとがきで押井さんを師と仰ぐインタビューアーの野田氏が「押井監督のお得意の極論とか毒とかも混じっていますので、あまりストレートに受け取らない方がいいかとは思いますが」と指摘してますが、私には以下の押井さんの言葉が胸に染みました。
高校生時代は反共の活動家であり、映画、ヨーロッパ史、戦争史、サッカー(監督論)に造詣が深い押井さんの言葉には極論が見受けられる反面あやふやな見解にしない分、深みがあり、勝負にはテーマ(課題)設定が重要であると説くなど、第一線のビジネスマンにも含蓄のある言葉の数々に巡り合えます。
また、映画「スカイクロラ」に繋がる布石(自分の息子がニートだとか)も垣間見ることができ、押井さんのアニメ映画が好きな(または興味がある)方にもビジネスマンにもお薦めできます。
以下、本文より抜粋
1.「自分にとっての”戦いに勝つ”ということの本質、それを理解することが一番大事なんだよ。じゃないとその場限りの勝った負けたで一喜一憂して、世間的な価値の尺度に振り回されて、消耗するだけです、永遠に。それは自分にとっての本当の勝利、本当の成功からは遠くなるだけです。逆にそういう、”勝敗論”が自分の中に確立されていれば、世間様や自分の奥さんが何と言おうと、自分自身の勝負は出来ます。」
2.「石川(私が4度映画館に通ったイノセンス等の優れたアニメを製作するプロダクションI.Gの代表取締役)はアニメは大して好きじゃないし、会社経営も好きじゃないし、会社をでかくすることもさほど興味がない。単にアニメを作る現場の人間が好きだったんだよ。あいつらにいい仕事をさせてやりたいと。そのために必要だからスタジオを作った。権利も取った。制作会社にもなった。必要であれば配給もやるし、海外と手を組んでもイイと。そこから発想が全部出てきているのがはっきりしている。」
あとがきで押井さんを師と仰ぐインタビューアーの野田氏が「押井監督のお得意の極論とか毒とかも混じっていますので、あまりストレートに受け取らない方がいいかとは思いますが」と指摘してますが、私には以下の押井さんの言葉が胸に染みました。
高校生時代は反共の活動家であり、映画、ヨーロッパ史、戦争史、サッカー(監督論)に造詣が深い押井さんの言葉には極論が見受けられる反面あやふやな見解にしない分、深みがあり、勝負にはテーマ(課題)設定が重要であると説くなど、第一線のビジネスマンにも含蓄のある言葉の数々に巡り合えます。
また、映画「スカイクロラ」に繋がる布石(自分の息子がニートだとか)も垣間見ることができ、押井さんのアニメ映画が好きな(または興味がある)方にもビジネスマンにもお薦めできます。
以下、本文より抜粋
1.「自分にとっての”戦いに勝つ”ということの本質、それを理解することが一番大事なんだよ。じゃないとその場限りの勝った負けたで一喜一憂して、世間的な価値の尺度に振り回されて、消耗するだけです、永遠に。それは自分にとっての本当の勝利、本当の成功からは遠くなるだけです。逆にそういう、”勝敗論”が自分の中に確立されていれば、世間様や自分の奥さんが何と言おうと、自分自身の勝負は出来ます。」
2.「石川(私が4度映画館に通ったイノセンス等の優れたアニメを製作するプロダクションI.Gの代表取締役)はアニメは大して好きじゃないし、会社経営も好きじゃないし、会社をでかくすることもさほど興味がない。単にアニメを作る現場の人間が好きだったんだよ。あいつらにいい仕事をさせてやりたいと。そのために必要だからスタジオを作った。権利も取った。制作会社にもなった。必要であれば配給もやるし、海外と手を組んでもイイと。そこから発想が全部出てきているのがはっきりしている。」
2010年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味深かったのは既に時代劇映画の系譜はほとんど絶滅してしまっているという事実。
本書でも取り上げられている三池監督の十三人の刺客が好評そうなので興味深い。
本文で押井さんが今後はどんな原作のオファーが来ても撮る自信があると述べておられているので
次作が非常に気になる。
あと、スカイクロラが非常に肩透かしだったので、この本で少しは溜飲が下がった気がする。
押井好きで攻殻好きだったけど、スカイクロラで疑問符が出た人はこの本読んだ方が良いと思う。
んで、早速取り上げられてた、ギレルモ・デル・トロ監督のパンズラビリンス借りてみた。
非常に『イノセンス』に似た印象を受けた。
次はゴダール映画に挑戦だ。
本書でも取り上げられている三池監督の十三人の刺客が好評そうなので興味深い。
本文で押井さんが今後はどんな原作のオファーが来ても撮る自信があると述べておられているので
次作が非常に気になる。
あと、スカイクロラが非常に肩透かしだったので、この本で少しは溜飲が下がった気がする。
押井好きで攻殻好きだったけど、スカイクロラで疑問符が出た人はこの本読んだ方が良いと思う。
んで、早速取り上げられてた、ギレルモ・デル・トロ監督のパンズラビリンス借りてみた。
非常に『イノセンス』に似た印象を受けた。
次はゴダール映画に挑戦だ。
2010年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は映画監督である著者が他の映画監督と作品を勝敗論と言う著者の人生論を軸に評価しています。
著者は各監督について方法論に至るまで分析しており非常に読み応えがある本です。
何故?を繰り返してきた人間の思考力とは凄いものだと思いました。
しかし、著者はかなりのリベラリストであり、また変化を好む性質です。
その様な考え方に共感しない人には余り面白くないかも知れません。
以下は書評から外れます。
私は著者の作品は殆ど観た事が無かったのですが、本屋でたまたま見つけて購入し、著者自身の戦う姿勢と戦い方に興味が湧きました。
この本の他に併せて「凡人として生きるということ」「他力本願」を読んでみました。
著者は束縛や押し付けを非常に嫌い。人間の傲慢さや利己的な部分についても非常に敏感な様に見えます。
若い時から社会を意識し、それと戦い、挫折感を味わう事を繰り返してきたとの事です。
著者の人間とはこうあるべきだという思いと現実のギャップに苦しんだとも言えるのかも知れません。
著者は社会と関わって生きていく事にも非常に注力してきています。
それは著者の人間尊重の考え方もあるのでしょうし、学生運動家達のその後を見た事かも知れません。著者が師匠と呼ぶような他者との人間関係に光を見出したからかも知れません。
作品と言う結果を出す事と同等か、それ以上に気持ち良く働く事が出来る環境作りを重視してきたのだろうと思います。
恐らく著者の望む人間関係とは自立した人間がお互いに尊重し合い、一つの目的(理想)を共有出来る集団であり、それは現時点でかなりの内容で達成できているのではないでしょうか?
自分が必要とする人に必要とされる事が一番の幸せなのかもと感じました。
社会とは戦って勝てるというものではなく、考えの共有出来る人と近づき、考えが異なる人とは距離を開けるという距離間の設定しかないのでしょう。
著者は著作の中で一般の読者以外にも周囲や業界に対して自身がどの様な人間かも含めた様々なメッセージを発しています。
こういう事は何かを発表する意味の非常に重要な側面だと思います。
著者の勝敗論とは闘いが連続する人生についてのものであり、勝利条件にも強く拘っています。
個人的には絶対負けない戦い方は勝利条件を何でもありの緩いものにしてしまうか、殉教者精神のような極端に狭いものにしてしまうかだと思うのですが、現実には非常に問題があります。
著者が勝利条件を死ぬまで映画監督を続ける事としている意味を考えると、とても現実的でバランスがとれたものだと思いました。
他にも量と質のどちらを採るか?神輿になるメリットとデメリット、自分の身の丈に合った事を望むなど色々な事を語っています。
ここまで自分の理想を追求し実現できた著者は凄いものだと思いますし、自分だけの人生を歩みたいと思っている人にとって一つの答えであると思います。
しかし、著者が相応のスキルと実績を作ってから自分の城(居場所)を作り上げるまで10〜15年ほどかかっている様に見えます。
やはり人生とは長期戦なのだなと思いました。
著者は各監督について方法論に至るまで分析しており非常に読み応えがある本です。
何故?を繰り返してきた人間の思考力とは凄いものだと思いました。
しかし、著者はかなりのリベラリストであり、また変化を好む性質です。
その様な考え方に共感しない人には余り面白くないかも知れません。
以下は書評から外れます。
私は著者の作品は殆ど観た事が無かったのですが、本屋でたまたま見つけて購入し、著者自身の戦う姿勢と戦い方に興味が湧きました。
この本の他に併せて「凡人として生きるということ」「他力本願」を読んでみました。
著者は束縛や押し付けを非常に嫌い。人間の傲慢さや利己的な部分についても非常に敏感な様に見えます。
若い時から社会を意識し、それと戦い、挫折感を味わう事を繰り返してきたとの事です。
著者の人間とはこうあるべきだという思いと現実のギャップに苦しんだとも言えるのかも知れません。
著者は社会と関わって生きていく事にも非常に注力してきています。
それは著者の人間尊重の考え方もあるのでしょうし、学生運動家達のその後を見た事かも知れません。著者が師匠と呼ぶような他者との人間関係に光を見出したからかも知れません。
作品と言う結果を出す事と同等か、それ以上に気持ち良く働く事が出来る環境作りを重視してきたのだろうと思います。
恐らく著者の望む人間関係とは自立した人間がお互いに尊重し合い、一つの目的(理想)を共有出来る集団であり、それは現時点でかなりの内容で達成できているのではないでしょうか?
自分が必要とする人に必要とされる事が一番の幸せなのかもと感じました。
社会とは戦って勝てるというものではなく、考えの共有出来る人と近づき、考えが異なる人とは距離を開けるという距離間の設定しかないのでしょう。
著者は著作の中で一般の読者以外にも周囲や業界に対して自身がどの様な人間かも含めた様々なメッセージを発しています。
こういう事は何かを発表する意味の非常に重要な側面だと思います。
著者の勝敗論とは闘いが連続する人生についてのものであり、勝利条件にも強く拘っています。
個人的には絶対負けない戦い方は勝利条件を何でもありの緩いものにしてしまうか、殉教者精神のような極端に狭いものにしてしまうかだと思うのですが、現実には非常に問題があります。
著者が勝利条件を死ぬまで映画監督を続ける事としている意味を考えると、とても現実的でバランスがとれたものだと思いました。
他にも量と質のどちらを採るか?神輿になるメリットとデメリット、自分の身の丈に合った事を望むなど色々な事を語っています。
ここまで自分の理想を追求し実現できた著者は凄いものだと思いますし、自分だけの人生を歩みたいと思っている人にとって一つの答えであると思います。
しかし、著者が相応のスキルと実績を作ってから自分の城(居場所)を作り上げるまで10〜15年ほどかかっている様に見えます。
やはり人生とは長期戦なのだなと思いました。
2008年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
押井守の映像作品は多少なりとも見てきた私ですが、インタビュー本ながら、これが初めて読んだ押井守の本になりました。 結果からいうとこの本のよって私は大いに啓蒙されました。勝敗論という一見すると偏った論理かとおもいきや、そんな事はな無く逆に私はニュートラルな頭の状態で物事を見ることの重要さを再確認させてもらいました。少々、乱暴な考え方だなということもありましたが、それがまた押井守という人物であり魅力なのかもしれません。 人生をひとつの大きな勝負とし人生の局面ごとに自らの勝負を考え、その勝負の勝利条件は何かを考え、その勝利条件のために自分は何ができるかを考える。勝利を見越せばある種の負けをも考える。さすれば勝利は君の手に。
2010年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本で作者が言ってる勝敗論とは、映画と無縁の人が突然、神様に「お前を映画監督にする。他に生きる道は無いのであしからず」と無理矢理映画監督にされた時、どうやって一生を過ごすかというテーマのことを語ってるのだと考えると分かりやすいです。逆に言えば、これが映画監督じゃなくても、工事現場の監督でも当てはまる。つまりとても論理的で、読んで損はしない本です。あと自分は普段映画観ない人ですが、無性に映画が観たくなりました。