1巻は「高校生のころは輝いてたけど今じゃもう・・」とため息をついている大人の心をつかむ絶妙な設定で、高校生との出会いまで引き込まれた。
高校生が父親にひどいことを言われたときに順子が高校生に代わって父親に激怒した場面は感動したし、「不合格率ナンバーワン」と言われている主人公がどう成長するか楽しみにもなった。
ただ、この漫画は、主人公順子(の美しさ)のためだけに熱意が注がれて、それ以外は雑すぎる。
メインキャラは金太郎飴のような同じ顔だらけ。あだち充氏の歴代のヒーローとヒロインが一作に全部集まったかように、全く見分けがつかない。髪を隠したら男女かすら分からない。
それ以外は、味のある脇役の顔ひとつ描けない。素人でも分かる親世代の顔のヒドさ。手抜き以前に悪意丸出しで、作者の自己愛と陰湿な攻撃性を感じて、なんか引く。
私はこの後も数冊買ったが、1巻で見せた順子の優しさは二度となかった。むしろお釣りがくるほど腹立たしくなった。
とにかく自分のしたいことにだけ夢中で周囲への関心が薄い。人の話を聞いていない。相手の気持ちを理解できない。暴言で傷つけるのをカッコいいと勘違い。頭も性格も悪い。悪い意味で少女のまま、浅はかで幼稚でクセがありすぎる。
わざとクセがあるように作られたキャラでは無く、作者の自己愛が強く倫理観がズレているのが、まんま順子に現れてしまっている。順子さえ良ければ、あとの奴らはどうでもいいという幼稚な世界観が根底にある。
塾講師として成長する話ではなく、やる気が無かった順子が、由利には本気になっただけの話だった。
「本当は頭がいいのにやる気がない講師」って、他人を不幸にする最低なクズである。
こういうクズが反省し成長する話ではなく、お気に入りヤンキーを贔屓しているうちに、盛りのついたヤンキーにズルズル体を許していってしまうという、クズ女のままな話。
男たちも、サカリのついた性欲だけで、これは恋ではないと思う。
幼女のように頭が悪い順子を、男たちが告白もせず、同意も得ず抱きしめたりエロ行為をしてお触りしまくり、そのうちの一人を順子が選ぶというもので、こんなのは恋とは違う。
由利は順子にサカっている以外、いつも無表情で突っ立ってるだけ。周りのバカな大人を冷静に見ている賢いボクちゃん風に見えるが、口説き文句以外のセリフは頭の悪さがモロ見えで、何か言うたび嫌いになる。
人間関係のトラブルは全部「嫉妬」。バカとブスが順子と高校生に嫉妬して嫌がらせをするという描写がしつこく繰り返される。
こちらは順子と高校生を哀れとは思えど、嫉妬する要素など何も感じないというのに。
順子はただブスやクズに暴言を吐くだけで、他の生徒を助けようとか真剣に向き合う場面は全くない。そういう底の浅さにもガッカリ。
ストーリーも幼稚、あらすじも支離滅裂。理解する価値も無いし、しようとする方が苦労する。数ページ前のことも忘れて描いているのかと思うほどひどい矛盾もある。
作者が妙にヤンキーびいきで、ヤンキーの迷惑行為を美化する一方、普通に真面目な人間を馬鹿にした描き方をするのも不快。
これに関しては確実に悪意を持って描いている。この隠された悪意にあてられて、訳もわからず嫌な気分になり、逃げ出している人は多いはず。
順子に苦言するまともなキャラをデブで気持ち悪い子に描くとか、悪意がないフリを装って、陰でクスクスヒソヒソ嘲笑する卑怯さがある。
順子を長年想い続けて色々世話を焼く雅志を、報われない間抜けなピエロとして執拗に描くあたりに、作者の陰湿な闇を見るようで全く理解できない。しかもこれを「ギャハハ雅志かわいそー」と読者が爆笑するべき場面らしい。
こんなものを笑いどころと思っているなら、多数の読者から生理的に嫌悪され、逃げられるのが当たり前で、この作者が長い間人気がなかったのも分かるし、今後も無理だと思う。
恋愛以外の、人として普通にあたたかい感動も求める人には、一切ないと断言する。
今後も次作以降も絶対無い。
セリフを読んでいなくてエロシーンだけ目的の読者にはいいと思う。
「実力はあるけどたまたま売れていなかった」という作者では ない と確信した。
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