物語は静かな語り口で進んでいくのだが、その中にいつも濃厚なエロティシズムと、つぎに何が起こるかわからない不安が途切れることなく混在していた。そして最後はタイトル同様に「切羽」で、主人公が踏みとどまり(本意ではなくめぐりあわせにもせよ)、終わった。私は、ほっとした。
登場人物一人一人の個性が、くっきりと描き出されていて、目に見えるようだ。
舞台が、廃坑の跡が残る離島の小学校という設定もよかった。大人たちの業が渦巻く背景に、こどもたちの呼び交わす声が、きよらかにひびいていた。
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