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刑務所の読書クラブ:教授が囚人たちと10の古典文学を読んだら 単行本 – 2017/12/18

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159回芥川賞&直木賞 大賞作品発表!
芥川賞受賞 『送り火』 高橋弘希。直木賞受賞 『ファーストラヴ』 島本理生。 特集ページへ

商品の説明

メディア掲載レビューほか

40代の女性教授が男子刑務所で行った読書会の記録

本書は、四十代の女性教授が男子刑務所に通い、殺人や強盗を犯した囚人たちと重ねた読書会の記録である。このシチュエーションだけで想像が掻き立てられるが、期待を裏切らない面白さだ。まず課題図書のセレクトが度肝を抜く。コンラッドの『闇の奥』で始まり、シェイクスピアの『マクベス』にメルヴィルの『バートルビー』と、オックスフォード大英文科の学生でも苦戦する難解な古典文学がずらりと並ぶ。囚人たちは朗読もおぼつかず、「バートルビー」という主人公の名前はまともに発音すらできない。終身刑の囚人たちのひとときの慰めにとか、低学歴の彼らにふさわしいレベルの本をといった配慮はみじんもないが、それこそが著者の文学と囚人双方に対する深い敬意と信頼、そして愛情のあかしだ。実際彼らは文句を垂れつつ驚くほど鋭い考察をみせる。私自身も学生時代から大学で教える現在まで、これらの作品を繰り返し読んでいるが、彼らならではの視点に唸らされることが何度もあった。

とはいえ、ここに登場する文学作品をまったく読んでいなくても本書は問題なく楽しめる。囚人たちは小説を通して自分の人生や価値観を語る。それぞれの生い立ちや罪状、刑務所内の生活といった彼らの色鮮やかな物語が本書のもうひとつの読みどころで、そこから刑務所や犯罪者に対する私たちの思い込みが次々に明らかになるところはひどくスリリングだ。例えば「バートルビー」は、「しないほうが好ましいのですが」という一言を繰り返してレンガ壁に覆われた狭い部屋から頑として動かず、はては獄中で餓死してしまう男の物語で、これを監房に閉じ込められている人に読ませる著者にも驚くが、囚人たちがみせる意外な反応には深く考えさせられた。

著者は文学も囚人たちのことも美化しない。彼らは居眠りしたり性的なまなざしを向けてきたり、彼女の想いは実際には幻滅に終わることのほうが多い。心酔する作品の良さをまったく理解されないショックや落胆は、私にも痛いほどわかる。文学が何の役に立つのか? 文学を読むことなどただの現実逃避で時間の無駄ではないか? 文学に心血を注ぐ人生とは、そうした徒労と戸惑いの連続だ。

だが著者と囚人たちの交流には、文学を介したからこそ生まれた「それでも」と思える瞬間がいくつもある。自分とはまるでかけ離れた場所にいる他者とのわかりあえなさに垣間見える「それでも」という可能性。それこそ、私たちの人生を美化することなく励ますものではないだろうか。

評者:小澤 英実

(週刊文春 2018年2月15日号掲載)

内容紹介

【書評掲載】
◎日本経済新聞で紹介されました! 2018年2月24日掲載
◎週刊文春「今週の必読」で紹介されました! (評者 小澤英実氏)2018年2月15日号掲載


■■■■■■全米各紙誌絶賛! ■■■■■■


これほど「殺人」を実感できる人たちと
『マクベス』を一緒に読んだことはなかった


男性ばかりの刑務所で、女性教授がはじめた読書クラブ。
壮絶な人生を歩んできた囚人たちは、古典文学を読んで何を思うのか。
彼らはやがて、思いがけない視点から物語の核心へと近づいていく。
読書の常識を覆す驚嘆のノンフィクション


=====================================
読書クラブの囚人メンバーが読んだ全10作品
=====================================
『闇の奥』ジョゼフ・コンラッド著
『書記バートルビー―ウォール街の物語』ハーマン・メルヴィル著
『くそったれ! 少年時代』チャールズ・ブコウスキー著
『ジャンキー』ウィリアム・バロウズ著
『オン・ザ・ヤード』マルコム・ブラリー著
『マクベス』ウィリアム・シェイクスピア著
『ジキル博士とハイド氏』ロバート・ルイス・スティーヴンソン著
『黒猫』エドガー・アラン・ポー著
『変身』フランツ・カフカ著
『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ著
=====================================


スーパーボウルの試合中継があれば課題書を読み忘れる。
主人公の名前すら発音できない。

「文学は囚人たちにとって何の役にも立たないのだろうか」

死刑囚や終身刑囚たちを収容する重警備刑務所で、読書クラブを運営することになった女性教授は葛藤する。しかし、教授と囚人たちは回り道をしながらも、いつしか文学者も思いがけなかった視点から物語の核心へと近づいていく。孤独、虐待、裏切り、突然の死刑宣告――壮絶な人生経験から読み解く答えとは。そして変化は、囚人だけでなく教授自身の心にも現われ――。
アメリカ、ジュサップ刑務所で開かれた読書クラブの二年半にわたる記録。

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登録情報

  • 単行本: 296ページ
  • 出版社: 原書房 (2017/12/18)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4562054654
  • ISBN-13: 978-4562054657
  • 発売日: 2017/12/18
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2018年1月28日
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2018年3月25日
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