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凛たる人生 映画女優 香川京子 単行本 – 2018/3/20
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女優人生70年記念出版!
溝口健二、黒澤明、成瀬巳喜男、今井正、小津安二郎……
長谷川一夫、森雅之、三船敏郎、原節子、田中絹代、山田五十鈴……
映画が映画であった時代を、自由な魂、そして確固たる信念をもって演じ続けた女優・香川京子が語り尽くす!
スチール&スナップ満載!
溝口健二、黒澤明、成瀬巳喜男、今井正、小津安二郎……
長谷川一夫、森雅之、三船敏郎、原節子、田中絹代、山田五十鈴……
映画が映画であった時代を、自由な魂、そして確固たる信念をもって演じ続けた女優・香川京子が語り尽くす!
スチール&スナップ満載!
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社ワイズ出版
- 発売日2018/3/20
- ISBN-104898303145
- ISBN-13978-4898303146
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
溝口健二、小津安二郎、黒澤明、成瀬巳喜男、今井正…長谷川一夫、森雅之、三船敏郎、原節子、田中絹代、山田五十鈴…自由な魂、そして確固たる信念をもって演じ続けた女優・香川京子が、映画が映画であった時代を語り尽くす!スチール&スナップ満載!
著者について
香川京子(かがわ・きょうこ)
東京都出身。1949 年、東京新聞主催の「ニューフェイス・ノミネーション」に合格、新東宝に入社する。
翌1950 年『窓から飛び出せ』(島耕二監督)で公式デビュー。
その後、1952 年フリーに。プログラムピクチャーから巨匠監督作品まで数多くの映画に出演、テレビ、舞台でも活躍した。
2018 年は映画界入り70 年目、今なお活躍中。
1990 年、『式部物語』で山路ふみ子賞、キネマ旬報助演女優賞、1993 年、『まあだだよ』で毎日映画コンクール田中絹代賞、日本アカデミー最優秀助演女優賞などを受賞。1998 年秋、紫綬褒章、2004 年秋、旭日小綬章を受章。2011 年、第24 回東京国際映画祭の会場で日本人初となるFIAF 賞を受賞。2018 年、第41 回日本アカデミー賞で会長功労賞を受賞。
著書として「ひめゆりたちの祈り―沖縄のメッセージ」(朝日新聞社)、「愛すればこそ スクリーンの向こうから」(毎日新聞社)がある。
立花珠樹(たちばな・たまき)
映画評論家・共同通信社編集委員
1949 年、北九州市生まれ。一橋大学卒。共同通信社ニューヨーク支局などを経て、1990 年代から映画取材を続ける。著書に「『あのころ』の日本映画がみたい! 」(彩流社)、「厳選 あのころの日本映画101」(言視舎)、「新藤兼人 私の十本」(共同通信社)、「岩下志麻という人生」(同)、「若尾文子 “宿命の女"なればこそ」(ワイズ出版)、「私が愛した映画たち」(吉永小百合と共著、集英社新書)などがある。
東京都出身。1949 年、東京新聞主催の「ニューフェイス・ノミネーション」に合格、新東宝に入社する。
翌1950 年『窓から飛び出せ』(島耕二監督)で公式デビュー。
その後、1952 年フリーに。プログラムピクチャーから巨匠監督作品まで数多くの映画に出演、テレビ、舞台でも活躍した。
2018 年は映画界入り70 年目、今なお活躍中。
1990 年、『式部物語』で山路ふみ子賞、キネマ旬報助演女優賞、1993 年、『まあだだよ』で毎日映画コンクール田中絹代賞、日本アカデミー最優秀助演女優賞などを受賞。1998 年秋、紫綬褒章、2004 年秋、旭日小綬章を受章。2011 年、第24 回東京国際映画祭の会場で日本人初となるFIAF 賞を受賞。2018 年、第41 回日本アカデミー賞で会長功労賞を受賞。
著書として「ひめゆりたちの祈り―沖縄のメッセージ」(朝日新聞社)、「愛すればこそ スクリーンの向こうから」(毎日新聞社)がある。
立花珠樹(たちばな・たまき)
映画評論家・共同通信社編集委員
1949 年、北九州市生まれ。一橋大学卒。共同通信社ニューヨーク支局などを経て、1990 年代から映画取材を続ける。著書に「『あのころ』の日本映画がみたい! 」(彩流社)、「厳選 あのころの日本映画101」(言視舎)、「新藤兼人 私の十本」(共同通信社)、「岩下志麻という人生」(同)、「若尾文子 “宿命の女"なればこそ」(ワイズ出版)、「私が愛した映画たち」(吉永小百合と共著、集英社新書)などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
香川/京子
東京都出身。1949年、東京新聞主催の「ニューフェイス・ノミネーション」に合格、新東宝に入社する。翌1950年『窓から飛び出せ』(島耕二監督)で公式デビュー。その後、1952年フリーに。プログラムピクチャーから巨匠監督作品まで数多くの映画に出演、テレビ、舞台でも活躍した。2018年は映画界入り70年目、今なお活躍中。1990年、『式部物語』で山路ふみ子賞、キネマ旬報助演女優賞、1993年、『まあだだよ』で毎日映画コンクール田中絹代賞、日本アカデミー最優秀助演女優賞などを受賞。1998年秋、紫綬褒章、2004年秋、旭日小綬章を受章。2011年、第24回東京国際映画祭の会場で日本人初となるFIAF賞を受賞。2018年、第41回日本アカデミー賞で会長功労賞を受賞
立花/珠樹
映画評論家・共同通信社編集委員。1949年、北九州市生まれ。一橋大学卒。共同通信社ニューヨーク支局などを経て、1990年代から映画取材を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
東京都出身。1949年、東京新聞主催の「ニューフェイス・ノミネーション」に合格、新東宝に入社する。翌1950年『窓から飛び出せ』(島耕二監督)で公式デビュー。その後、1952年フリーに。プログラムピクチャーから巨匠監督作品まで数多くの映画に出演、テレビ、舞台でも活躍した。2018年は映画界入り70年目、今なお活躍中。1990年、『式部物語』で山路ふみ子賞、キネマ旬報助演女優賞、1993年、『まあだだよ』で毎日映画コンクール田中絹代賞、日本アカデミー最優秀助演女優賞などを受賞。1998年秋、紫綬褒章、2004年秋、旭日小綬章を受章。2011年、第24回東京国際映画祭の会場で日本人初となるFIAF賞を受賞。2018年、第41回日本アカデミー賞で会長功労賞を受賞
立花/珠樹
映画評論家・共同通信社編集委員。1949年、北九州市生まれ。一橋大学卒。共同通信社ニューヨーク支局などを経て、1990年代から映画取材を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : ワイズ出版; A5版 (2018/3/20)
- 発売日 : 2018/3/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4898303145
- ISBN-13 : 978-4898303146
- Amazon 売れ筋ランキング: - 570,789位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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東京物語がきっかけで京子さんのファンになってしまいました。昭和を代表する映画に多数出演なさっていてまだ観ていない作品をネットで調べて観賞するのが趣味となっております。ご本人のコメントもとても興味深い物ばかりで、当時の撮影現場の貴重なスナップ写真など目白押しです。親と同世代の京子さんですが、今現在も現役で活躍なさっていらっしゃいます。大変な事だと思います。若い人も是非読んで、そして映画もご覧になってください。きっと感動するし、世界が広がりますよ。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月15日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
我が家は全員が香川京子さんのファンということもあってこの本を買ったのですが内容も期待通りのものでした。香川さんは黒澤、小津、溝口健二そして成瀬巳喜男という日本を代表する大監督の作品にそれぞれ出演されているという、極めて稀な女優さんです。そんな香川さんが聞き手との対談という形で本書の中で撮影の貴重なエピソードなどを時系列で語っていて大変楽しく読み進める事が出来ました。もちろん随所にこれまた貴重な撮影中の写真も散りばめられており素晴らしいです。巻末には全出演作品一覧表がありこれも嬉しかったです。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
東京物語がきっかけで京子さんのファンになってしまいました。昭和を代表する映画に多数出演なさっていてまだ観ていない作品をネットで調べて観賞するのが趣味となっております。ご本人のコメントもとても興味深い物ばかりで、当時の撮影現場の貴重なスナップ写真など目白押しです。親と同世代の京子さんですが、今現在も現役で活躍なさっていらっしゃいます。大変な事だと思います。若い人も是非読んで、そして映画もご覧になってください。きっと感動するし、世界が広がりますよ。

東京物語がきっかけで京子さんのファンになってしまいました。昭和を代表する映画に多数出演なさっていてまだ観ていない作品をネットで調べて観賞するのが趣味となっております。ご本人のコメントもとても興味深い物ばかりで、当時の撮影現場の貴重なスナップ写真など目白押しです。親と同世代の京子さんですが、今現在も現役で活躍なさっていらっしゃいます。大変な事だと思います。若い人も是非読んで、そして映画もご覧になってください。きっと感動するし、世界が広がりますよ。
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VINEメンバー
Amazonで購入
香川京子さんは、タイトルのごとく気高く、真っすぐに生きた人でした。映画女優である前に、女性として、人間として見事な人生を歩まれていると、私は感銘を受けました。本書は香川京子さんと映画記者との対談ですが、デビューから現在までの出演作についての思い出や裏話、俳優・監督との交友を興味深く読みました。
女学校を終えて就職のときに、和光の面接と新東宝のニューフェイスのオーディションが重なって新東宝を選んだところから彼女の女優人生はスタートします。その後は成瀬己喜男、小津安二郎、溝口健二、黒澤明の4巨匠の代表作に出演するなどして日本映画の黄金期を担います。これは彼女が自由を求めて新東宝専属からフリーになっていたので実現したのですが、同時に各監督が彼女を高く評価したからでもあります。「東京物語」にて原節子の義妹役に香川さんを起用した小津監督は、彼女を「洗い立ての感じがする女優」と語ったそうです。これは素の彼女のもつ清々しさを見抜いた発言なのでしょう。この対談でも香川さんの聡明さや優しさ、率直さが強く心に残りました。
香川さんは役づくりには努力を惜しみませんでした。出演する役の実際の現場に足を運び、関係者に話を聞くことなどは頻繁のようでした。たとえば、「ひめゆりの塔」(今井正監督1953年)のときには、ひめゆり部隊の生き残りの女性たちと会い、その後も長く交流を続けられました。そして、彼女の女優としての転換点となった「近松物語」では溝口監督の厳しい要求に「死にたくなるほど苦しんだ」と語っています。香川さんの語り口は終始謙虚さに満ちていて、共演した俳優や監督、スタッフを誉め、感謝しているのが印象に残りました。
香川さんは、主婦として、母としても手を抜くことはありませんでした。新聞記者である夫の海外赴任に同行して3年間ニューヨークに滞在し、2人の子どもをもうけました。また長男を東大に入れるなど、多忙な女優業のかたわら子育てにも力を注がれたことがわかります。巻末に長女の泰子さんから見た「仕事をずっと続けてきたお母さん」の姿が記されています。
デビュー70周年記念出版により偉大な女優の歩んだ道を知ることができました。豊富な写真とフィルモグラフィーにより貴重な戦後映画史になっています。多くの人、とりわけ女性に読んでいただきたいと私は願っています。
女学校を終えて就職のときに、和光の面接と新東宝のニューフェイスのオーディションが重なって新東宝を選んだところから彼女の女優人生はスタートします。その後は成瀬己喜男、小津安二郎、溝口健二、黒澤明の4巨匠の代表作に出演するなどして日本映画の黄金期を担います。これは彼女が自由を求めて新東宝専属からフリーになっていたので実現したのですが、同時に各監督が彼女を高く評価したからでもあります。「東京物語」にて原節子の義妹役に香川さんを起用した小津監督は、彼女を「洗い立ての感じがする女優」と語ったそうです。これは素の彼女のもつ清々しさを見抜いた発言なのでしょう。この対談でも香川さんの聡明さや優しさ、率直さが強く心に残りました。
香川さんは役づくりには努力を惜しみませんでした。出演する役の実際の現場に足を運び、関係者に話を聞くことなどは頻繁のようでした。たとえば、「ひめゆりの塔」(今井正監督1953年)のときには、ひめゆり部隊の生き残りの女性たちと会い、その後も長く交流を続けられました。そして、彼女の女優としての転換点となった「近松物語」では溝口監督の厳しい要求に「死にたくなるほど苦しんだ」と語っています。香川さんの語り口は終始謙虚さに満ちていて、共演した俳優や監督、スタッフを誉め、感謝しているのが印象に残りました。
香川さんは、主婦として、母としても手を抜くことはありませんでした。新聞記者である夫の海外赴任に同行して3年間ニューヨークに滞在し、2人の子どもをもうけました。また長男を東大に入れるなど、多忙な女優業のかたわら子育てにも力を注がれたことがわかります。巻末に長女の泰子さんから見た「仕事をずっと続けてきたお母さん」の姿が記されています。
デビュー70周年記念出版により偉大な女優の歩んだ道を知ることができました。豊富な写真とフィルモグラフィーにより貴重な戦後映画史になっています。多くの人、とりわけ女性に読んでいただきたいと私は願っています。
2018年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまでの著作(「ひめゆりたちの祈り」「愛すればこそ」)やインタビュー本、日経新聞の「私の履歴書」等でも、香川さんの女優人生については語られてきましたが、今回はさらに深堀されて、これまで紹介されていなかったエピソードやスナップ写真、英字新聞の記事なども掲載されていて、とても読み応えがありました。
また、巻末には映画でかかわってきた多くの人物の紹介、全出演作のフィルモグラフィーも載っていて、一つの日本映画黄金時代の歴史を辿る書物としての価値も備えています。さらには娘さんのお母さんに寄せる思いも綴られていて、香川さんのファンならば必携の書と言えるでしょう。
しかし、この方は本当に素敵な方ですね。その思いを新たにしました。まさに題名通りの凛たる女優さんだと思います。
また、巻末には映画でかかわってきた多くの人物の紹介、全出演作のフィルモグラフィーも載っていて、一つの日本映画黄金時代の歴史を辿る書物としての価値も備えています。さらには娘さんのお母さんに寄せる思いも綴られていて、香川さんのファンならば必携の書と言えるでしょう。
しかし、この方は本当に素敵な方ですね。その思いを新たにしました。まさに題名通りの凛たる女優さんだと思います。
ベスト1000レビュアー
・ ・ ・ しかし、「 近松物語 」 では 溝口演出 の洗礼をまともに受けた。
「 もう一回 」。
監督さんは演技が気に入らないと、何度も同じ場面のやり直しをさせた。 理由はおっしゃらない。 考えるのは俳優の仕事ということなのだ。
相手役の長谷川(一夫)さんやスタッフの方々が 私の演技に 「 O K 」 が出るのをずっと待っている。 申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
監督さんからは 「 反射してください 」 ともよく言われた。私はどうしようかと思って、死にたくなるほど苦しんだ。
試行錯誤しているうちに、セリフは 相手の言葉や動作によって生まれるもので、その時の気持ちになれば 自然に出てくるということ、それが 反射 なのだ と気が付いた。 俳優を極限まで追い詰め、そこから出てくるものを待っている。 それが溝口監督のスタイルだった。
一場面一場面に思い出があるが、「 近松物語 」 が、その後の私の女優人生を支える映画となったといっても過言ではない。
( 香川京子さん 『 私の履歴書 』 日本経済新聞 2009年3月14日 掲載分より )
*** *** *** *** *** ***
.
「 近松物語 」 ( 溝口健二監督、1954年 松竹 ) は、主演された香川京子さんご自身が 「 出演作の中から どれか一本だけを選ぶとしたら、溝口監督の下で 芝居の根本をたたき込まれた この作品 」 と語る、 香川さんの代表作であると同時に、近松門左衛門の 浄瑠璃 と 溝口健二の 映像表現 、 即ち 「 伝統芸術の 様式美 」 と、 「 透徹した リアリズム 」 の双方が 見事に融合した 近代邦画の 最高傑作である。
封建社会の 理不尽な 掟 (おきて)の中で、死罪を越えて 真実の愛に目覚めてゆくヒロイン 「おさん」 を演じる香川さんは、例えようもなく 美しい。
本書は、 この 「 近松物語 」 をはじめ、香川さんが出演された作品、 監督・共演者たちとの交流、 その他 撮影当時のさまざまな出来事について詳細に記された まことに興味深い伝記である。
内容の 「 正確さ・豊富さ 」 は、 香川さんの比類の無い頭脳明晰さ、そして みずみずしい感性から生み出されたものであると 強く感じる。
名作 「 東京物語 」 に香川さんを起用した小津監督が、香川さんについて 「 実に、 洗いたて の感じがする女優 」 と語っておられるが、言い替えるならば ひとりの人間としての 『 素 』 の魅力、 すなわち 香川さんが持っておられる 清楚な人間性と共に、表面だけの演技や 技巧に走らない 女優としての ごく自然な 清々しさを 「 洗いたて 」 と表現されたのであろう。
香川さん ( 本名 牧野香子さん ) は、女優としての活躍の一方で、新聞記者のご主人と素晴らしいご家庭を築かれ、ご主人の 米国ニューヨーク駐在時には お嬢さんを伴い ご家族で同行されて みずから主婦業に専念し、のちに東京大学で学ばれるご子息を ニューヨークで出産されている。
又、2011年には、小津、溝口、成瀬、黒沢といった巨匠との交流による 貴重な記録資料を、東京国立近代美術館フィルムセンター に寄贈されたことを契機に、日本人初となる FIAF賞 ( 国際フィルム・アーカイヴ連盟賞 ) を受賞されている。
端然として映画界で活躍されると共に、 おだやかな愛情を伴った 「 家庭人 」 としての人生を ひた向きに歩まれてきた 香川さんは、 女優として、そして何よりも ひとりの日本女性として この上なく美しく、心から私淑申し上げると共に、遠い園生にひそやかに建つ 胸像のごとき、「 永遠の銀幕のヒロイン 」 なのである。
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「 もう一回 」。
監督さんは演技が気に入らないと、何度も同じ場面のやり直しをさせた。 理由はおっしゃらない。 考えるのは俳優の仕事ということなのだ。
相手役の長谷川(一夫)さんやスタッフの方々が 私の演技に 「 O K 」 が出るのをずっと待っている。 申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
監督さんからは 「 反射してください 」 ともよく言われた。私はどうしようかと思って、死にたくなるほど苦しんだ。
試行錯誤しているうちに、セリフは 相手の言葉や動作によって生まれるもので、その時の気持ちになれば 自然に出てくるということ、それが 反射 なのだ と気が付いた。 俳優を極限まで追い詰め、そこから出てくるものを待っている。 それが溝口監督のスタイルだった。
一場面一場面に思い出があるが、「 近松物語 」 が、その後の私の女優人生を支える映画となったといっても過言ではない。
( 香川京子さん 『 私の履歴書 』 日本経済新聞 2009年3月14日 掲載分より )
*** *** *** *** *** ***
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「 近松物語 」 ( 溝口健二監督、1954年 松竹 ) は、主演された香川京子さんご自身が 「 出演作の中から どれか一本だけを選ぶとしたら、溝口監督の下で 芝居の根本をたたき込まれた この作品 」 と語る、 香川さんの代表作であると同時に、近松門左衛門の 浄瑠璃 と 溝口健二の 映像表現 、 即ち 「 伝統芸術の 様式美 」 と、 「 透徹した リアリズム 」 の双方が 見事に融合した 近代邦画の 最高傑作である。
封建社会の 理不尽な 掟 (おきて)の中で、死罪を越えて 真実の愛に目覚めてゆくヒロイン 「おさん」 を演じる香川さんは、例えようもなく 美しい。
本書は、 この 「 近松物語 」 をはじめ、香川さんが出演された作品、 監督・共演者たちとの交流、 その他 撮影当時のさまざまな出来事について詳細に記された まことに興味深い伝記である。
内容の 「 正確さ・豊富さ 」 は、 香川さんの比類の無い頭脳明晰さ、そして みずみずしい感性から生み出されたものであると 強く感じる。
名作 「 東京物語 」 に香川さんを起用した小津監督が、香川さんについて 「 実に、 洗いたて の感じがする女優 」 と語っておられるが、言い替えるならば ひとりの人間としての 『 素 』 の魅力、 すなわち 香川さんが持っておられる 清楚な人間性と共に、表面だけの演技や 技巧に走らない 女優としての ごく自然な 清々しさを 「 洗いたて 」 と表現されたのであろう。
香川さん ( 本名 牧野香子さん ) は、女優としての活躍の一方で、新聞記者のご主人と素晴らしいご家庭を築かれ、ご主人の 米国ニューヨーク駐在時には お嬢さんを伴い ご家族で同行されて みずから主婦業に専念し、のちに東京大学で学ばれるご子息を ニューヨークで出産されている。
又、2011年には、小津、溝口、成瀬、黒沢といった巨匠との交流による 貴重な記録資料を、東京国立近代美術館フィルムセンター に寄贈されたことを契機に、日本人初となる FIAF賞 ( 国際フィルム・アーカイヴ連盟賞 ) を受賞されている。
端然として映画界で活躍されると共に、 おだやかな愛情を伴った 「 家庭人 」 としての人生を ひた向きに歩まれてきた 香川さんは、 女優として、そして何よりも ひとりの日本女性として この上なく美しく、心から私淑申し上げると共に、遠い園生にひそやかに建つ 胸像のごとき、「 永遠の銀幕のヒロイン 」 なのである。
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2018年3月30日に日本でレビュー済み
この女優さん大好きです。1950年代から、黒澤・小津・溝口・成瀬・今井・本多・・・映画史上に残る名作に数多く出演されているのに、ちっとも偉ぶらず控えめですよね。近年でも「BALLAD 名もなき恋のうた」でもガッキー扮する姫にぴったり寄り添う婆やを気品高く演じておられました。この本は本当に貴重なインタビューというより歴史的な証言ですね。いつまでもお元気で素敵な演技を見せてくださるよう願ってやみません。