動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) (日本語) 文庫 – 2017/1/7
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本の長さ208ページ
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言語日本語
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出版社早川書房
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発売日2017/1/7
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ISBN-104151200878
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ISBN-13978-4151200878
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を設立した。守るべき戒律を定め、動物主義の実践に励んだ。農場は共和国となり、知力に優れたブタが大統領に選ばれたが、指導者であるブタは手に入れた特権を徐々に拡大していき…。権力構造に対する痛烈な批判を寓話形式で描いた風刺文学の名作。『一九八四年』と並ぶ。オーウェルもう一つの代表作、新訳版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
オーウェル,ジョージ
1903年、英国領インドのベンガルに生まれる。文学のみならず、二十世紀の思想、政治に多大なる影響を与えた小説家。名門パブリック・スクールであるイートン校で学び、その後、数年間ビルマの警察に勤務。やがて職を辞し帰国すると、数年間の放浪を経て、作家となった。主な著作に長篇小説『一九八四年』(ハヤカワ文庫)やスペイン内戦に参加した体験を綴ったルポルタージュ『カタロニア讃歌』などがある。1950年没
山形/浩生
1964年生、東京大学大学院工学系研究科都市工学科修士課程修了。翻訳家・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1903年、英国領インドのベンガルに生まれる。文学のみならず、二十世紀の思想、政治に多大なる影響を与えた小説家。名門パブリック・スクールであるイートン校で学び、その後、数年間ビルマの警察に勤務。やがて職を辞し帰国すると、数年間の放浪を経て、作家となった。主な著作に長篇小説『一九八四年』(ハヤカワ文庫)やスペイン内戦に参加した体験を綴ったルポルタージュ『カタロニア讃歌』などがある。1950年没
山形/浩生
1964年生、東京大学大学院工学系研究科都市工学科修士課程修了。翻訳家・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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2018年12月24日に日本でレビュー済み
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著者「序文案」によれば、本作は明らかにスターリン独裁に対する痛烈な批判である。だが、それを日本の“擬制”民主主義に君臨する自公独裁政権と重ねて読めば、それはそれでストンと落ちるから面白い。驕るアベ政権がいくら長く続こうとも、スターリン時代には遠く及ぶまい。その後の歴史的断罪の日が待ち遠しいわ。
50人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年5月27日に日本でレビュー済み
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名作の新訳版で評判通り面白く、最後まで一気に読んだ。登場人物が動物たちで寓話的だけど、ブタ以外の動物たち(イヌとネコは除く)が追い詰められていく様はとてもグロテスクだ。訳者あとがきにも書かれているが、ブタたちがミルクとリンゴを独占した時に、ブタ以外の動物たちが異議を唱えなければいけなかった。でも、異議を唱えられるだけの頭があるのは老ロバのベンジャミンしかいなかったわけだけど。
強烈な革命家(リーダー)による社会主義はいとも簡単に独裁主義に代わってしまう。ブタのリーダー格のスノーボールも一見良いリーダーにみせて、自分を特別な存在と認識して、その分多く報酬をもらうことに抵抗はない。現代社会の企業のトップなどまさにそのものだ。
強烈な革命家(リーダー)による社会主義はいとも簡単に独裁主義に代わってしまう。ブタのリーダー格のスノーボールも一見良いリーダーにみせて、自分を特別な存在と認識して、その分多く報酬をもらうことに抵抗はない。現代社会の企業のトップなどまさにそのものだ。
2019年5月1日に日本でレビュー済み
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第二次世界大戦においてソ連の活躍は目を見張るものであった。
広大な国土と冬将軍、そして膨大な人命をほこるソ連無しでは、勢い激しいドイツを抑えることは不可能だったはずだ。
そのこともあり、1944年には英国内部は、ソ連に対する友好的な意見で占められていただろうし、著者もそのように述べている。
その中で、ソ連という国に潜むストーリーを
分析し、体型立て、更におとぎ話という形でまとめ世に出した著者には、私自身畏敬の念しか持ち得ない。
この作品の肝はおとぎ話形式とでも言うべき記述方法にあると感じている。
それは少なくとも2つの益をもたらしている。
1つは、取っ付きやすさである。
もし仰々しく現実味を持たせてストーリーを作っていたらここまで読まれなかっただろう。特に政治を語るという土壌の弱い日本では、拒絶されていただろう。
もう1つは、教訓じみていないということである。政治を取り扱う時、えてして教本、つまり「何をするべき」を語りがちである。一方今作品はおとぎ話であるため、何が悪で何が善ということを語らずにすんでいる。これは読者がスムーズに話を飲み込むということを可能にしている。
同じ著者の作品である1984も、重厚に作り込まれた作品である。
是非あわせてお読みいただきたい。
広大な国土と冬将軍、そして膨大な人命をほこるソ連無しでは、勢い激しいドイツを抑えることは不可能だったはずだ。
そのこともあり、1944年には英国内部は、ソ連に対する友好的な意見で占められていただろうし、著者もそのように述べている。
その中で、ソ連という国に潜むストーリーを
分析し、体型立て、更におとぎ話という形でまとめ世に出した著者には、私自身畏敬の念しか持ち得ない。
この作品の肝はおとぎ話形式とでも言うべき記述方法にあると感じている。
それは少なくとも2つの益をもたらしている。
1つは、取っ付きやすさである。
もし仰々しく現実味を持たせてストーリーを作っていたらここまで読まれなかっただろう。特に政治を語るという土壌の弱い日本では、拒絶されていただろう。
もう1つは、教訓じみていないということである。政治を取り扱う時、えてして教本、つまり「何をするべき」を語りがちである。一方今作品はおとぎ話であるため、何が悪で何が善ということを語らずにすんでいる。これは読者がスムーズに話を飲み込むということを可能にしている。
同じ著者の作品である1984も、重厚に作り込まれた作品である。
是非あわせてお読みいただきたい。
2020年12月1日に日本でレビュー済み
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最初これは、北朝鮮のことを書いているのかな、と思ったのですが、第二次大戦後のスターリンとレフ・トロツキーについて書かれたものだと知りました。
きっとスノーボールがリーダーになれば、日々文句はあるものの平凡ながらささやかな幸せのある毎日が送れていたのかもしれません。
私腹を肥やしたいだけのナポレオンのようなリーダーが悪が勝ち、善が駆逐される、今の現代で起こっていることだと思います。情報を歪曲して、弱者から搾取して使い捨てにする、これが共産圏の現実だと思います。悪がはびこる現実に恐怖を覚えました。
小林多喜二の蟹工船に共産圏の理想が書かれていましたが、それの真実について書かれている本だと思います。
正直者は救われるの逆を行く話で、希望も救いもありません。こういう私服を肥やすモラルのない人がリーダーがにつくと、その後どうなるんだろうと思います。今のイギリスのリーダーがまさにそうだと思います。国民のことはどうでもよく、自分の仲間と金持ちだけが得をすればいいと思っている、国民のためを思う人がリーダーにならなければ、国は傾くと思います。
きっとスノーボールがリーダーになれば、日々文句はあるものの平凡ながらささやかな幸せのある毎日が送れていたのかもしれません。
私腹を肥やしたいだけのナポレオンのようなリーダーが悪が勝ち、善が駆逐される、今の現代で起こっていることだと思います。情報を歪曲して、弱者から搾取して使い捨てにする、これが共産圏の現実だと思います。悪がはびこる現実に恐怖を覚えました。
小林多喜二の蟹工船に共産圏の理想が書かれていましたが、それの真実について書かれている本だと思います。
正直者は救われるの逆を行く話で、希望も救いもありません。こういう私服を肥やすモラルのない人がリーダーがにつくと、その後どうなるんだろうと思います。今のイギリスのリーダーがまさにそうだと思います。国民のことはどうでもよく、自分の仲間と金持ちだけが得をすればいいと思っている、国民のためを思う人がリーダーにならなければ、国は傾くと思います。
2020年9月22日に日本でレビュー済み
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1943年11月から1944年2月に書かれ1945年に出版された当時のソ連政府・社会を批判的に動物農場のブタたちに例えた、現代日本にとっても示唆に富む、普遍的価値を備えた優れた古典の一つだと思います。
極めて重要なのはこの物語のみならず、1945年の出版時に採用されなかった序文案と1947年のウクライナ語版への序文ではないでしょうか。
印象に残るオーウェルの言葉をその序文(案)からご紹介します。
○序文案から
・イギリスにおける戦時中の著作の検閲に関する不気味な事実とは、それがおおむね自発的に行われていることだ。外国で長く暮らした人なら、大きな見出しで報じられるべきニュースがイギリスのメディアからはあっさり排除されているのに気づくだろう。それは政府が介入したせいではなく、その特定事実に言及するのが「望ましくない」という一般的な暗黙の合意があるからだ。主流の正統な考え方に刃向かう人間はすべて、驚くほど効果的に黙らされてしまうことになる。
・今現在、主流となっている正統な見方で求められているのは、ソ連の無批判な賞賛だ。これはだれでも知っていて、ほとんどだれでもこれに従っている。ソ連体制に対するまじめな批判、ソ連政府が隠しておきたい事実の公開はすべて、ほとんど印刷不能だ。
・ソ連に対する目下主流の態度こそは、群を抜いて最も深刻な症状だ。イギリス知識人の相当部分が1941年以来ロシアのプロパガンダを鵜呑みにして広げてまわった奴隷根性は実に驚くべきものだと言いたいところだ。
・悪名高いことだけれど、一部の話題は「既得権益者」のせいで扱えない。いちばん有名なのは、特許薬をめぐる陰謀だ。
・スターリンは神聖不可侵で、その政策の多くの側面は真面目に議論してはいけないことになっている。このルールは1941年以来ほとんど普遍的に遵守されて来たけれど、でもその10年まえから、特に認識されているよりも広い形で運用されてきた。
・目下のロシア絶賛は、西洋の自由の伝統が全般的に弱体化した一症状でしかないと認識することが肝心だ。
・過去10年の相当部分に渡り、私は既存のロシア政権が主に邪悪な存在だと信じて来たし、勝って欲しいと思っている戦争において私たちがソ連と同盟しているという事実があっても、私はそれを口にする権利を主張する。
・自由というのは何を置いても、みんなの聞きたくないことを語る権利ということなのだ。自由を恐れているのはリベラル派なのであり、知性に泥を投げつけているのは知識人だ。私がこの序文を書いたのも、この事実に注目してもらいう為なのだ。
○ウクライナ語版への序文から
・人が動物を収奪するやり方は、金持ちがプロレタリアを収奪するのとほぼ同じだということに気づいた。
極めて重要なのはこの物語のみならず、1945年の出版時に採用されなかった序文案と1947年のウクライナ語版への序文ではないでしょうか。
印象に残るオーウェルの言葉をその序文(案)からご紹介します。
○序文案から
・イギリスにおける戦時中の著作の検閲に関する不気味な事実とは、それがおおむね自発的に行われていることだ。外国で長く暮らした人なら、大きな見出しで報じられるべきニュースがイギリスのメディアからはあっさり排除されているのに気づくだろう。それは政府が介入したせいではなく、その特定事実に言及するのが「望ましくない」という一般的な暗黙の合意があるからだ。主流の正統な考え方に刃向かう人間はすべて、驚くほど効果的に黙らされてしまうことになる。
・今現在、主流となっている正統な見方で求められているのは、ソ連の無批判な賞賛だ。これはだれでも知っていて、ほとんどだれでもこれに従っている。ソ連体制に対するまじめな批判、ソ連政府が隠しておきたい事実の公開はすべて、ほとんど印刷不能だ。
・ソ連に対する目下主流の態度こそは、群を抜いて最も深刻な症状だ。イギリス知識人の相当部分が1941年以来ロシアのプロパガンダを鵜呑みにして広げてまわった奴隷根性は実に驚くべきものだと言いたいところだ。
・悪名高いことだけれど、一部の話題は「既得権益者」のせいで扱えない。いちばん有名なのは、特許薬をめぐる陰謀だ。
・スターリンは神聖不可侵で、その政策の多くの側面は真面目に議論してはいけないことになっている。このルールは1941年以来ほとんど普遍的に遵守されて来たけれど、でもその10年まえから、特に認識されているよりも広い形で運用されてきた。
・目下のロシア絶賛は、西洋の自由の伝統が全般的に弱体化した一症状でしかないと認識することが肝心だ。
・過去10年の相当部分に渡り、私は既存のロシア政権が主に邪悪な存在だと信じて来たし、勝って欲しいと思っている戦争において私たちがソ連と同盟しているという事実があっても、私はそれを口にする権利を主張する。
・自由というのは何を置いても、みんなの聞きたくないことを語る権利ということなのだ。自由を恐れているのはリベラル派なのであり、知性に泥を投げつけているのは知識人だ。私がこの序文を書いたのも、この事実に注目してもらいう為なのだ。
○ウクライナ語版への序文から
・人が動物を収奪するやり方は、金持ちがプロレタリアを収奪するのとほぼ同じだということに気づいた。
2020年11月25日に日本でレビュー済み
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本の中で出てくる豚は現在における中国を彷彿とさせられた。
政権に対する批判をしようとしても犬(人民警察)や羊(信者や共産党民)に邪魔され声を出せない/かき消される。
また、カラス(政権側のスポークスマン)による情報操作によって事実と異なった情報を植え付けられる。
しかし本書に書かれていることは中国のみに関わらず、どこでもあり得ることだと思う。
例えば、近年のYoutubeやTwitterなどで情報を発信されているインフルエンサーと呼ばれる人々。
彼/彼女らの意見を鵜呑みにし、自分で考えることを放棄している人(羊)。
彼/彼女らの主張を広める人(カラス)。
彼/彼女らへの反対意見に対し過剰に反応する人(犬)。
本の読み初めは自分とは無縁の動物たちの開放の物語で自分とは無縁のフィクションかと思っていたが、自分の生きている世界の話だと思い恐怖を感じた。
非常に素晴らしい本だと思う。
政権に対する批判をしようとしても犬(人民警察)や羊(信者や共産党民)に邪魔され声を出せない/かき消される。
また、カラス(政権側のスポークスマン)による情報操作によって事実と異なった情報を植え付けられる。
しかし本書に書かれていることは中国のみに関わらず、どこでもあり得ることだと思う。
例えば、近年のYoutubeやTwitterなどで情報を発信されているインフルエンサーと呼ばれる人々。
彼/彼女らの意見を鵜呑みにし、自分で考えることを放棄している人(羊)。
彼/彼女らの主張を広める人(カラス)。
彼/彼女らへの反対意見に対し過剰に反応する人(犬)。
本の読み初めは自分とは無縁の動物たちの開放の物語で自分とは無縁のフィクションかと思っていたが、自分の生きている世界の話だと思い恐怖を感じた。
非常に素晴らしい本だと思う。
ベスト100レビュアー
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読んで行くと、ロシア革命によりレーニンが国家の基礎を築き、スターリンによって独裁が完成するまでのソ連の歩みを寓話として描いたものだということがよくわかる。ヨークーシャー種のオスブタ、老メイジャーがレーニンを、同じヨークーシャー種のスノーボールがトロツキーを、バークシャー種のナポレオンがスターリンをそれぞれあらわしていているんだろう。
ナポレオンがスノーボールを罠にかけて追放し、スクウィーラーという口のうまい去勢豚を使って、その後も都合の悪いことはすべてスノーボールのせいにするシーンなんてのは、スターリンもトロツキーに対してかくあったんだろうと思わせること十分である。
そして、反乱により、飲んだくれの農場主のジョーンズさん(人間である!)から「メイナー農場」を奪い取った動物たちの間に、新しい階級格差が生まれてゆく。支配階級のブタたちは次第に豊かになり、ウマやウシやロバやニワトリなど”ヒラの”動物たちの生活はかえって苦しくなる一方である。
彼らがいくらおかしいなと思っても、スクウィーラーの巧みな話術に、「そんなものかいな」とまるめこまれ、すべての不満は「四本足はよい、二本足は悪い」というヒツジたちの大合唱にかき消される。それでもおかしいという輩も、恐ろしいイヌたちのうなり声に恐怖を感じて沈黙する。メンドリ三羽、ガチョウ一羽、ヒツジ二匹が、ナポレオン体制?に逆らったことを告白させられ処刑される。動物たちが反乱の際に守ることを誓った「七戒」の一つ、「すべての動物は他のどんな動物も殺してはいけない」が、「すべての動物は他のどんな動物も理由なしに殺してはいけない」と書き換えられていたのだ。処刑はその後も続き、ナポレオンの足下には死体が山ほど積み上がったという。いつの間にやら別の人間の農場へ”亡命”してしまっていた派手なメスの白馬モリーの方がはるかに賢かったかもしれない。
ヒラの動物たちの尊敬を集める、力持ちで働き者のウマ、ボクサーがもっと声をあげればいいのだが、彼は、「ワシがもっと働く」「ナポレオンは常に正しい」というばかりである(ボクサーは後に人間農場との戦いで負傷し、死んだ後解体業者に売られ、その代金はブタたちの飲むウィスキー代になってしまうのだが・・・・・)。老メイジャーが歌い、その後もことある毎に歌われた革命?歌「イギリスの獣たち」もナポレオンの特別布告で廃止される。そして、何と驚くべき事に、ブタたちは後ろ足で立って歩くようになるのである!特に、ナポレオンは前足に鞭を持ちながら・・・・・。時を同じくして羊たちは叫び始める。「四本足はよい、二本足はもっとよい!四本足はよい、二本足はもっとよい!」と。
この本の結末は、ナポレオン支配の動物農場、新「メイナー農場」と近隣の人間の農場主との手打ち式で幕を閉じる。その席でのナポレオンの演説は「(彼の)演説はどれもそうですが。これも短く要点だけに絞ったものでした」(誰かさんに似てないか?二週に一度すら顔を見せないのも!)。しかし、窓の外からこっそりその手打ち式を見ていたヒラの動物たちの目に最後にうつったものは、トランプ(アメリカ大統領ではない!)に関するしょうもない事が原因の、ブタと人間との間の、怒号が飛び交う、すさまじい口論だった。それは、どっちがブタでどっちが人間かわからなくなるほどのものだったとさ。
読んでいて、背筋が寒くなるような小説である。そして思った、これは、ある意味、今の日本社会を風刺した小説ではないかと。
ナポレオンがスノーボールを罠にかけて追放し、スクウィーラーという口のうまい去勢豚を使って、その後も都合の悪いことはすべてスノーボールのせいにするシーンなんてのは、スターリンもトロツキーに対してかくあったんだろうと思わせること十分である。
そして、反乱により、飲んだくれの農場主のジョーンズさん(人間である!)から「メイナー農場」を奪い取った動物たちの間に、新しい階級格差が生まれてゆく。支配階級のブタたちは次第に豊かになり、ウマやウシやロバやニワトリなど”ヒラの”動物たちの生活はかえって苦しくなる一方である。
彼らがいくらおかしいなと思っても、スクウィーラーの巧みな話術に、「そんなものかいな」とまるめこまれ、すべての不満は「四本足はよい、二本足は悪い」というヒツジたちの大合唱にかき消される。それでもおかしいという輩も、恐ろしいイヌたちのうなり声に恐怖を感じて沈黙する。メンドリ三羽、ガチョウ一羽、ヒツジ二匹が、ナポレオン体制?に逆らったことを告白させられ処刑される。動物たちが反乱の際に守ることを誓った「七戒」の一つ、「すべての動物は他のどんな動物も殺してはいけない」が、「すべての動物は他のどんな動物も理由なしに殺してはいけない」と書き換えられていたのだ。処刑はその後も続き、ナポレオンの足下には死体が山ほど積み上がったという。いつの間にやら別の人間の農場へ”亡命”してしまっていた派手なメスの白馬モリーの方がはるかに賢かったかもしれない。
ヒラの動物たちの尊敬を集める、力持ちで働き者のウマ、ボクサーがもっと声をあげればいいのだが、彼は、「ワシがもっと働く」「ナポレオンは常に正しい」というばかりである(ボクサーは後に人間農場との戦いで負傷し、死んだ後解体業者に売られ、その代金はブタたちの飲むウィスキー代になってしまうのだが・・・・・)。老メイジャーが歌い、その後もことある毎に歌われた革命?歌「イギリスの獣たち」もナポレオンの特別布告で廃止される。そして、何と驚くべき事に、ブタたちは後ろ足で立って歩くようになるのである!特に、ナポレオンは前足に鞭を持ちながら・・・・・。時を同じくして羊たちは叫び始める。「四本足はよい、二本足はもっとよい!四本足はよい、二本足はもっとよい!」と。
この本の結末は、ナポレオン支配の動物農場、新「メイナー農場」と近隣の人間の農場主との手打ち式で幕を閉じる。その席でのナポレオンの演説は「(彼の)演説はどれもそうですが。これも短く要点だけに絞ったものでした」(誰かさんに似てないか?二週に一度すら顔を見せないのも!)。しかし、窓の外からこっそりその手打ち式を見ていたヒラの動物たちの目に最後にうつったものは、トランプ(アメリカ大統領ではない!)に関するしょうもない事が原因の、ブタと人間との間の、怒号が飛び交う、すさまじい口論だった。それは、どっちがブタでどっちが人間かわからなくなるほどのものだったとさ。
読んでいて、背筋が寒くなるような小説である。そして思った、これは、ある意味、今の日本社会を風刺した小説ではないかと。
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