甥っ子へのプレゼントのために探していましたが、同じタイトルで2冊出ていることに興味を覚え、どちらも買ってみました。
みらい文庫版裏表紙には「小学上級・中学から」とあり、子どもだまし的な表現を想像して読みましたが、良い意味で裏切られたのでレビューします。
まず大前提として、みらい文庫版・J-Books版、ともにシナリオもセリフも大きくは変わりません。
映画のストーリーを知りたいだけならどちらでも問題はありません。
そして、ここを一番強調したいですが、みらい文庫版が完全なる低学年向け(易しすぎる)というわけでもありません。
子ども向けに配慮されてはいますが、結構玄人好みの表現もあったりして、割と容赦なし。
子どもはもちろんのこと、以下の特徴が許容できる方であれば、大人でも十分楽しめると思います。
以下はみらい文庫版の特徴です。
1.すべての漢字に対してルビが振られています。
これは、気が散るとか目が滑るという方も多いと思います。
実際自分も最初は苦戦しましたが、すぐ慣れました。
2.ひらがなが多めです。
通常漢字にできる部分も、あえてひらがなにしている配慮を感じます。
もちろん全部が全部そうではなく、柔らかい印象を感じる程度のものです。
人によっては気が散ったり、スローテンポに感じる方もいるかもしれません。
自分はちょっと脳が子どもに戻ったような不思議な気分になりました。
3.一部強調したい部分(擬音など)はフォントが変えてあります。
これに関しては1、2よりも影響は少ないと思います。
最初はちょっとびっくりしますが。
4.挿絵が多めです。
挿絵は2冊とも描き下ろしではなく映画の一場面ですが、単純にこちらの方が量が多いです。
以上の違いから、選ぶポイントは1、2が許容できるかどうかが大きいと思います。
後の違いは文体や表現法になりますが、これは完全に人の好みですので、双方の公式サイトで公開されている試し読みを読み比べるのが一番です。
一応、個人的な感想を。
みらい文庫版
表現が情緒的。人によっては回りくどく感じるかもしれない。
情景描写が細やか。
さりげなく原作に沿った補足説明もあり、まだ映画を観ていない・観れない人にとってはたいへん親切。
J-Books版
視覚重視。ストレートな表現でより映像に近い印象。
情景描写は簡潔でテンポよく読める。
変に色がついていない分、鑑賞後の外部補助記憶装置として読み返すのに優れているのかも。
最後に……もし違いが気になった方は、他のレビューにもありますが双方買っての読み比べをお勧めします。
思いがけずいい勉強になりました。
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