この本を買うのは二冊目である。何故か?
一冊目は10年以上前で、もちろん旧版。
当時、通勤の電車内は貴重な読書の時間だった。
とは言え持ち歩くには、この本は分厚い。
そこで苦肉の策としてカッターで強制分冊にした。
本を切り刻むのは断腸の思いだったが、
毎日少しずつでも読みたい気持ちの方が勝った。
では当時、初めから面白いと思ったわけではなかった。
何しろ「我々人間は遺伝子の生存機械」とか
「利己的な遺伝子」などの考え方についていけず、
馴染めなかった。
だが、一方ではある種の新鮮さを感じ、
何度も読み返すうちに、遂には魅了されるに至った。
で、強制分冊したものは、そのうち散いつしてしまった。
しかしある日、新聞で新刷を知り購入。
また新たな気持ちで読んでいる。
この本は少々大袈裟だが
人生の考え方や世の中の見方を変えた。
自分の矛盾に満ち満ちた精神構造と心理のブレは何に基づくのか?
人のなせる世の中の様々な不条理は何故、
なども利己的な遺伝子の振る舞いと思えば、
すべて納得。そして愉快になる。
もう二度と、この本を強制分冊することはないだろう。
私にとっては、なぜか元気の出る本で、
大事な一冊である。
近い将来、遺伝子学者のコメンテーターが遺伝子の立場から
事件などをテレビで解説する日がくるかもしれない。
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